見出し画像

【一幅のペナント物語#42】いつまでもあると思うな憧れのフェリー航路

◉船舶をモチーフにしたペナントにはよく見かける、舵輪を使ったデザインの一幅。黒い生地の上に白い舵輪が配されて、その中に海を行くフェリーが描かれている。「東京湾フェリー乗船記念 金谷⇔久里浜航路」ということは、この東京湾フェリーの乗り場や船内で販売されているものだろう。フェリーの背後に描かれているのは鋸山のようだ。全体的に黒っぽいので、なんだか火曜サスペンスチックなムードを醸し出している。これ、たぶん白い生地バージョンなど、他のカラバリがあるんだろうな。これはきっと不人気カラー。だってなんか不穏だもの。

◉ペナントに描かれている「しらはま丸」。現在就航している2隻のうちの1隻も「しらはま丸」なのだが、どうやらこれは2代目にあたるらしく、ペナントに描かれているのは、両頭船といって前後にブリッジを持つタイプの初代「しらはま丸」のようだ。この次第が1969年(昭和44年)就航で、2代目が1989年(昭和64年/平成元年)就航だそうなので、このペナントはその期間に発売されたということだろう。

ちなみに2代目は、昨年2023年(令和5年)11月から、ペリー来航170年を記念して黒船「サスケハナ号」をモチーフとしたラッピング運行をしているんだとか。奇しくも今回のペナントに雰囲気に似ているではないか。ペリーが乗ってきた船と全長もほぼ同じなのだそうな。

黒船バージョンにラッピングされた「しらはま丸」。もはや「くろはま丸」だ
(『さんたつ』HPより)

◉東京湾フェリーも最盛期には3隻の船を所有、航路も金谷⇔久里浜航路以外に、浦賀⇔金谷航路、横浜⇔木更津航路があったようだが、アクアライン開通などの影響で車の乗船ニーズが激減し、業績が低迷。現在は、この金谷⇔久里浜航路のみを2隻の船で回しているようだ。

航路マップ(『東京湾フェリー』HPより https://www.tokyowanferry.com/diagram/route/)

◉瀬戸内などでは島々をつなぐ橋の架橋によって、渡し船や内海航路のフェリーなどが急速に姿を消している。観光資源のある地域はかろうじて生き延びているようだが、生活者の足としての需要で成り立っていたような航路はこれからもどんどん消えていくのだろう。


【余談】国定公園と国立公園の違いってなんだろう?と思い、調べてみた。

◉国立公園・・・日本の景勝地の中でも特に傑出地として指定された自然公園。 自然公園法に基づき、環境大臣が指定し、原則として国(環境省)が管理する。
◉国定公園・・・国立公園に準ずる景勝地として指定された自然公園。 自然公園法に基づき、環境大臣が指定し、都道府県が管理する。
※傾向として国定公園は国立公園よりも狭いものが多い。
※国定公園から国立公園に編入されることもある。

『違いがわかる辞典』(https://chigai-allguide.com/cw0143/)より参照

他にも「国営公園」「国民公園」というのがあるらしい。

◉国営公園・・・都市公園法の要件を満たしている都市計画施設としての公園または緑地。 国立公園や国定公園とは大きく異なり、自然公園ではなく都市公園で、国土交通大臣が設置し、国(国土交通省)が維持・管理する。
◉国民公園・・・国(環境省)が設置・管理する公園で、都市公園・自然公園以外のもの(皇居外苑・新宿御苑・京都御苑の3カ所)

『違いがわかる辞典』(https://chigai-allguide.com/cw0143/)より参照

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?