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病室支店へ異動になった時のこと

以前、2013年に入院していた時の記録を書いた。

実はその3年後、2016年に僕はまた手術を受けることになった。
でもこれは前向きな手術で「数年、数十年後、心配なく走り回れるために、メンテナンスする」ために行うものだった。

そうは言っても一度心肺停止をしてしまったので、今度もまた社員には心配と迷惑をかけるだろうな……と思っていた。

でも、僕よりも、写真の方が僕のことに慣れていた。

入院をする11月付で、ミライロの代表取締役社長 兼 病室支店の支店長に任命された。

こんなものまで渡されて、思わず爆笑してしまった。
でも、ずいぶん気が楽になった。そうだ。僕は、仕事をしに行くのだ。

そんなこんなで、病室支店のレイアウトまでできた。

手術室に入る時、講演より、武道館より、記者会見より、僕は緊張した。

でもやっぱり、三途の川はバリアフリー化されていなかった。
手術の後、僕は予定通りに目が覚め、予定通りに回復した。

支店長として、ちゃんとパソコンのチャットワークを使って、報告をした。

病室と本社と支社をネットでつないで、テレビ会議もした。

人事部長が、いつも差し入れを持って、病室へ出張会議に来てくれた。
他にも、暇だろうからと小学生の自由研究キットを持ってきた社員や、3人組でタライを持ってコントをしにきた社員もいた。

10年前、生きることを諦めようと思い詰めた時。
3年前、心肺停止、昏睡状態から目を覚ました時。

いつも、今までは夢だったのではと感じていた。
いつも、当たり前の日々が夢のように輝いて見えた。
そして、病院を退院して、いつものように車いすに乗ることができて、それだけで幸せだった。

些細なことだけど、温かい出来事の連続がきっかけで、やっぱり今までのすべては、夢ではなかったんだと、そう感じられる。

「いつでも、どこでも、社長は社長です」

記念すべき初支店の支店長として、これほど嬉しい言葉はなかった。


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