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野球に学ぶ!令和時代の組織マネジメント:BBT大学イベント参加レポート「プロ野球における人材マネジメントとコーチング~なぜ阪神は日本一になり中日はリーグ最下位だったのか」ゲスト:荒木雅博さん(元中日ドラゴンズ)

元祖・虎子の神鳥朋子です。
タイガース帽で颯爽と登下校し、
テレビ周りには阪神グッズの祭壇がありました。
大阪のみんな、祭壇あるでしょ?たこ焼き器くらいあるはずやねんで。


さてさて!阪神日本一から1ヶ月経ち、
昨日の夜、BBT大学(ビジネス・ブレークスルー大学)学内イベントを聴講しました。そのタイトルは・・・

プロ野球における人材マネジメントとコーチング
なぜ阪神は日本一になり中日はリーグ最下位だったのか
(ゲスト:
荒木雅博さん(元中日ドラゴンズ))

中日ドラゴンズの元選手で、この10月までコーチをされていた荒木さん(すみません、このイベントで初めて知りました)が、敵チームである阪神をどのように語られるのかな?というのも興味津津だったのですが、想像以上に旬な学びに直結したので、部分的に紹介したいと思います。

ちなみにBBT大学ってこんな大学。2016年まで仕事で、大学マーケティング担当でした。現在就業中の(株)Aoba-BBTが運営しています。


1.岡田監督のマネジメントに学んだこと

BBT大学教授の川上真史先生と、荒木コーチのやりとりで始まった本イベント。
大の阪神ファンである川上先生(遺伝子にタイガースが埋め込まれて出生されたらしい)と、とても誠実にインタビューに答えられる荒木さんが、かっこいいんです。(あれ、これ、中身の話じゃないな)

荒木さん、本当に、かっこいいんですよ・・・
中日ドラゴンズにこんなかっこいい方が居たんですね。
イベント前と後で、180度印象が変わりました。知らずに本当にごめんなさい。

御本人ではありません。unsplashの写真です

本題。
「なぜ阪神が日本一になったのか?」という問いに対し、川上先生と荒木さんの話を総括すると、おおよそこんなことだったと思います。

1-1 若手にしっかりと「やるべきこと」をやってもらった

若手メンバーの意識は、昔のそれとは違う。そのなかで、球団によっては、若手に自由にさせているチームもある。スポーツ界でのパワハラ問題など敏感になっている中、コーチや先輩が、若手にどう接したらいいかというのは試行錯誤が行われている。

そのなかで、今年の阪神は、「岡田監督と球団とメンバーが一枚岩で戦っていたように見えた」と荒木さんはおっしゃってました。
その一つが、「若手に自由にさせすぎない、厳しくもしすぎない、岡田監督は、ちょうどいい関わり方をしているように見えた」と。どちらかと言えば、これまで自由にさせすぎていたところを「やるべきことはしっかりやってもらう」というスタイルをとったと。

そのなかで、荒木さんの印象的な表現が
「最近の若手は、納得しないと動かない」
という言葉でした。
「昔は、言われたらハイって言ってやった」
のが、「納得しないと、顔に出る」とも仰ってました。

逆を言えば、納得すると、自発的にやる。
岡田監督は、やるべきことを、しっかりと「納得させて」やらせていたんじゃないでしょうか。という話でした。

すごくないですか。これが冒頭10分ちょっとの話で、ここだけ聞いても、ああ今のビジネス社会もきっと同じような場面あるだろうな、と、私にとっては目からウロコでした。

1-2 過去の常識に囚われないルール変更を敢行した

「四球の年俸査定ポイントをあげる」
これは、私もイベントで初めて知った事だったのですが、話を聞き、改めて関連記事を読むと、唸るものがあります。

岡田監督は、阪神というチームを勝たせる戦略として、「四球(フォアボール)をプラスの査定」にし、メンバーの士気向上とチームの勝利を、非常に冷静に戦略的に見抜き、そのために過去のルールを変える談判を行っています。

これ、普通の会社組織で考えたら、ものすごいことだと思います。
既存の評価制度を変えるのに、どれだけの抵抗勢力があるか、想像に難くありません^^;

そして、ここで疑問が湧きます。
プロ選手は、特に打者側に強みがある人は、どちらかといえば打率を上げて、成果と評価を勝ち取りたいなか、「四球」が評価されると言っても、それを敢えて選べるものなのでしょうか?(インタビューしたことないので分からないんですけど・・)

にも関わらず、阪神の四球の数は他球団に比べてダントツトップだったらしい。
なんで、そんなことができたのか?

