対局日記#317 ひらめきのメソッド

2022/5/20

こういう局面は、先入観で「形が良さそう」「まともな仕掛けを考えなければ」などと言って、▲1五歩から端攻めかな…なんて考えてしまいがち。

よーく見て。
▲3三歩成が痛すぎだよ。

こればっかりは気付かなかったので仕方ない。


将棋は気づきのゲームである…。
▲2四飛△同歩▲3七角打で先手優勢。

この筋は後に考えたのだが、この瞬間が最も痛かった。

こればっかりは、気付かなかったので仕方ない。

今日気付けているなら、それでいい。


 結局「見落とし」「うっかり」という言葉が使われるのは、「誰でも知っているし、当然指せる一手にもかかわらず、抜け落ちていた」という場合である。一局に一度は、何かしらそれに近い現象が起こりうる。
 原因としては、弱いわけではなく、人間だから仕方ないのでもなくて、たまたまその人にとっての経験が少なかった。それだけである。経験があれば、体が勝手に察知してくれるようになる。

 盲点があるのは仕方ない。しかし、それを一つでも多く減らしておく努力は必要である。良い手をひらめくのも同じ。見つけられなかったら、今それを知って、これから指せるようにする。それしかない。

 近道はない。


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