辛いぜ

ひょんなことから偶然仲良くなった同い年の後輩から「もう無理です、助けてください」というラインが飛んできた。

30人いる新入りがひとりずつ抱負を含めた挨拶をする。大学生あるあるの延長として、大抵 男女みんな品定めするのだが、私の中でずば抜けてタイプだった。そんな彼の教育担当として まさかのバディペア になり ラッキーと親友にガッツポーズした記憶がある。

そこから2年半以上ほとんど毎日ラインをしてる。もうとっくに1年を通した業務活動は終えているくせに やたらお互いラインを送る。単なる業務連絡から、用もないのにラインする相手になった。

きっと最初で最後であろう「電話していいっすか?」との一報

ぁあ、デキちゃったか。

なんとなくそんな予感がして電話に出たら「僕、振られました」と一言。予想とは相反する言葉を受けて咄嗟に返事は出来なかった。

半ベソの電話に励ます。どうしたらいいっすか という嘆き声に、なんだか懐かしい気持ちになる。

細くてやや高めの身長なうえ、優しさしか持ち合わせてないような好青年の彼は 性根が弱々の弱であった。

「僕ほんまに弱いんすよ、情けないんすよ」

「ほんまに あなたらしいで、めっちゃ あなた らしい行動やで、情けないで。…まあ でも ええやん 。分かってるならええやん? 情けないと思うなら 情けない自分のまま当たって砕けちゃったら?」

「僕、頑張ります。ほんまに。絶対、」

「今のままやったら 心残りありまくって終わってまうなあ、それやったら 思ってることちゃんと伝えて、あとは相手がどう捉えるかやで? 好きならちゃんと伝えておき」

「そうっすよね。僕、ほんまに…そうします!!」

という 謎の電話をする。

真面目な相談を今まで何回かしてきたが、彼がそうやって半ベソかくのは初めてな気がする。ましてや、失恋とは!

めちゃくちゃ久しぶりに聞いた声はなんとも か弱かったけれど 真夏にシェアハピ ・パピコしまくってたのをふと思い出した。単位認定されない単なる大義名分 ボランティア授業に毎週出席し終えた後には 後輩のプリントをチェックし 、担当教授のアポを取り 次週のプリントをワンサカ印刷して 持ち帰る。そしてまた 無意味な講義に出る。

あんなもん 辞めても良かったのに バディのおかげで毎週かなりおもろかった。辞めてもいいことを 面倒臭がりながらも やり続けていたのは 完全にこのバディのおかげだ。教授の犬 との異名を持つ 仕事に日々嫌気もさすが、愚痴を言い合えるってのはそれだけで救いになる。

ぁあ あの夏が2年も前だと思うと また笑けてきた。この2年で 変化した。ほとんどすべての日常が変化した。良し悪しでは論議出来ない人生に ただおもれぇなあ と呟くしかない。

そして バディの話を聞きながら、恋愛って本当おもれぇよなあ! と常々思う。それから 失恋ってほんとに虚しいよなああああ! とも思うのだった。手の届かないくらい愛しいものに 指がかかるくらいの距離感が一番辛くて 苦しいのに 最高に幸せだったりする。寝ても覚めても 一生懸命で なんとも言えないあの背伸びの仕様に 少し笑けてくる。ほんの少しの変化に敏感になり SNSのトプ画や一言やさりげない違和感に 電波ビンビンに張り続け 勝手に一喜一憂する。

好かれたいがために変えた服装や髪型や メイクも 呆気なくスルーされて 大して気にもしてなかった日に褒められたりする。たまのたまに、ピンポイントで褒められた日には 誰ふり構わず 尻尾振ってそっち行っちまうからな、ちょろいぜ自分 と嘆く日もある。

四六時中年中 誰でもいいってわけでもないけど、誰でもいい期間もそりゃあるし かわいいね って言われれば大抵尻尾振っちゃう節はある。

それでも、自分が好意抱く相手がヨシヨシしてくれたら そんなに幸せな事はないし、他のことなんてどうでもよくなる。


という時期もありました。
そう思うだけで 懐かしい。苦しくて泣いてしまう時期もあった。起きてる時間はずっと脳の片隅で 他のことを考えてしまう、そんな時期もありました。

超苦しいけど、側から見ると それって超幸せだったりする。胸が苦しくなるほど 特定の誰かを好きになることや その人だけに愛されたいと思えるのは 素敵なことだよね。

文字打ちながら思っちゃったけど、暫く無くね?そんな感情 無くね?辛い!辛いぜ!わたし!!!!!

あー好き!めちゃくちゃ好き!大好き!!! …という溢れ出る感情はどこにいますでしょうか

教えてください、

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