見出し画像

1億画素で星景写真を撮ったら未熟を痛感した

車中泊で腰をやったのは今月頭だというのに、懲りずにまた長野へ行った。今回は直前まで天気予報とにらめっこし、SAで休憩した時にもチェック。候補地はいつもの美ヶ原方面のほか、伊那の方も良さそうだったので諏訪の直前で最終決定すれば良い。
そんな心配も杞憂に終わり、久しぶりに満天の星空を見ることができた。

今回の目的はGFX100SとGF20-35mmで星景を撮ること。この前のグループ展で出した星空だけGFX50S IIだったことと、ノイズの出方が50S IIと異なるのでそれが星景写真でどれだけ違いを生むのか確かめたかった。

片交の信号待ちで出会った鹿たち

星の話より先に野生動物について書いておく。
美ヶ原周辺は鹿が多い。道路の中央にいることもあるので速度には気をつけているが、今回は他にもキツネやタヌキ、イタチと思しき動物も見かけた。これらが怖いのは小さくて速いところ。

実際並走するように走っていたタヌキっぽい動物が急に飛び出してきて危うく轢きそうになった。ぶつかった音も衝撃もなく、車体に跡がなかったのでブレーキは間に合ったと思うが撥ね飛ばしていてもおかしくないタイミングだった。
野生動物の動きは読めない。これは今後も念頭に置かなくては。

道の駅の駐車場から

今回の目的は冒頭に書いた通り。実際に現像してみると、正直ノイズの出方は期待していたほどではなかった。
微細化されて潰れる、とまでは行かず普通にノイズが乗っている。そういう意味ではXシリーズの明るいレンズでISOを下げて撮るのと大差ないのかもしれない。

とはいえ星景写真は高感度耐性が全てではない。解像力と諧調に関しては、画素数とセンサーサイズの違いが如実に出るだろう。
地上の白飛びはハーフNDで抑えられるにしても、小さな星まで写したり空の明暗さを綺麗に表現できるのはGFXのメリットだ。

また以前の反省とPureRAW 3の存在から高感度をためらいなく使えるようになったのは良い変化だ。
今回は一番低い感度でもISO8000、上はISO12800にしている。開放がF4でも12800まで上げれば十分だった。そして12800くらいなら現像で容易にリカバリーできる。これもGFXならではだろう。

美しの塔周辺は遮るものがなく微風でも長時間浴びていると冷える。見通しが甘かった。

失敗だったのはまず自身の装備。気温だけ見て「これくらいだろう」で服装を選んだら風ですぐ冷えてきた。完全に間抜けである。
最高の機材を使うことは言い訳の余地を己に与えないこと。撮りたいものは撮れているが、あくまで結果論で万全を期すという点では落第である。

次に撮影時のマインド。前回と同じような満天の星空でも全く同じに撮ることなどできない。
先日の展示で出した電柱を見上げる構図が気に入っていて、GFX100Sで撮り直したいと思っていた。八島湿原の駐車場に着いてからあれこれ試行錯誤し、iPhoneに入れてある写真を見てカメラの位置を変えたりしていたが結局同じ構図にはできなかった。

当然っちゃ当然。足繁く通える場所ならともかく、半年以上前に撮ったポジションなんて覚えているわけがない。構図でさえもその時限りものであるという意識が欠如していた。
幸いすぐに切り替えてその時の良いと思える構図を探し出し、満足できるものを撮れはしたが。

現像はだいぶ理想に近づけたと思う。フォトショでレイヤー複製→種類を変えて明るくしたのがLightroomにも反映されることに気づいたので、ワークフローがシンプルになった。
あとは桜でも同様だけど新しい撮影地を開拓すること、これに尽きる。

最後まで読んでくださってありがとうございます! 写真や文章を気に入っていただけたらフォローしてもらえると嬉しいです。サポートいただいた分は機材の購入や旅費にあてさせていただきます。