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グッド・オーメンズを観た。

 グッド・オーメンズを観て2週間が経とうとしている。シーズン2を観たあとからずっと感想を書こうとしている。スマートフォンを握りしめ、noteのこの画面を開いて何を書こうかと格闘している。

 どういうことか、あー、どこから言葉にしたらいいか。ドラマを観てこんなに心打たれて言葉にもできないような気持になったのは初めてだ。
 文章は得意じゃない。でも筋立ててそこそこの感想文を書くくらいはできると思ってきた。グッド・オーメンズは私のその小さな自信すら壊しにかかってきた。…立ち向かおうと思う。

この先ネタバレを含みます。ご注意ください。




グッド・オーメンズ


 グッド・オーメンズは、ニール・ゲイマンとテリー・プラチェット共著の同名小説に基づくテレビドラマシリーズである。

ウィキペディアより


 ジャンルとしてはファンタジー・コメディだが、いやいやそれどころの話ではない。じゃあなんなんだ、と?聞くな、わからん。

 あー…。強いて言うなら「ブロマンス」ってやつ。男2人、それも天使と悪魔が友情を超えた強い絆でタッグを組んで、地球滅亡の危機を救う!?ってね。

 個人的にはブロマンスかそれ以上かの線引きってkissだと思うけどね…。


 

グッド・オーメンズを観たあと


 S2まで完走して一番最初のツイートは「死ぬ」だった。
 ふたつ目のツイートは「早く結婚しろよ!?」です。

 グオメというナイフによりズタズタに心を引き裂かれた私は早々にツイッタランドの同志に縋り寄った。だってこんなの、一人で昇華しようとするのは自殺行為だ。

 すぐにグオメ用のアカウントを作り、二次創作に直行、ベントレー並みの速さで巡回、いいねbotと化す。これが私のグオメ史である。

 フォロイーが言っていた。ズタズタにされたあとは生傷のままだ。二次創作は絆創膏でしかない。まさに、まさに。どうか化膿する前に、S3を…なんて。


感想を述べたり考察をしたい


 感想を述べたり考察をしたいって気持ちはある。だが、クロウリーとアジラフェルに対するあらゆる感情が交錯して頭の中をひっかきまわしてくるから何も言葉にならない。こんなの初めてだよ…。

 だけど、この仕事中ですら頭の中をぐちゃぐちゃにかき乱す彼らの存在は、どうにも書き出さなければ私を一生苦しめる。こうなったら……必殺!箇条書き!

Twitterでつぶやいた内容もここにまとめます。


・君は私には早すぎるってなんやねん。なんやねん。

・クロウリーの言った「そんなバカな話あるか」ってセリフは、つまり「そんなうまい話あるわけない」って意味なんだろうか。

・ただ質問をしただけなのに落とすような場所が、ハルマゲドンの続きを起こそうとした場所が、「黙ってさっさと死んでくれ」とボスが言うような場所が、お前にとっていい場所なわけがない。だけどクロウリーはそれをアジラフェルに伝えることは出来ない。傷つけることになるからね。
 だって、ハルマゲドンの続きを起こそうと検討されていたことも、ガブリエルがあんな言い方をしたことも、神に質問をしようと思ったきっかけがアジラフェルの言葉で、質問したせいで堕天使になったことも、アジラフェルが知ったら傷つくだろ。

・クロウリー…君はホットチョコレート飲まなそうだけどなぜ作れるんだい?日常的に誰かに作ってあげてるのかい…?

・サングラスポイ捨てするのも一回迷うから優しいんだよな~

・銃弾キャッチだって全部打ち手次第で超危険なのに結局付き合ってあげるの優しいんだよな~

・結局ベントレー貸してあげるから優しいんだよな~

・最後、「今俺から話し始めないと二度とない」って言ってるのに結局譲ってあげるから優しいんだよな~……

・クロウリーの呼ぶ「エンジェル」が好きだ。でも「アジラフェル」はもっと好きだ。大切なときばかり名前で呼ぶから。彼の言う「アジラフェル」はどうにも祈りに似てるんだよ。

・クロウリーはアジラフェルに必要とされることにある種の気持ちよさを感じていないか。「あいつには俺が必要」って思ってるよな。だってそうじゃなきゃシャックスからガブリエルの話を聞いて いの一番にかけつけるようなことしないだろうし、エスプレッソ6杯のあとに「俺の助けが必要か?」なんて聞かない。
 →アジラフェルに必要とされることに自分の存在価値見出してない?大丈夫?そんなの不健康な共依存になっちまう。
 →クロウリーは過保護な彼ピか?ダメだ、共依存になっちまう。
 →クロウリーの一方的な依存だよな。だって地球がドロドロに溶けても二人でどこかに逃げればいいって本気で思ってる。アジラフェルには地球が必要だった。地球を守りたいという気持ちがあった。一方クロウリーはアジラフェル一人いればそれ以外はどうでもよかったわけだ。愛デケ~。

・ってか、アジラフェルこそ「君は私を助けたいんだろう?」って思ってる節あるよな!?「どうせ君は私を助けるさ」って感じあるよな!?あざてぇんだわ。そういうところだよ君。

・っっってか、アジラフェルさん「なにか手を考えないと二度と君と口を利かないぞ!」とか「私を助けたくないならもう帰ってくれていい」とか言うの確信犯だろ~!!!
 →「助けてくれと頼んでる!でも嫌なら、もういい!(プイ)」ってするのも、ど~せクロウリーは助けてくれるって思ってんでしょ~!でも「これはお前ひとりでやれ」ってクロウリーが怒って出て行っちゃったあと「え…本当に帰っちゃうの…?」みたいな顔するの本当にさぁ!!!

