月城かなとさんと海乃美月さんの退団は、まあまあ予想できていたので、非常に残念ではありますが驚きはしなかった。しかし和希そらさんの退団は青天の霹靂。いまちょうど「Délicieux !－甘美なる巴里－」の感想文に挑戦していて、和希さんの歌舞シーンを見返しながら、本当にいいなあ、上手いなあと思っていたところだったので余計にです。

自分はいわゆる「宝塚人事」には疎いので現実的な可能性については知り得ませんが、十分すぎる実力と素晴らしい華もある和希さんは、いずれどこかの組でトップになるのだろう、なってほしいなと思っていました。

ときどき、宝塚歌劇は本質的には総合芸術ではないのだなと、少し嫌気がさすことがあります。
だから和希さんがこの先、たとえトップの立場ではなくとも、出演する舞台をひときわ輝かせてくださることを期待していた。
勝手な期待で申し訳ない。
タカラジェンヌにとってはトップスターだけがゴールではないだろうし、ライフプランもあるだろうし、ファンの勝手な期待と意図せぬ重責を背負わされるのは苦痛でしょう。

どんな仕事もそうだろうと思いますが。
上に行けばいくほど、やれることが増えて権限も得られて、それまでとは全く違う景色をみられる。その反面、逆にできなくなることややりたくないこと、こんなはずじゃなかったことも増えるし、見たくないものもみなければならなくなる。それらに耐えてでも新しい景色をやりがいにできるかと、葛藤が常につきまとう。
だからといって上に行くことを最初から拒否するのもまた違う。どんな景色も実際にみてみなければわからないのだし、見たくてもみられない人だっている。

脱線しましたが、
退団は本当に残念です。
「ベルばら」観たかったな。
「夢千鳥」「双曲線上のカルテ」も良かったけれど、もっとハッピーでハートウォーミングな作品の主演も観たかったな。
「Délicieux !」の感想もまだしばらく書けそうにないな。

「和希そら」は間違いなく伝説として語り継がれるでしょう。
残りの宝塚生活を存分に楽しまれることを、そして前途に実りと幸が多からんことを心よりお祈り申し上げます。