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写真は口実なのか、それとも

久しぶりに車を借りた。2月は一度も借りていないので、会員費の払い損になっていたが車で出かけたい方向は降雪や路面凍結が起きやすいので躊躇していた。
1年前に路面凍結なしの情報を確認してから向かったことがあったが、日陰のほんの少しの距離が凍っていて、タイヤが空転したような感覚を味わってから控えるようにしている。

幸か不幸か、今冬は雨が少なく最近は気温も上がってきていたので静岡側ならまず大丈夫だろうという雑な根拠でハンドルを握った。もちろん路面凍結の情報は一通り調べてはいるが。

問題は朝、普通の時間帯に出発するので朝焼けや朝靄なんかは撮れない。吊雲でも笠雲でも出てくれれば十分だが、天候の変化は嫌というほど味わっているのでそれだけを目的にするのは気が引けた。

時期的にはまだ梅が残っているだろう、と考え静岡県の東側で富士山が見える梅の名所を探すと奇跡的に一件引っかかった。ヘルシーパーク裾野という施設に梅の里という梅林が隣接しているらしい。

週末の時点で7分咲きだったので、週明けの風雨をやり過ごせていたらまだ見頃だろうと皮算用して目的地に設定した。

散っていたものもあったが、予想よりは残っているという印象だった。到着時点では山頂が見えたのも良かった。

桜と富士山をセットで撮れるスポットは多すぎるし、何より3月中旬では早すぎる。かといって次週以降で天候がどうなるか定かではない以上、晴れていたらとりあえず外に出るというスタンスにならざるを得ない。

中央道よりも東名を使った方が早かったので、東名を使ったがこれも良かった。中央道よりも断然走りやすい。だから運転していて楽しい。

もしかすると今回の遠出の目的は写真よりもドライブにあったのかもしれない。その証拠に枚数は200も撮っていなかった。山頂が雲で隠れてしまったことも関係なくはないが。

ここも木下沢と同じく傾斜地になっているので、中望遠から望遠の焦点距離を使うと圧縮が効いてより密生しているように写すことができる。色合いもバランスがよく、地面も下草があり何の不満もない。

天候に恵まれたので、木下沢の写真よりも春らしさが感じられる。上で書いたように写真はあまり多く撮っていない。それでもこういう自分の生活圏で見られない景色を知ることは何というか、ほっとできる。

別に住むわけでも、月一で通うわけでもないのだが、この季節のこの場所にはこんな景色が広がっていると思うと掃き溜め暮らしでも多少の我慢はできるものだ。

昼過ぎからはあいにく山頂の雲がなかなか途切れず、富士山写真としては残念なものになってしまった。それでもどのレンズで、どの辺りから撮れるということがわかっただけでも十分だ。

今回もレンズは単焦点のみなので、撮れないものは割り切る方針で訪れている。本来は初めて行く場所なら保険としてXF16-55mmを持っていくべきなんだろうけど、以前書いた通りこのレンズは俺と合わない。プロでもないただのガチ勢なのだから、自分が使いたいと思ったレンズで撮ることが一番大事。

この日は目的地がもう一つあった。西伊豆スカイラインにある達磨山、夕方にここから駿河湾越しに富士山を撮るつもりだった。

本当は駐車場から撮る予定だったが、駐車場から山頂まで0.7kmの案内板を見て登ることにした。本格的な山道でもなく、伸縮性のあるズボンなら問題なく登れそうなハイキングコースといった感じだった。

ちなみにこの写真は山頂で撮ったものではないのだが、とっくに700mは歩いている気がした。右下に小さく写っている駐車場が登り始めの地点なのだが、山頂とは標高差100m程度らしい。嘘だろ。

残念ながら山頂付近の雲が増えていて、空も妙にガスっぽい。久しぶりの山道だったので、運転が楽しめたのが救いではある。

まあそもそも駐車場に着いた時点で風が強すぎて、三脚を持って登るのを断念したばかりか、X-T2&XF35mmF2しか持って行かなかった時点であまり撮る気があったとは言えない。

眺望は文句なしで、西伊豆スカイラインで一番標高が高いポイントなのか、他の山頂は全て眼下に広がっていた。案内板を信じるならたった700m歩いただけでこの満足感が得られるのだから大変お手軽だと思う。

ただ有料区間が二箇所あり、どちらも現金払い限定という地味に不便なところがあったことと、延伸したのか途中でカーナビ上の道路がなくなるという事態に陥った。二回目ならまだしも、初見でこれは結構焦る。

太平洋側の眺望も素晴らしいので、虫が湧く前に星を撮りにもう一度行きたい場所になった。

これもかなりガスっぽかったので、Lightroomでかすみの除去をフル活用している。JPEG撮って出しにしたかったが、光源が入っていることもあり難易度が高い。

今回は車を6時間分のチケットと6時間の時間延長で借りており、時間的に日没まで待つと返却がギリギリだった。結局山頂の雲は晴れないだろうと判断して(一応)下山、返却地点までドライブを楽しむことにした。

その途端にこれだよ!東名に乗る頃には雲が完全になくなっていたが、延長できるのは6時間までなので寄り道はできなかった。

いいんだ、ここから撮るには100-400mmクラスの望遠が必要だとわかったから……。西伊豆スカイラインの写真は全て換算52mmだが、おそらく換算137mmだと中途半端になるだろう。

換算52mmで風景写真になるので、圧縮を効かせたり富士山を大きく入れるなら換算200mm以上は欲しくなりそうだ。

XF16mmF1.4を買い戻したら、今度はXF100-400mmを買うことになりそうだ。ズーム云々言っておいてどのツラ下げて、と思われるかもしれないが運動会を撮るならこの焦点距離は必須だろう。必要経費だ、必要経費。

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