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Huawei 新サーバー向けCPU「Taishan V120」の性能が AMD Zen 3に迫る? ベンチマーク初公開

TomsHardwareの記事より、
中国Huawei傘下のHiSiliconが開発したサーバー向けCPU「Taishan V120」のシングルコア性能が、ベンチマークソフト「Geekbench 6」で初めて公開されました。結果は、2020年後半に発売されたAMDのZen 3コアと同等レベルを示しており、Huaweiのチップ設計技術が欧米大手と遜色ない水準に達している可能性を窺わせます。

今回公開されたベンチマーク結果はシングルコアのみのもので、総合的な性能を判断するには不十分です。しかし、Taishan V120コアがZen 3と同等という点は注目すべきポイントでしょう。

Taishan V120コアは、Huawei製のスマートフォン向けチップ「Kirin 9000s」にも搭載されており、4つのTaishan V120コアと2つの低消費電力コア「Arm Cortex-A510」を組み合わせています。Kirin 9000sは、SMICの第2世代7nmプロセスで製造されており、今回のベンチマークでテストされたTaishan V120コアも同じプロセスで作られている可能性が高いと考えられます。

ベンチマーク結果はCPUの詳細については明らかにしていませんが、「Huawei Cloud OpenStack Nova」という情報のみ示されています。このことから、今回テストされたのは「Kunpeng」サーバー向けCPUであることが推測されます。具体的には、Kunpeng 916、920、930のいずれかですが、シングルコア性能の高さを考えると、おそらく上位モデルのKunpeng 930ではないかと考えられます。

Kunpeng 930は2019年に発表されて以来、今回が初めてのベンチマーク公開となります。当初は2021年にTSMCの5nmプロセスで発売され、その後2023年には3nmプロセスを採用したKunpeng 950が発売される予定でしたが、HuaweiはTSMCでの製造が禁止されているため、計画は変更されました。

今回のベンチマークはシングルコアでのみ実行されており、前世代のKunpeng 920が最大64コアだったことを考えると、仮想マシン上もしくは特定の環境でコアを1つだけに設定してテストが行われた可能性があります。そのため、マルチコア性能については今回の結果からは判断できません。

Geekbenchのランキングによると、Taishan V120を搭載したサーバー向けCPUは、AMDのZen 3ベースのEpyc Milan CPU、特にミッドレンジのEpyc 7413と同等のパフォーマンスを示しています。また、2018年発売のIntel Xeon E-2136にも匹敵します。Taishan V120の動作クロックが2.9 GHzであることを考えると、十分な結果と言えるでしょう。

ただし、最新のZen 4ベースのEpyc Genoaや、IntelのSapphire Rapidsには性能で劣ります。これら2つはどちらもTaishan V120よりもプロセスが新しく、TSMCの5nmプロセスとIntel 7プロセスを採用しています。

総合的な性能を判断するには、マルチスレッド性能、消費電力、効率性などの情報が不可欠です。特にサーバー向けCPUにおいては、電力のコストが重要であるため、たとえ高速であっても消費電力が多ければ不利となります。今後のベンチマーク結果や実運用での評価が待たれます。

詳細内容は、TomsHardware が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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