ハロプロのマネージャーについて考える【前編】

昨年12月、竹内朱莉がアンジュルムを今春のツアーをもって卒業することが発表された。
そんな中で、「竹内卒業後のアンジュルムは大丈夫なのか」という声が散見される。それもどちらかといえば、パフォーマンス面についてよりも、人間関係に関してのことで。

スマイレージ結成から長らくリーダーを務めてきた和田彩花が卒業した2019年の後半から翌2020年にかけては、単に卒業が立て続いたというだけでなく、その内容も船木結の卒業発表後に室田瑞希が割り込む形になるだとか、更には太田遥香が問題行動で活動休止を余儀なくされ、このほんの1年足らずの間にあった事が、かなり影を落としトラウマとなる気持ちは非常によくわかる。
またそれらが竹内のせいであるとして、竹内のSNS個人アカウントなどにまで叩く声が寄せられ『吐きそうだった』と語っている。

そういった飛躍した言動をする輩と、ただただ純粋に心配している人とを一緒くたにするつもりはないのだが、どちらの声にも、ある存在が欠落しているように思う。
スタッフ、特に日々のお仕事を共にしているマネージャーの存在を。

現在のハロプロのマネージャー体制は、1グループにつきチーフマネージャーが1人と、それ以外に現場付きのマネージャーが数人という体制である。
(アルバムや映像作品(※一般発売されるもの。DVDマガジンは含まない)、そして写真集等の書籍のスタッフクレジットで確認できる。基本的に名前が最初に出てくるマネージャーがチーフ(※例外あり))

グループが滞りなく活動していくにあたって、メンバーの努力や意識はもちろん大事だけれど、それと同じくらいにマネージャーをはじめとしたスタッフの努力や意識も大事だと思っている。
しかし、アップフロントという事務所の社風というかなんというか、なかなかそういうやる気のあるスタッフばかりではない。また、やる気はあってもそれが偏っていたりアサッテの方向を向いていたりもする。
ひいては、それがグループの人間関係にまで響くことがある。

2017年10月には、ある転職サイトに元アップフロント社員だという女性が書いた会社評で「仕事しても評価されない、経営者の意に沿うイエスマンが評価される会社」などと酷評された事が一部で話題になったが、ほとんどの人はそれほど驚くこともなく「でしょうね」という感想だった。
(直接リンクを貼るのは憚られるので、上記の太字部分のワードで検索して見てほしい)
まぁ、そんな会社である。
そんな会社でも、やる気を持ってやってくれるスタッフなんてのはもはや聖人か何かか、というレベルなのかもしれない。

こう酷評されるまでになった'10年代中頃までを、ある程度長く或いは深くハロヲタをやってきた人なら少なくとも名前は耳にしたことがあるであろう人たちでまずは振り返っていきたい。

和田薫 氏

モーニング娘。の初代マネージャーとして知られ「ASAYAN」などにも出演。その後、EE JUMPや解散後ソロになったソニンなどをマネージメントしその際には「うたばん」などに出演。
その後自らが社長を務めるハーモニープロモーションは、アップフロントとは株式の関係上資本関係がなくなる。
奔放過ぎるユウキに厳しく接しつつも、残れる道を最後まで考えてくれたり今でもずっと気にかけてくれているそう。
そのユウキが後年語ったことによれば、
『年頃の子に恋愛するなと言ってもそれは無理だと思ってる。ただ、同業者とだけは面倒な事になりかねないからそれだけはやめてくれ』
と言われたという。
過去の様々な例を鑑みるに、約20年間ずっと、それがアップフロントの基準なんだろうと思う。

マネティ

真野恵里菜をずっと担当していたことで知られ、仕事面では誰もが認める(?)敏腕マネージャーだが、日常面では抜けていることがよくあり、そうしたことから繰り出される2人のやりとりは秀逸もの。ただ、ヲタに対しては毅然と対応していた。
ニックネームは、それ以前は藤本美貴を担当していたことから。後に他社に引き抜かれ、2020年からは鞘師里保をマネジメントしている。

山田昌治 氏

スマイレージの初代マネージャー。現在はアップアップガールズ(仮)や吉川友などが所属するYU-Mエンターテインメント社長。
母親は有名タレントも所属する事務所社長、叔母に至っては業界を代表する大手事務所会長という裏方一族であり、その伝手を活かしている為か、様々な仕事を取ってくる手腕にだけは定評があった。
マネティによって真野ちゃんがある程度一定の成功を収めたことに気をよくしたアップフロントは、次にデビューを控えたスマイレージをかなりの権限を持たせて山田氏に任せた。
しかし、伝手で取った仕事を詰め込み続けた日々はメンバーを疲弊させ、4人全員で脱走をしようと本気で考えさせるほどだった(一時は脱走する事を決めたがいざ決行直前になって福田花音が怖気づいたため取り止めた)。また、バラエティの笑いについて説教をしている様を明石家さんまが目にしたことがあり、さんま氏は良くは思っていなかったという。
メディアに一枚噛む和田薫氏の手法の上辺だけを真似していたという印象。
ヲタ繋がりが疑われた騒動後、まるで引責するようにスマイレージの担当を離れた。

山田氏以降、マネージャーに権限は持たせ過ぎないようになったと感じる。
権限を持たせないことが、前述した「仕事しても評価されない」風潮に繋がっていったように思う。
そして、悪い意味で“サラリーマン”なマネージャーが増えていく。

なお、ももクロのマネージャー(現在はプロデューサー)川上氏は、上記3氏の良い面悪い面を学びそれを活かしたのではと思っている。

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