ふと思う。スタジアムでサッカー観戦をすることの楽しさって何だろう。

「自分が応援するチームに自分の気持ちが入り込み、応援という形でチームと一緒に、または贔屓の選手と一緒に戦う。勝ったら共に喜び、負けたら一緒に落ち込む。その繰り返しを楽しめるのがスタジアム」

僕の中の究極のスタジアムでサッカー観戦を楽しむことの楽しさはまさにこれである。最近はそういうことを抜かして
①試合前後の試合以外のイベント
②充実したグルメ
③ユニークなチケット

こんなところばかりがフォーカスされることが多い気がする。勿論、今の日本のサッカーを取り巻く環境では、サッカー好きの層が圧倒的に少なく、クラブ経営を安定させてようと思ったら、超ライト層やライト層を巻き込むことが大切なので、これからの企画を完全に否定する気は僕にはありません。

ただ、最近はこの手の議論ばかりが大げさに増えている気がする。
「イベントを開催して、サッカーに興味ない人にもスタジアムに来てもらいやすいキッカケを作る」「グルメを充実させて、既存のお客様が友人などを誘いやすくする」「試合後に選手に会えるチケットなどがあればサッカーに興味ない女性のお客様を誘いやすい」

僕がいつも思うのは「上記の施策を行った結果、結局何をお客様に感じてもらい(楽しんでもらい)、どう周りに広めてほしいのか?」という部分である。

最終的にはどのクラブの人も、そしてこの議論をしている人も「そのチームのファンになってもらって、サッカーの楽しさを感じつつ、サポーターとして選手と一緒になって戦い、喜怒哀楽をスタジアムで感じてもらい」と思っているに違いないと思っている。

マーケティング用語でいえば、カスタマージャーニーの設計の部分やAISASの最後のS(Share:共有する)の部分で何を拡散してほしいのかという部分の設計があいまいな気がする。

また、イベントなどを開催すれば・・・という意見は多く出るが、実際はイベントをホームゲームのたびに開催するにはアイデアと多くのお金と労力がかかる。当事者になればわかるがクラブに潤沢なお金があればイベントは簡単に開催できる。

だが、実際はイベントのお金については①アイデアを出し②共感・協賛してくれそうな企業か理由を付けて地域からお金を引っ張る③各ステークホルダーとの調整④イベントの準備⑤当日の実行 などのプロセスを経て、獲得する(場合によってはクラブ内承認を得る)

そういったプロセスには多くの労力がかかり、結果として目的の部分が曖昧になってしまう(イベントの開催がゴールになってしまう)

そして実際に体験すればわかるがこの労力を毎ホームゲームでかかると考えると適切なカスタマージャーニーを描く体力は残念ながら残らない。

もう少しサッカークラブそのものに興味を持ってくれる人を増やすことも必要だと思う。

・スポンサーってどういう存在?どういうことをしているの?
・ホームタウン活動って何?
・なんでサッカーチームって子供のチームもあるの?(ユース以下を指す)

もう少しフットボールにクールなクラブがいても僕は面白いと思う。

冒頭に記載した
「自分が応援するチームに自分の気持ちが入り込み、応援という形でチームと一緒に、または贔屓の選手と一緒に戦う。勝ったら共に喜び、負けたら一緒に落ち込む。その繰り返しを楽しめるのがスタジアム」

という表現は「トップチームだけを指している」わけではない。ユースやジュニアユース・ジュニアのチームでも同じように感じてもらい。

クラブを好きになるという風潮を作っていきたい。

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