・クロウリーってさ、「アジラフェルのそばにいる自分」に救われてンでしょ。アタシ知ってるよ。

・アジラフェルは「善の側にいることが正しいこと」「天使として二人でいることが正しいこと」って思ってる。だけどそれって極論「クロウリーの本質を愛せていない」ないしは「クロウリーの本質を愛していることに気付いていない」ということなんだよな。もちろんアジラフェルは圧倒的後者(問題はS2EP6の時にクロウリーは前者の意でとらえた可能性が大いにあるということだが…)。クロウリーが悪魔であることと、アジラフェルは絶対的存在の神に背くことができないということ、それ故にクロウリーの核心を愛している自分に素直になれない。作中それを示唆するセリフが何度も出てくるよな。「でも君は悪魔だ」「でも上が何と言うか…」って。すれ違いが辛い。

・あの最後のシーンの言葉のすれ違いも辛かったなあ。アジラフェルが「なにごとにも終わりがある」と言ったとき、クロウリーは「そうだな、俺たちの関係は終わりだな」と確信しただろう。辛いなあ。でもアジラフェルは「君と一緒にいられるなら、この本屋を捨ててもいい」という気持ちだったことを忘れてはいけない…。

・クロウリーは「天国も地獄も毒だ。俺たち二人でいるべきだ」と言った。なんという愛の言葉だよ。この上ないプロポーズだろ。確たる…いや"核たる"ところが通じ合えば天使とか悪魔とか、そんなの関係ないんだって、その神に対する信条も捨ててしまえよって。でもアジラフェルはアジラフェルで天使としての矜持があるのもわかってる。わかるけど…。次に謝罪ダンスをするのはアジラフェルだと思うよ?

・つまるところアジラフェルは利己的なんだって。自分が愛するためには、彼が悪魔であってはならない。私が君を愛するために、君は天使になってくれって思ってる。私が思うに、アジラフェルが最後「一緒に天国に来てくれ」と言ったのは、クロウリーも善の側でいるべきだっていうのもそうだし、クロウリーも天使でいることが幸せだろうという考えもそうだと思うけど、一番の理由は「君が天使になれば私は罪悪なく君を愛することができる」っていう利己的な考えのもとだと思うんだ。
 アジラフェルは神とクロウリーを天秤にかけられない。

・鳴かぬなら 僕らが鳴くよ ナイチンゲール

・天国も地獄も毒だって言って、そこから離れて二人になろうって言えるクロウリーはすごく人間的だと思う。ニーチェも哲学も知らないけど彼を見ると「人間的、あまりに人間的」って言葉が浮かんでくる。

・アジラフェルからクロウリーへの電話は、暇つぶしか善行自慢か問題が起きたときのどれかって可愛すぎだろ。クロウリーは暇つぶしも善行自慢もうんうんって聞いて付き合ってあげるの?問題発生時もすぐにかけつけるもんね…。

・これは何度でも言うけどS1EP3でクロウリーが「地球がドロドロに溶けても2人でどこかに逃げればいい」って言うのただのプロポーズで好きだ。そのあとにアジラフェルが「君のことは好きじゃない!」って言うのに対してクロウリーが「好きだろ!」って返すの本当好き。早く結婚しろ。

・クロウリー、あんな悪魔みたいななりで(悪魔だけど)ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのPale Blue Eyesが好きって設定なの本当やりますねニールゲイマン先生。

・私たちはラファエルの不在について話し合わなければならない…。
 →S2のEP6でハルマゲドンの続きに対してガブリエルが「ダメ~」って言ってたシーン、ガブリエルは「今の最高位の天使は私だ」って言っていたのが引っかかる。"今の"ね。

・フォロイーが言ってたけど、たかが数十年生きただけの人間に諭されて素直に思いを伝えようって思うのいいやつ過ぎるでしょ。可愛いな。てかクロウリーってちゃんと外部の意見聞いて取り入れようとするところあるよな。植物に話しかけるといいって聞いてやってみたり、映画で見たとか言ってニーナとマギーくっつける作戦に取り入れようとしたり。それなのになんで6000年の愛に気付かないんだ。


 まあ、これだけ書いたら満足かな。また書きたいことがあったら書き足すとしよう!


最後に


 お恥ずかしながら、私は数か月前までグッド・オーメンズを知らなかった。全く違う界隈にいて、何人ものフォロイーが「最高だった」「面白かった」とツイートしているから、そんなに言うなら観てみるか、というのがきっかけだった。

 結果、ずぶずぶだ。苦しいよ。こんな愛があったのかよ。

 頼むよ、僕らには早急にS3が必要なんだ。このままじゃ死者が出るぜ。僕らの傷を癒すために、頼みますって。

 唯一縋れる情報は、きちんとハッピーエンドで終わってくれるらしいということ。
だけどS3の制作は決まっていない…。Oh, god…

 二次創作巡回して絆創膏を貼りに行くか…。


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 上記のnote、私が発狂して書けなかった内容をとても美しく綺麗にまとめてくださっている。とても読みやすいので読んでみて欲しい。「そうそうそう、それが言いたかったんだよ!」って感じ。

 S3の良い情報が出ることを楽しみにしています。
 素敵な作品をありがとう。

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