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【ワルモノ絵】ロボ、いまだパンチをお見舞いしろ!「マッシ!」

部屋の大片付けでペナント整理が一時中断中なので、手っ取り早く#私の作品紹介として回想ネタで繋いでいきます(笑) 今回はワルモノ絵。『キャプテンウルトラ』を描き終わり、続いて手掛けたのは『ジャイアントロボ』。1967年(昭和42年)に放送開始した実写版です。秘密結社<ビッグファイア団>の印象深いワルモノたちを回想します。


◉まさかの同級生諜報員登場!滑稽リモコンバトル

転校生の黒田君こと諜報員X7

『ジャイアントロボ』は『三国志』でおなじみの横山光輝先生の原作で、ゆえあってロボを動かせる唯一の少年・草間大作と感情を持たないロボがいわゆるバディ的な形で、地球征服を企むギロチン帝王率いるBF団と闘うストーリーです。『鉄人28号』をアップデートしたような設定ですが、昭和特撮の潮流を育んだ伊上勝氏を筆頭に手練れの脚本家が手掛けたこともあって、面白いお話が多いです。第18話「謎の諜報員X7」は、大作のクラスに転校生としてやってきた黒田君が、実はBF団の諜報員だったというお話。まあ主人公が小学生で防衛組織に所属してるわけで、悪の組織にもそういう存在が居てもおかしくはないですもんね。クライマックスは、お互いすぐそばに居るのに互いのロボを音声指示で戦わせるというキテレツな展開に・・・(イラスト参照)。「大作、まずは黒田君を取り押さえろ!」と思った子どもたちは多かったのでは? は? 最後は黒田君死んじゃうという切ないエンディングでした。

◉友好的宇宙人を装った極悪宇宙人

申し訳ないけど、どう見たって怪しすぎるメトロスリー

続く第19話「アンドロメダ宇宙人メトロスリー」は、"宇宙の警察官"を騙って人間を信用させて、栄養剤とかいって妙なカプセルを喰わせてくる宇宙人の話です。カプセル喰うとゾンビみたいになってしまいます(イラスト参照)。おでこの目から金縛り光線を発射して、大作やロボを動けなくさせ、その間に街を破壊しようとするワルモノのお手本のようなワルモノ。どう見たって悪そうなんですが、見かけで判断しちゃダメと教わってきますからねえ。そういえばロボの弟分のようなGR2というロボットを操っていました。メトロスリーの名前はもしかして、目が3つだから・・・なんだろうなあ。

◉全然動かなかったパクリ・ジャアントロボ

仁王立ちのカラミティ。そのままお陀仏に。後ろの飛行機は、航空防衛隊の戦闘機なんですが、
模型のベースになっているのは当時最新鋭のロッキードSR-71。そっちに僕は驚きました

第22話「殺人兵器カラミティ」に登場する日本の友好国・メルカ共和国のロボット・カラミティは、ロボのデータをもとに開発されたパクリロボ(国の名前と胸のマークからネタ元は想像つくでしょう)。防衛組織ユニコーンの面々は「機密なのでロボのデータは提供できない」と断るも、メルカ共和国大統領直々のご用命で政治的な圧力に屈してしまう、というあたりが大人な世知辛い展開。結局カラミティは完成するも、BF団に横取りされるのですが、怪獣スパーキィとの三つ巴戦の中で結局、一度も動かないまま爆発四散してしまいます。唖然。ロボは目が見えないピンチだったのに。木偶の棒を絵に描いたような、偽物の末路でした。でもカッコイイんですよねー。

◉大作くん、トラウマ級のコピーロボット

大作君が小学生だからこそ有効な作戦ではあるかもしれない

第23話「宇宙妖怪博士ゲルマ」では、ロボ奪還のため(もともとロボはBF団のもの)、ゲルマ博士というトカゲ顔の女宇宙人が招聘され、大作君からロボ操縦に必要な腕時計を奪う作戦を実行します。その手法が画期的。完成して起動させると誕生するコピー人造人間を送り込むというもの。まんまパーマンのコピーロボット(ボタンは胸のところにあります。イラスト参照)。大作君が作るというのが大前提というのも危ういけど、誕生したニセ大作君は間髪入れずにバレてしまうわ、奪った操縦用の腕時計も反応しないわ、次から次へと良くない方向に連鎖していく展開は、ゲルマ博士に同情しかありません。それにいしても大作君も組立てながら怪しいと思わなかったのでしょうか。みんなにすぐ本物だと言ってもらって良かったよ。

◉ロボを溶かす能力よりもビックリしたこと

ロボを描くのが大変なので・・・・

第24話「細菌虫ヒドラゾーン」では、あらゆるものを溶かしてしまう細菌虫がロボに襲い掛かります。細菌なのか虫なのか、よく解らない名前ですが見た目は真っ赤なスライムというかブロブみたいな生き物です(『ブロブ』は 80年代の楽しいクリーチャー映画♪)。BF団幹部のプロフェッサーがこれを使ってユニコーン支部の建物ごとロボを溶かそうと企てます。ですが、あらかじめブリキ製のニセモノとすり替えられていたため、無事だったロボに返り討ちに会ってしまうのですが、ヒドラゾーンの恐ろしさ以上に防衛組織ユニコーンの力技に口をあんぐりさせられてしまいます。原寸大でロボの偽物をブリキで造るって・・・。支部無くなって仕事は大丈夫なのかとか、余計なことばかり気になります。冒頭に出てくる空飛ぶタンカーというオーバーテクノロジーな乗り物とブリキのロボというギャップが破天荒なお話です。

最終回では地球を守るために、大作君の命令に背いて自らを犠牲にしたロボ。当時は視聴していた子どもたちからは悲しみの声が多く聞かれたそうです。人と心を通わせるロボット、というシチュエーションは世界的にみても日本独特な情緒を漂わせている気がしますね。『パシフィック・リム』とか完全なメカですし、『トランスフォーマー』はもともと日本発だし。

等身大から巨大なものまで、様々なタイプのワルモノが毎週登場した『ジャイアントロボ』は観ても掻いていても楽しい特撮でした。全25話と少ないので全話視聴も難しくありません。可愛らしく勇敢な"U7"こと大作君の奮闘ぶりを是非!

横山センセってこういう中東系の意匠好きですよね

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