対局日記#566

2022/11/22

羽生さんのニュースを耳にしました。

角換わりの好形はすごい難しいなという話。
ここで△2四歩という大胆な定跡外しをやってみた。

自分で序盤を作ってみようという思いで指してみたのだが、思いのほか面白かった。


ここで△2三銀と上がったのは当然の一手かと思っていたのだが、もったいない手だったようだ。
▲6六角や桂交換に対してあたりが強くなったり、万が一の△3一銀と引く筋も消してしまった。優先すべき手ではなかったというのが明らかである。


銀冠は好形というイメージだったが、ここで▲6六銀とされるとバランスの悪さが出ている気がする。
柔軟性を欠いており、盛り上がっている割に下支えが弱い。
そもそも角交換して飛車が使い物にならなくなっているので、何らかの形で参加できるような形を心がけるべきである。


これは嫌な攻めに見えたが、実は結構軽い攻めである。
△同歩▲同桂△同桂▲同銀△同銀▲同飛△4四歩▲4九飛△3一玉が堂々とした対応。

△3一玉がかなり冷静な一手で、突然攻めが遠くなる。

さっきの▲5六銀と▲3七桂がいる形だと好形に見えていたが、それがいなくなるとずいぶん頼りない▲3八金に見えてくる。ここまで見抜ければよかった。


ここでも△6三銀▲4五銀△3一玉と進めるのが正解。
この受け方が全く見えてなかったことが分かる。


難しい速度認識。
ここで△6五金は▲4五銀は速度負けしそうだと思ったが……。

以下
△7五歩▲4四銀△7六歩▲6八銀△8六歩

こうなると急に先手玉が寄ってしまった。
それと反対に、後手玉が全然寄らないように見える。△8二飛も絶好だ。

これが起こっている原因は多分読みの足りなさ。
△6五金▲4五銀の局面で「多分速度負けしそうだな……」
↓↓↓
△8六歩の局面は「完全に速度勝ちに見える」

完全に勝ちの局面は、自分の中で一切の疑いなく勝ちだとわかる。
もやっとした危うさは、なんとなくダメな気がしてしまう。

しかし確信になり切っていない危うさというのは、結構大丈夫な範囲だったりする。読んでみたら案外大丈夫だった、ということは気付ければわかるのである。問題は読まずに感覚で判断した気になること。

感覚で危険を察知するのは30秒将棋でとても大事な生存本能であるが、それゆえに踏み込めないのはよくない。時には自分を信じないことが必要。


ここで△8五歩が寄せの手筋だった。
見たことがほとんどないので全く読んでない。


ここでもなんだか似たようなことが起こっていた。
△5八金とするか△7五金とするか。

△5八金はかなり相手に手を渡すので、何が来るかわからない怖さがある。しかし自分には相手の狙いが分からない。
△7五金は、手にならないような予感がしていたものの、それでももしかしたら何かありそうだと思ったので踏み込んだ。自分に決定権がある展開にしようと思った。

しかし「自分に決定権があるような気がする」というのはちょっと間違っていて、自分が攻め切ることが将棋のゴールみたいな感じが伺える。そもそも将棋は寄せて勝つだけでなく受けて勝つゲームでもあるのだ。

受けに回るのを「相手に委ねる」
攻めに回るのを「自分が決める」

それだとなんだか、受けるのは自分の力じゃないみたいな印象がある。
そうじゃない。

「自分が分からないくらい難しい局面なんですよ」っていうのを相手に投げつけるのが受けである。
攻撃が「攻め」なら、受けは「責め」である。
堂々と受け止めてやるべき。

守りではなくて、”受け”と表記している由来を思い出そう。


この後は結局受け切られてしまい負けに。
色々と反省点の多い将棋だったが実り多し。

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