見出し画像

『ティール組織』著者ラルー氏講演Vol.4”新しい社会の出現”政治 政策ではなくプロセスを決める

3つの世界観で政治を見る。政治 政策ではなくプロセスを決める
2019年9月13日の東京工業大学 リーダーシップ教育院主催 
『ティール組織(Reinventing Organizations)』著者
FREDERIC LALOUX(フレデリック・ラルー)氏 来日記念講座
Theme:The emergence of a new society の第4話です。

フレデリック・ラルー:次に政治。
農耕時代はカースト、身分制度。
皇帝、王様がいて統治する。そんな風に世界ができているとみる。それ以外はないとみる。
皇帝や王様を批判すると、牢屋に閉じ込められる。

機械として世界をみると、
誰が世界を統治すべきなのか。
この時代は王家に生まれた人がやるのではなく、一番詳しい人、一番いい政策を出せる人。それを選挙で決める。

そして、壊滅的なことは、すべての選挙も機械的な世界観で動いている。
こういう情報をメディアで流せば、こういう結果がでる、というのがされている。こういうパフォーマンスをすれば、この層が票を入れてくれるだろうと。

●生命体の世界観での政治:世界で起こる様々な実験

でも、世界はもっともっと複雑化している。
この機会を扱うのを優れた人にやってもらったとしても、
それを扱うエンジニアがやったとしても、うまくいくのか?とみられている。

それで、世界中で様々な実験が行われている。

●台湾の事例 ひまわり革命、その後に起こったこと

今起こっている革命的なシステム。
これは台湾の例。
台湾で数年前、学生が国会議事堂を選挙したのがあった。
そのとき、政治家は、国民に隠して、中国を自由貿易の話をしていた。
自由貿易は勝手にできないが、できるようにというのをすすめていた。
それで沢山の国民、若者が起こった。
そして、塀をこえて選挙した。
学生はひまわりをもっていて、ひまわり革命と言われた。

学生は国会議事堂で、単に訴えるだけではなく、閣議のようにユーストリームでライブ配信しながらやった。

最初メディアは国会議事堂がけしからん奴らに乗っ取られているとみていた。
でも見ていると、ちゃんと話し合い、ものごとをおさめようとしている。
そして占拠はとくとなった。
政治家は頭があがらなかった。自分たちがやるべきことを学生たちはよく考えやっていたから。

●学生が参画したUber対タクシーの問題

それで、学生にもっと参画してもらえないかと、技術の高い人に呼び掛けた。
ひまわり革命のすぐあとに難しい議題があった。
今世界中でUberが広がり、タクシー業界との対立が起こっている。
その対立が起こっているとき、どのようにさばいたらいいのか政治家はわからなかった。
それで若いハッカーに頼んだ。
これに関連するステークホルダーを巻き込んだ何かを作ってくれればそれに投票するよと。それで、そのハッカーはみんなが参画できるプロセスを作った。

この問題に関わっている人たちの会話ができるプラットフォームができた。
そして、そこでみんなに賛成してもらえる意見をいおうとする人たちがでてきた。
Uber対タクシーではなくなった。
Uberのドライバーに対する扱いが好きではない、一方で、タクシーのことも好きではない。というのもタクシーがそんなに安全な印象ではないので。
一方、Uberが税金を払っていないというのも問題だ。
ほかに、タクシーの運行状態が見えないのもあまりよくないというのも。
そんないろんな話が出て、問題が浮かび上がってきた。

お前が悪いとか、どっちが悪いとかいう議論はやめよう。
そこから話し合いが起こって、3時間で合意に達した。

台湾はUberは運行を認められた。また、Uberは税金を払うということになった。そしてルールができた。
合意ができたので、あとはそれに投票し、合意するだけ。

このプロセスは深い変化が起きている。
機関が合意すればよいと、自分たちの権威を下げた。

ものごとを解決するというのはとっても複雑になっている。
こういう例が世界でたくさん出てきている。

●フランスの1200人の村で起こったこと

1200人のフランスのサンヨンという村で過ごすことが多いのだが、台湾であったような問題がここでもあった。
そこに市長がいて、スーパーマーケットを出してよいのではないかとなった。
町の店がつぶれてしまうのではないか。小さな商店がつぶれてしまうと、社交の場がなくなるのではいかと住民。一方で市長はやりたい。
あまりにも反対運動が強くなったのでスーパー側がやめますとなった。

これは市長選の前で、また市長の対抗馬もいない。
それで自分たちで市長の対抗馬を立てようとなった。
このアイデアをみんなに計ってもらうために集まろうとなった。
そこでは、こうやってもらいたいと思います、とプレゼンをするつもりでいた。この講堂のように。
現実は、8人毎に島形式で座ることになていた。
てっきり、参加者は何か説明があって合意がとられると思っていたら、そうではない。8人掛けのテーブル島が沢山用意されている。
そして、主催者側は何も用意はありません、どうしたらよいでしょうか?と問いかけられる。
財政の話をしたい人はこちら、というようにテーブルを案内される。
それで話し合って、今日、政策を作りますと。

そこで市民の人が話してくれた政策で選挙にかった。
自分たちはどうやるというやり方ではなく、オーケストラのようにみんなに聞いてやっていくようになた。

するとあの運動、この施策に加わりたいという人が増えて、生きている生命体のように住民がなっていった。

もう5年間これをやっていたら、自分たちで決めずにだれかにやってもらいものかねとなった。
選挙で選ばれた人は、政策を決めるのではなく、市民が決定を創り出せるプロセスをつくることをやっている。

個人的意見)アイスランドの市民革命の事例やインドのグラムサバの革命的民主主義の事例は下記に詳しい。

次は第5話 質疑応答やメッセージ


サポートを頂けると、自分のシェアが必要な方に届いたんだな。書いてよかったぁと励みになります。読んで頂きありがとうございます。