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名古屋に行くなら津や伊勢神宮にも行ってみませんか

新幹線で名古屋に着いたら、まず初めに新幹線ホーム上にある関所に立ち寄り、名古屋の洗礼を受けないといけない。

その名を住よしの味噌きしめんという。

上りホームにも下りホームにもあるのでよそ者は必ず関所を通れ、ということだ。

すぐに食べられるように熱々すぎずややぬるめのスープになっているところも含めてよく考えられている

関所を通った後に津や伊勢神宮に行くには、JRで快速みえに乗るか近鉄に乗るかの2択。新幹線からは乗り換えが簡単なのでJRを選びがちだが、一つ注意しないといけないのは四日市以遠はSuicaなどのICカードが使えないということ。

新幹線は普通にSuicaで乗れるのにどうなってるんですかJR東海さん。

とはいえ焦る必要はなく、車内改札の時に行き先までの運賃を車掌さんに払い、駅で出場記録をつけてもらえば問題なし。だけど現金で支払わないといけないのがやや面倒。

伊勢神宮は、豊受大御神(食べ物の神様)をお祀りする外宮(げくう)と、皇⼤神宮(太陽の神様、皇室の祖先)をお祀りする内宮(ないくう)の二つからなる。順番としては外宮からお参りするものとされていて、JRでも近鉄でもまずは外宮へ徒歩5分の伊勢市駅に向かい、その後バスで内宮(最寄駅は五十鈴川)に向かうのが一般的。

どうせ伊勢市駅まで戻ってくるので(理由は後述)伊勢市駅のコインロッカーに荷物は全て置いて参拝するのがいいと思う。

参拝の作法などは細かいことを言い出すとキリがないので、こちらの伊勢神宮HPをご覧いただくのが一番いいと思う。

常緑樹に囲まれた伊勢神宮で、晴れた日の木漏れ日を見ると心があらわれる。日本で一番「気」のいい場所で、それを保とうと多くの人が長い年月守り続けてきた場所なので、行ったことがない方は一度だまされたと思って行ってみてほしい。

私はスーツ・ネクタイ・革靴の正装で神主さんの案内で御垣内(みかきうち)参拝をし、その後御饌(みけ)をしていただくのが毎年の恒例。前回バイクで伊勢神宮に来た時、荷物の容量の都合上革靴を用意せずに参拝しようとしたら神主さんに「今回だけですよ、次回は正式参拝できませんよ」とめちゃ怒られた。

今年は御饌が終わった後、お下がりと呼ばれるお札と御神酒やその他記念品が入った袋を持って靴を履こうとしていたら「お兄ちゃん立派なお下がりの袋持って。おいくらやったん?」とおばちゃんに聞かれ、ちょっとびっくりした。久々の関西の洗礼。東京では縁起物の大きな熊手とか持っていても「いくらでした?」って聞かれることはないのでかなり新鮮。

内宮のお参りが終わると、そのままおはらい町を通っておかげ横丁に行く人が多い。

おはらい町を歩くこと5、6分、右側に三宅商店がある。伊勢神宮で御神酒として使われるのは灘の白鷹。その特別限定酒を扱う酒屋で、買い物するだけではなく中でお酒が飲める。

昔はゆで卵と塩をつまみに立ち飲みするスタイルだったが、最近はコロナのせいもあってか座って飲み、おつまみもセットになった。

だが白くて大きくてどっしりした、底に蛇目と言われる紺色の円が二重に描かれた猪口で1合飲むのはなかなかの風情がある。1合飲むのがきつかったらその半分、5勺(しゃく)もある。

参拝中は何も食べないから、いきなり飲む日本酒は結構効くので注意が必要

そして飲み終わったら、赤福本店に行こう。

内宮でお清めをした五十鈴川を眺めながら食べる赤福はなかなかのものだ。

盆と言われる赤福2個と番茶のセット

ちなみに赤福とセットで出てくるお茶は伊勢産の番茶。お代わりし放題。
ホットドリンクお代わりし放題でデザートがついて250円。しゅっとしたメイド服みたいな服を着たお姉さんが丁寧に接客してくれる、築145年の歴史を持つ古民家メイドカフェだ。ありがたすぎる。

また最近、白餅黒餅が発売された。本店と一部の店舗でしか買えない一品。私が本店に行った時はすでに売り切れ。絶対食べてみたかったのでうめだ阪急で買い求めた。

白は白豆の餡、黒は普通の赤福に見えるが実は黒糖の香りと甘味が強い特別な餡でできている。

普通の赤福だと思って食べてみると結構びっくりするから、お土産に強くお勧めします。

私にとっては白鷹と赤福だけ押さえれば、他は特段気になるものはない。メンチカツとか伊勢うどんとか食べてもいいけど、そんなにはそそられない。なぜかというと、外宮まで早く戻って、一月家さんという平日午後2時から飲める日本で5本の指に入るかもしれない居酒屋で飲みたいからだ。

