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【一幅のペナント物語#27】自分だけの能登の魅力を見附けるでござんす

◉引き続き、ストックの中から「見付島」のペナントも紹介しておこう。能登半島最先端の町・珠洲市のシンボルであり、県天然記念物に指定されている能登を代表する観光スポットだ。今は「見附島」と表記するのがスタンダードのようでペナントのような表記はあまり見かけないが、描かれているのは紛れもなく"軍艦島”と別称されるあの島だ。「ほっと石川旅ねっと」の中に、まさしく同じようなアングルの写真があった。

引き潮時には踏み石をつたって島まで歩いていけるようだ(ほっと石川旅ねっとより)

◉その昔、弘法大師が佐渡から能登に来る際の目印とし、島影を目にしたとき「見つけた!」と言ったのがその名の由来とされている「見附島」。今回の能登半島地震では、かなりの部分が無残にも崩壊してしまった。

◉実は見附島、今回の地震で一気に崩壊したわけではなく、ここ5年ほどの間に徐々に崩れていたようだ。

1993年(平成5年)・・・能登半島沖地震で島の東側一部が崩落
2020年(令和2年)・・・能登群発地震でたびたび島の一部が崩落
2022年(令和4年)・・・地震で島の一部が崩落
2023年(令和5年)・・・地震で島の一部が崩落。
2024年(令和6年)・・・能登半島地震で土砂崩れにより島の一部が崩壊

Wikipedia「見附島」より抜粋

とこんな感じで、そりゃまあ、ここまで形が変わってしまうのもむべなるかな。地震が無かったとしても、いずれは波の浸食等で形が変わる運命だったとはいえ、数千年かけて訪れるはずのものが一瞬のうちに来てしまうとは、誰も想像していなかっただろう。改めて自然の力は無慈悲で強大だ。能登の景勝地の多くが、同じように大なり小なりダメージを受けているのは間違いない。大自然の景観も、いつ失われるかわからないのだ。観に行きたいと思ったときが、観に行き時ということか。

こんな素敵な写真も発見。もうこれと同じものは観れないのだ(tack/y様の作品 GANREFより)

◉ちなみに、ペナントに描かれている、島と鳥居の間に見える岩が気になって調べてみた。どうやらここには「小島」と呼ばれる岩があり、見附島とセットで「二島」として長年親しまれていたようだが、浸食によりどんどん小さくなり、2019年(令和元年)の台風19号で一足先に消失してしまったようである。

◉こんなニュースも見附けたので貼っておく。お近くの皆さんは、ぜひいい湯に浸かってババンババンと支援をしてあげてほしい。

◉能登半島二連荘、いかがだっただろうか。この季節(5月頃まで)は、立山連峰の幻想的な山々が能登のほうからも遠望できるというから、そういうのを地味に観に行くのもいいかもしれない。海から立ち上がる立山連峰といえば、富山の雨晴海岸がすこぶる有名で多くの写真がアップされているが、ここはあえての能登からの遠望に挑戦してみるのもいい。そう、自分だけの能登時間を"見附け"に。

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