エクスプレッションの書き方(木管編)

前回の弦楽器のエクスプレッションの書き方が少し評判だったので、今回は木管についてもざっくり紹介してみようかな。
あらかじめ断っておくんだけどもこれは音楽のほんの一例なので、他にも色々なパターンがあるから注意してね。

今回はオーボエのソロにエクスプレッションを書いてみます。
使った音源は前回と同じメーカーの「Hollywood Woodwinds」を使います。

1.準備

まずはEastwestのフォルダのoboeを立ち上げます。
パッチは「OB Sus Vib」っていうのを使います。他にもいろいろパッチあるわけなんだけど、ぶっちゃけレガートパッチよりこれが簡単で曲が作りやすいです。このパッチは音を伸ばすと勝手にビブラートをかけてくれる嬉しいタイプ

前回と同様に最初に基準となる初期設定を打ちます。
今回使うSusパッチは前回のパッチとは大きな違いがあります。それは
CC1は「ダイナミクス」CC11が「エクスプレッション」に割り振りされているっていうこと。

CC1のダイナミクスっていうのは曲の表現力をつけるパロメーターで、
CC11のエクスプレッションっていうのはそのダイナミクスの平均音量を調整するものだと考えるといいかなー

2.CC1ダイナミクスを打つ

まずCC1にダイナミクスの基準となる点を打ちます。今回は70くらいにしました。どれくらいの表現力にするかは自分の作りたいフレーズに合わせてね。どれくらいの音量感になってるかちゃんと聞きながら決定するね

3.CC11エクスプレッションを打つ

こっちも基準となる点を打つわけなんだけども、CC1とだいたい同じくらいの70に設定。俺のやり方だけど、CC1と同じにすると作りやすい。

ここで気をつけるのは、ちゃんとスピーカーで音像が感じられるようなポイントを探すこと。コンサートホールでちゃんとそこにオーボエがいるぞーって感じるようにしないとね

4.フレーズを打つ

前回と同じでまずエクスプレッションはシカトして、フレーズだけ考えます。フレーズに自然なブレスポイントができるようにするのがベストかな。この時点での音源はこんな感じ。

この時点でも聴けなくはないんだけど、なんとなくロボットっぽいというか平坦な印象があるはず。会話にもイントネーションがあるように、フレーズにも適したイントネーションがあるから、それを入れないと棒読みっぽくなる。実際の演奏でもこんなフラットな演奏はしないしよね

5.CC1ダイナミクスを書く

先にCC1から打ちます。フレーズの音をよく聞きながら、どのポイントに山が来るのかをまず決める。今回は1小節目の2拍、2小節目頭、3小節目に山ができるように決定した。山がわかればあとは谷をつければいいので、オーボエの音をよく聞きながら歌っているように感じるように書きます。

ついでに1小節目の早い部分にはCubaseのノートレガートをつけました。
1、2小節は躍動感のある山、34は減衰するようなイメージで作りました。

6.CC11エクスプレッションを書く

CC1にも音量がある程度は割り振りされているんだけど、CC1だけじゃ表現しきれてない全体の立ち上がりや減衰をCC11で補います。

音をよく聞きながらスラーっと書きます。CC1とは違ってあんまり上下しまくるとぐちゃぐちゃになるので、こっちはQ幅広めのなだらかに書くのがポイント

あとダイナミクスの微調整にも有効で、CC11はCC1を平均的に下げてくれるような効果があるから、ミックスのときに、後でちょっとだけ小さくしたいなーっていうときはこっちを調整するとOKだねー

7.出来上がり

これでオーボエのフレーズはできあがり。本当はもっと良い音源を使えばもっと滑らかにできると思うんだけど、今回はこれでおしまい。
音を良く聴きながら、歌うように作るのがポイントかな。あと実際に管楽器を演奏してみるとニュアンスをつかめるようになるかもしれない

今回はオーボエだったけど、フルートとかの他の木管にも応用できるハズ
ダイナミクスとエクスプレッションが分かれているタイプの音源ははっきりいって相当ムズいからめちゃくちゃ練習が必要かも。。

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