芹香斗亜さんの「イルカの唄」

今日、2023年6月11日は、宙組トップスター真風涼帆さん、トッブ娘役の潤花さん、他の方々が宝塚を退団なさる日です。これからライブビューイングを観る予定ですが、退団について今書くとひどく感情的になりそうなので、今日同時に二番手を卒業される芹香斗亜さんについて自分語ります。

ここのところずっと、真風さんの退団に向けて過去作を遡って観ていたのですが、それは同時に芹香斗亜さんの、二番手としての軌跡をたどる作業でもありました。
で、思ったのが。  
芹香さんは立場上、悪役や敵役を演じることが多く、芝居や歌の中で、破壊や闘争、支配、分断、搾取を表現し続けてこられたのだなということ。それが板につきすぎて魅力のひとつになってしまうほどに、です。

そんなことを思いながら先日、奇跡的に観劇できた「カジノロワイヤル」終盤の歌唱指導で。
ミラーボールの反射が場内いっぱいに煌めく中、文字通り光り輝きながらせり上がってきた芹香さんが、穏やかに微笑みながら歌い出した最初のフレーズで、私は落涙しました。
いままであんなにも、身体が反るほどに激しく「思い知らせてやる!」と叫んできた人が、優しく語りかけるように「知ってるかい?」と歌っている。

続く歌詞は、再生と融和、利他、友愛。芹香さんの愛称「キキ」もさりげなく入っている。
長きにわたりトッブを支えてきた偉大な二番手がその役目を終える舞台に、この歌を用意した方々の愛情を感じました。

今日は芹香斗亜さんの二番手最後の舞台を、しかと目に焼きつけようと思います。

ダメだ泣きそう。今日はいつ剥げてもいいようにアイメイクからマスカラ抜きました。


 

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