風が強くて暖簾がえらいことになっている

バスを伊勢市駅で降り、いわゆるシャッター商店街を抜けてお目当ての一月家を目指す。こんなに寂れているところの先に、2時から客で埋まる居酒屋があるとは信じられない。

平日夕方、シャッターが開いている店は20軒に1軒もない

だがそんな心配はよそに、店に4時半に着いた時はすでに5分の入り。カウンターは大体12席ぐらいか。個室もあれば小上がりもあり、テーブル席もある。60人は軽く入れそうだ。

カウンターに陣取り、ビールをお願いして何を食べたらいいのか考える。慌てて頼まず、じっくり考えて後悔のないベストの選択をしなくては、と思ったが、まさに完全に「孤独のグルメ」化してるじゃん、と思って心の中で苦笑。

壁にかけられたお品書き。穴子のフライが魅力的だったが売り切れていて残念

「湯豆腐とふくだめがおすすめよ」、とお母さんが教えてくれる。こういうところに来た時は、人に勧められたものはとりあえず頼んだほうがいい。これは50年以上生きてきて学んだ大事なことの一つだ。

伊勢うどんのタレがかけられた湯豆腐をいただく。

居酒屋探訪で有名な太田和彦さんいわく「日本三大湯豆腐の一つ」だそうだ

ふくだめ、とは聞きなれないが、トコブシのことだそうだ。不勉強な私には、見た目も食べた感じもアワビと違いがわからない。ビールよりも日本酒だな、と思い白鷹を1合もらった。

アワビとトコブシの違いを調べたが貝に開いている穴の数についてしかわからなかった、つまりあまり変わらないってことか

私が座ったカウンター席、間が二つ空いて妙齢の女性が一人で飲んでいた。
私は一人で飲んでいる女性にやたらと話しかけたがるおじさんにはならない、と深く心に決めているので静かに飲んでいたが、四代目のご主人が間に入って上手に会話のキャッチボールをしてくれる。女性が一人でも安心して飲める店はいい店に決まっている。

「岐阜から来ました、今日は泊まりなんですよー」と女性が話しかけてくれたが、それまでは寡黙だったのにそれ聞いて突然めちゃくちゃ饒舌になるのも鼻の下伸ばしたようで照れるし、どうしたらよいのかよくわからなくなりとりあえず一言二言しゃべり、飲みつづけた。

しめ鯖と牛筋の煮込みも頼み、どれもうまくて驚き、お勘定を〆て2900円だったのをみてもう一度びっくりした。

地元の人に伺ったら、常連さんは開店前から店に入って勝手に飲み始めているらしい。開店時間の2時ちょうどに扉を開けたらカウンターが結構埋まっていて驚くという。近所にあったら毎日行ってしまいそうだ。またウイスキーが好きな方は、線路挟んで反対側に「のうさぎや」さんというのがあるそうで、そこは名古屋ウイスキーラバーズにも出店されるほどのボトルの品揃えと、石焼の窯があってさまざまなものを食べされせてくれる、飲み食いするには最高のお店だそうなので、次回行ったら一月家からはしごしてみようと思っている。

酔った身体で伊勢市駅に戻り、コインロッカーの荷物をピックアップして近鉄に乗って今日の宿がある津に戻る。

津はいつも駅前のドーミーインに泊まっている。
サウナがとても気持ちがいいのと、サービスが行き届いている上、値段も高くないので一人旅には十分すぎる。

7時ぐらいにチェックインをして、サウナに入って三宅商店と一月家で摂取した成分をやや落とし、8時半にBarアンバールさんへ。

猫がお出迎え

初めてお伺いしたのは2016年。ぐちゃぐちゃいうより、これまで飲ませていただいたボトルの写真を見ていただいたほうが早い。

オールドボトル、特にボトラーズではなくオフィシャルの品揃えがめちゃくちゃ充実しているが、そんなバーは今時日本中探してもそんなにない。

アンバールのネコマダムことますみさんは「三重の人はもともとあまりお酒飲まないのと、地元の人が仕事の後にお酒飲んで帰る、というのが最近少なくなったのでもっと飲みにきてほしいわ」とおっしゃっていたので改めて全力で宣伝しておく。

津は、伊勢湾台風の時に海水が街に流れ込んで塩害で農業ができなくなった土地でウナギの養殖が始まったそうで、鰻屋さんがいろんなところにある。はし家と新玉亭が有名だ。東京と比べるとお値段が6掛けぐらい。

また今回行きそびれたが、あんかけスパのサンマルコもますみさんのイチオシ。名古屋のあんかけスパよりもサンマルコだそうだ。

名古屋から津へは大体50分ぐらい。意外と近い。津からは大阪・京都へ1時間40分ぐらい。名古屋から足を伸ばして津や伊勢神宮に行ってみるのはいかがでしょうか。



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