の、一つの理由じゃないかな、と思ったのが次。

1-3 チームの目的をメンバーに浸透させた

荒木さんの話より。
「四番バッターが犠打(犠牲フライ)でベンチに帰ってきた時に、チームメンバーが<全員で>喜ぶ様子を見て、このチームは強いと思った」
んだそうです。

なるほどー。と思いましてね。

野球をご存知の方なら、なんとなく伝わるかと思います。
過去の四番バッターは打者の花形、長打と得点を期待されるメンバーです。犠牲フライや犠打(バント)だったときは、客席からブーイングや溜息が出てもおかしくない期待値、それが四番バッター。

それを、犠牲フライにチームが喜ぶ。しっかり得点し、チームに貢献した、という喜びと一体感の現れなんでしょう。

感動を覚えましたね。
そのシーンを見ていないけど、見たら泣いちゃってたかもしれない。


2.荒木コーチの育成スタイルに学んだこと

2-1 コーチとして大事にしている「相手の本音を聴く」

荒木さんがカッコいいなと思ったのは、見かけの話というよりは、話の芯が明確で、その誠実さが話し方に漏れ出ているところです。声も素敵でした。

「相手の本音を聴く」のを大事にしている、という話の前に、前述しましたが「相手が納得してないと、顔に出る(のが分かる)」っておっしゃってたんですよ。これ、相手を観察していないと分からないことですよね。

相手の本音を聴く、という表現にも凝縮されている通り、相手との信頼関係を深めるために「まず聴く」ということを、とても大事にされているように見えました。
そのために、自分の失敗談(現役時代のこと)も話す、とおっしゃってました。

そして、それに関連して次。

2-2 自らを正しく自覚し、成長し続けることを意識する

うまくいったことで天狗になったこともあった、と、率直に謙虚にお話されながら、最後は「基本に立ち返る」ことの大切さをおっしゃられてました。
これも納得ですね・・・あれもこれもではなく、うまくいかないときほど、基本の素振りや基本のキャッチボールなどの「基礎」を何回でもやるんだ、っておっしゃってて、感動、いやもう、ほんとカッコよすぎです(何度でも言う)

あと、「常に成長する」ことを心がけていらっしゃることもよく分かりました。若手に無駄なことを考えさせすぎないためには、「自分が【ひと言でまとめ】て伝えなければ」と、本を買って読んだそうです。
ぐさ、ぐさ、ぐさ・・・この本だそうです。買いました。読みます。。



3.令和時代の組織マネジメントとリーダーシップへの提言

本イベントは、心理学がご専門の川上真史先生の、阪神愛と組織マネジメントへの思いに溢れただけでなく、ユーモアと本番生放送な感じの空気感に満ちた大変刺激的で、私の知的好奇心が満たされた内容でした。

ビジネス組織変革への示唆をいくつか。

3-1 エンゲージメントの鍵は、楽しさではない

そう、川上先生こんなことおっしゃってたんです。

「楽しさ」は長続きする感情ではないので、エンゲージメントには寄与し続けづらい。エンゲージメントの基本は「興味・関心」であり、岡田監督は「興味・関心」を若手に持たせ続けているように見える。

川上先生の話より。この通りじゃないかもしれません。

そうなんですよね。喜びとか楽しさ、とかでは、もはや、なくなるんですよね。(それが不要とは言ってない)
それを超える、興味関心、チクセントミハイのフロー状態に入れるかどうか、というのが、エンゲージなんだと私は思っています。

荒木さんも何度も「一番成長実感しているときが、一番苦しかった」とおっしゃってました。プレッシャーでご飯が喉を通らない現役時代の話とか。なんとなく分かる気がします。だからってプレッシャーが嫌な訳じゃない。苦しいけど、っていう。

3-2 組織マネジメント:上層部/中層部/現場 の一体感は、誰がキーマンなのか?

日本一になった阪神の、岡田監督の功労は勿論でしょうが、おそらく岡田監督と現場の選手の間にいるマネージャーやコーチ陣との関係性や組織運用プロセスについても、岡田監督始めチームが「チームとなる」運営になっていたのではないかと推測します。何百名いるチームですもんね。

そうすると、先日読み終えた「コンテクスト・マネジメント」の、組織コンテクストというのが気になってきて、、、阪神の組織コンテクストと運用フレームの事実を知ってみたいな、という気がむくむく湧いてきてます。

組織によって、さまざまな形があるのでしょうが、私がこの本を読んで一番感銘を受けたのは、「組織は個に従う」という箇所です。
これからの創発的組織に、なくてはならない戦略の一つが気がしてならない。

阪神は、そのプロセスを踏んでいるのかな。どうなんだろう。
これからさらに楽しみになりますね。

3-3 リーダー:岡田監督は、多分クールヘッドでホットハートで不完全である自分を知っている気がする

見た目や話し方は置いておいて(ごめんなさい)
岡田監督の戦略(脳)は、すごいらしい。

感情もあらわにするときがあられますが、きっと戦略的に出されていることも多いのでしょうね。(しらんけど、って一応書いときます、ほんとに知らんので・・)

cool head で検索したら出てきた鳥ちゃん。

何が言いたいかと言うと、

完璧な人ではない

ということを、ご自身がよくご存知であり、
自分の強みも弱みも知り尽くし今年監督職のポジションにいらっしゃったのでは。と勝手に想像しています。
以前監督職されてたときは、阪神優勝なかったですもんね。


4(おまけ) Digi:DORIは、阪神優勝パレードをAIに描かせた

・・・まだまだ成長の余地ありな私のPromptの出し方よ・・・

黒とオレンジの組み合わせはジャイアンツよ。ちがうよ。阪神の絵よ。
たこやきオーダー追加したら、パレードじゃなくなった。なんばやん。
人沢山にしてって言ったら、なんでこうなったの

表紙の絵は、上の3枚を描かせたあとに私がギブアップして「一回リセットして。。」と息も絶え絶えにPromptして出てきたものです。

ちゃんちゃん。最後まで読んでくださった奇特な方、ありがとう!


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