宮澤伊織「裏世界ピクニック 8」

「知ってる? 共犯者って、この世で最も親密な関係なんだって」……裏世界の中、鳥子が出逢ったばかりの空魚へ投げかけた言葉。あれから一年あまり。因縁の閏間冴月の危機が去った今、空魚には向き合わなければいけない感情があった。鳥子からの本気の告白、返事までの期限は1週間。空魚は周囲や自身と対話を重ねながら、積み重ねてきた鳥子との関係性を少しずつ捉え直していくがーー?怪異探検サバイバル、2人の佳境
(以上、裏表紙より)

   * * *

アニメ化もしてるんで多くは語るまい。
人気のシリーズももう8巻。
前巻も怪異ネタ薄いな〜とは思っていたが、本書は過去いち薄味だった。

人間関係が読みたくてこのシリーズを読んでるんじゃない、ネットロアベースの怖い話が読みたくて読んでるんだよ。裏世界の冒険譚に心躍らせたくて買ってるんだよ。
それなのにネットロアも裏世界もそっちのけで、ほんの申し訳程度の刺身のツマみたいな扱いにして。
なので全3篇のあらすじ紹介もアホらしくってようせんわ。
「告白受けよっかなどうしよっかな〜、キャッ、受けちゃった〜///」なんて展開をメインに持ってこられましても、ねえ。
懐かしのティーン向け恋愛小説を間違って買ったかと思ったわ。背表紙がピンクのやつ。
大体恋愛沙汰に発展して両思いとかまで行ったらもうシリーズとして佳境ってか終焉間近じゃない?
続けたかったら新本格の探偵物みたいに決してキャラは変容させないでしょう。

いや本当にどうしてこうなったんだ。
編集の百合押しに負けたの?
著者が百合を描き切りたかったの??

途中でバトル物に路線変更するジャンプ漫画かよ。
あっちは伝統ある既定orバトルの二択択一だけど、早川のシリーズで主旨替えって結構タチ悪いと思う。

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