おれは破滅した

市役所から東へ歩き疲れて
鴨川の河川敷に接近した。
陽光のした
飛び石であそぶ大学生たちを眺める。

かつては豪奢な暮らしに憧れたが
陰謀家に貶められて
無用の役職に甘んじることになった。

椅子に腰をおろし、
椅子から腰をあげるばかりの日々。
俗物たちがてんやわんやになって、
くだらないお喋りに興じている。

ああ、おれは破滅した。
女の罠にはめられた。
だがそれはいつからのことだ?
どうなろうがもう知らん。
一人くらいはおれを欲しがるさ。

何しろ、いまや部外者という奴だ。
無責任になっていいのだから
嘆くことも呆れることもしなくていい。
神頼みにでも行けばいいさ。

救い主があらわれるまで
過去を笑わずにはいられようか。
ああ、おれは破滅した。
こんなにも晴々とした日はひさしぶりだ。

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