「複雑さと共に暮らす」まとめ

先日D.A.ノーマンの「誰のためのデザイン?」を読んだ。今回は同著作ある「複雑さと共に暮らす」を読んだので以下はその内容のまとめである。


人は中くらいの複雑さを好む

読み書き、楽器の演奏、車の運転など、私たちは適切だと思えるなら、複雑さを気にせず学ぶ。またボタンや機能が少ない簡単な家電より、多機能で複雑な操作が必要な家電を選ぶこともある。簡単すぎるものは退屈で深みがなく、複雑すぎるものは混乱させることもある。ゆえに、人は中間的な複雑さを好む。

複雑の反対が簡単ではない

簡単さとは、理解と強く結びついた心的状態である。

見かけが簡単なものが常に簡単に使える訳ではない。何が起こっているか分かりにくいデザインだったり、文脈に応じていくつかの異なる意味を持つデザインだと、簡単さは減少する。動きや、外見などが自分の概念モデルと合っていると、人は簡単であると知覚する。複雑なものに見えても、どうデザインされてるかによって、使うユーザーは簡単だと思うことができるのだ。

複雑さのためのデザイン

複雑さは必要でもあるが、わたしたちを悩ませることもある。デザイナーはこの複雑さを扱いやすくするために何をすべきか。より分かりやすくするための手がかりが以下になる。

シグニファイア

複雑な世の中で人間の多くがうまく機能している理由の1つに、「シグニファイア」がある。シグニファイアとは、それがどういう状態なのか知るためのサインである。電車に乗るために急いだとき、プラットフォームに人がいない状態だと、電車に乗り遅れたと判断する。これは人の行動の結果からおきたシグニファイアである。

人の支援を求めやすくする

機械が正しく動作しないとき、問題が生じ複雑さが増す。そのためには、簡単に人の支援を求めやすくしておくべきだ。例えば、機械故障時に、機械に呼び出しボタンを押すと係員が降りてきて手助けしてくれるなどである。

割り込みへの対処

何かのタスクをしているとき、別のタスクが割り込むことはよくある。そして人は、割り込みにより大きな心理負担が生じる。割り込みを止めるのが不可能な時は、自動状態保存やリマインダーなど、様々な活動状態を維持するための手助けが必要である。

トータルなエクスペリエンスのためにデザインする。

商品を買いに行くところからそれを使い終わるまで、そのすべてがデザインのカバーする領域である。アップルのiPodは、箱を開けるところから音楽を聞くまで全てが魅力的で楽しいエクスペリエンスであるようにデザインされている。

待つことのデザイン

人は日常生活の多くで"待つ”ことをしている。例えば銀行のATMなど。待つことはあまりよい印象ではないが、この体験を良くするためにどうすべきか6つの原理が書かれている。

街の行列の六つのデザイン原理

1.概念モデルを提供すること

行列が何のためにあるのかなど、適切な情報を示すことが必要である。

2.待つことが適切である受け取れるようにすること

待つことを受け入れてもらうために、説明の役割が必要である。

3.期待に応える、あるいはそれを上回って応えること

期待以上に待ち時間が短いと人は喜ぶ。

4.人々の心を捉えておくこと

列に並んでいる時間も人の興味をひくものを置いていたりなどの工夫があると、実際よりも早く過ぎたように感じる。

5.公平であること

複数の列があると、人は他の列の方が自分の並ぶ列より早いように感じる。列を一つにして、最後のところでいくつかに分かれるようにすると、公平だという感覚が増す。

6.終わりと始まりを強調すること

人の記憶に1番残るのは列の終わりである。常に前向きな終わり方をすることで、今まで待っていた体験が悪くなかったように感じる。


待つという体験の中でも、デザインによって、人々の意識を変えることができる。視覚的にも体感的にも列が早く動いているように感じるための工夫を常に考えるべきである。


感想

人間が考えることは複雑で、それゆえに社会システムも複雑である。そして、この社会にはデザインで解決できる課題はたくさんある。デザイナーとして、この本で得た知識をもとに複雑なシステムを理解しやすいものへと変えていきたいと思った。

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Saori Takehara

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