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新潟大学の現代文【大学入試現代文analyze㉒】

〇いま、自分ができること

元日に能登半島で大きな地震がありました。
一個人として出来る支援(ふるさと納税や義援金)もしつつ、予備校講師という職業をしているものとして何か出来ることはないかと考えたところ、被害の大きいエリアの大学についての問題分析ではないか、と思い至りました。

金沢大学はすでに分析済です。

今回は新潟大学の分析です。

〇マクロ分析【問題構成】

・大問1(全学部)

記述分量がめちゃくちゃ多い。一つの大問で400字overになるのは日本の大学入試現代文屈指の記述分量である。一方で、設問指示も細かいので答えは出しやすいともいえる

・大問4(医学部保健学科/創生/経済科学部)

これらの学部は現代文のみとなるが、90分で800~900字の記述、しかも文章量もかなり多いので、大変だなあ……と。分量に対する慣れは必要な大学である。

〇ミクロ分析【文章/設問の分析】

<文章>

・大問1

【分析】
・文章量 : 5,000字前後(多め)
→2023年を外れ値と考えると、5,000字(弱)程度となる。
文章を通読する場合、10~12分位かかるだろう。

・文章の傾向 : 哲学系
→哲学に関する文章が中心だが、「哲学入門」に位置付けられる文章であり、高校生が読むうえでそこまで苦にならないと思われる。

・大問4

【分析】
・文章量 : 5,000字前後(多め)
大問4を解く受験生は国語の試験で10,000字の文章を読むことになる。
日本の大学入試現代文でも随一の長さであろう。
文章を通読する場合、10~12分位かかるだろう。

・文章の傾向 : 現代社会
→大問1に比べるとテーマは広くなる。現代社会について論じでいる文章というくくりになるだろうか。

<設問>

・大問1

・漢字 : 標準的(全問正解を目指す)
・記述
【換言】81%(定義語63%/比喩18%)
【理由】19%
→本文中における言葉の意味を答える「定義語換言」が問題の60%強
を占める。比喩の意味を考えるものも含めると換言問題で80%を超える。字数の多い記述だが、設問の指示を守って書けば答えは出しやすい印象である。

・大問4

・記述
【換言】87%(定義語68%/比喩19%)
【理由】13%
→本文中における言葉の意味を答える「定義語換言」が問題の70%弱
を占める。基本的な傾向は大問1に準じている。

〇対策法

・想定時間配分

試験時間:90分
想定時間配分
現代文(大問1)45~50分
古文漢文(大問2・3)40分

大問3つで90分、しかも文章量を考えると分量はかなり多い。
とは言え、公表されているデータを見てみると合格者平均点で65%ぐらいなので、解けるところを確実に得点するという方針で解いていくべきだろう。

・設問分析

①通読してから?読みながら?解く??
→分量からすると「読みながら解く」練習をした方が良いだろう。

②設問指示をしっかり守る
→先述した通り。設問指示を守れば解答の方針を立てやすくなるので、「何を答えるのか」の整理を徹底しよう

・タテ?ヨコ?

評論はタテ過去問を古い年度まで掘り下げて実施)がおすすめ。
大問1のみの学部を受験する場合でも大問4を使って練習すると良いだろう。

以上。次回は富山大学の分析です。

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