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アメリカ留学日記 Vol.9 一文無しになったハナシ

もうタイトルから面白い話をすることができると書いていながら確信しております。再現性が限りなく低い旅の話をしてやりますよ…(更新めちゃ遅れてすいません)
今回はロサンゼルスに5日間ひとり旅に行ったのでその様子を!と思ったのですが、最終日のハプニングだけでかなり衝撃的な内容だったので、それに着目して最初の4日間はパパパッとお伝えして、最終日(5日目)にフォーカスしてお伝えします!

あと、今回からアメリカ留学日記シリーズでもヘッダーの写真を変えていくことにしました。

平凡な日々

今回のメインはビバリーヒルズとか、ビーチとかのThe 観光!という感じではなくLAに点在している美術館・博物館に浸りまくるスーパーウルトラアカデミックな旅にしよう!って感じで考えていました。
滞在していたのはホステルで、相部屋でした。一緒に相部屋をしたのは日によって異なりますが、フランス人カップルとドイツ人、トルコ人でそれぞれ世界一周をしている人たちでした。世界各国のいろんな話を聞いてお腹いっぱい。将来世界一周したいなぁ~ってめちゃくちゃ思いました!

まぁ、「美術館・博物館に浸りまくるスーパーウルトラアカデミックな旅にしよう!」っていう超絶ぼんやりしたコンセプトしかもっていなかったので、予定はありません。その日の朝、着いてから立てればいいか~くらいでした。

一日目

無事ロサンゼルス国際空港に到着!前日友人と映画のレイトショーに行っていたり、そこからのパッキングで、あまり寝れなかったこともあり、飛行機は離陸から着陸までずっと寝ていました。ロサンゼルス国際空港への着陸の衝撃で目が覚めるというなんとも飛行機慣れしているかのような振舞…(実際、アメリカに来て飛行機に乗るのはこれが14回目でした笑)
そこからバスを使って滞在するホステルに向かったのですが、道が混んでいたり、途中でお昼ご飯を食べたりしていたらホステルに着いたのはお昼の3時頃。ここから観光に繰り出すのもなぁ…と思ったので、ホステルの近くのカフェへ。ホステルはコリアタウンの近くだったので町はアジア系の人達ばかり。めちゃくちゃホームを感じるぞ!!!

LAのカフェでパソコン開いて作業って…オシャンティー!!!

その日の夜にホステルの共有スペースでボケーっとしていると隣に男の人が座り込んできた!
勇気を出して話しかけるとカナダ人で、アゼルバイジャンからの移民2世出そう。年齢は僕の2個上で、転職のタイミングで無職期間が1か月くらいあったからアメリカに来ているとのこと。そこから話がめちゃくちゃ盛り上がって夜中の1時くらいまで話をすることに!
話の途中で彼と一緒にアメリカを旅している別のカナダ人(インドからの移民2世)の人とも意気投合し、翌日一緒に観光することに!

アレ?博物館に行く予定では・・・?

二日目

カナダ人sはめちゃくちゃアクティブで午前中からどこかに行っていたみたいなのですが、僕はめちゃくちゃゆったり人間なので午後から合流することに。
合流場所はサンタモニカ、さぁ、いよいよ評判が悪いバスと電車を使うタイミングが来ました。なんとなくイメージがあるかもしれないですが、アメリカの公共交通機関、治安が悪い…怖いぞ。一人だし。

いざ!と思って乗ってみると、確かにちょっと変なにおいだったり、ホームレスかな?と思う方はいますが、いわゆるオラァ!系の人はいないので全然乗れるじゃん。そして、基本的にLAの交通機関は一回の乗車が1.75ドルで一度乗ってしまえば料金が変わりません。一駅だろうが、始点から終点まで乗ろうが1.75ドルです。支払いは「TAPカード」と言うモノを使います(カードって名前が付いていますが、アプリでも支払いが可能です!)
え、めっちゃ便利。

というわけでカナダ人sに合流して観光。

この海の向こうは日本! at サンタモニカ
グリフィス天文台

一緒にお酒を飲んだりもしました!楽しかった!
オレゴン大学に留学している日本人にグリフィス天文台で出会ったのですが、カナダ人sと英語で喋っている途中に突然「写真撮りましょうか?」ってぺらっぺらの日本語で話しかけたら「んげぇぇえぇ!?」みたいにめちゃくちゃビックリされました笑
日本人だと思っていなかったです!って。そりゃそうか。。。

三日目

この日はピーターソン自動車博物館というところとLACMAと呼ばれる美術館に行く予定でいました。
ピーターソン自動車博物館は世界有数の自動車博物館で歴史的なクルマに加えて、世界で一台しかないクルマや、台数限定のクルマ、映画の撮影で使用されたクルマ、スーパーカーやハイパーカーと呼ばれるクルマ、F1のマシンまで本当にクルマの全てを網羅している博物館です。所要時間はGoogleによると2時間。美術館も2時間30分。一日で行けると思っていました。

全世界10台!Apollo IE!
ミハエル・シューマッハがドライブしたF1マシン!
映画『ブラックパンサー』で使用されたレクサスLC!
映画『007:ノータイムトゥダイ』で使用されたアストンマーチン DB5!

その他にも貴重なクルマがたくさん!そしてそのほとんどがタッチは禁止だけど、柵などもなく至近距離で見ることができる!最高です!
そんなこんなで博物館の隅々までじっくり堪能して博物館から出て時計を見ると、

16時30分

嘘やん…10時に入館したんやで?所要時間2時間やで?6時間30分もおったの?時計も見ずに?自分のクルマ好き度合いがコワイ…
というわけでこの日は美術館を諦めてすごすごホステルに帰りましたとさ。

四日目

LACMAリベンジ!!!
おらぁ!!!

生まれて初めてのピカソ
有名なヤツ!
言わずもがなアンディウォーホルのキャンベル缶

LACMAは本館が3階建て、別館が1階建てとなってて、めちゃくちゃ広い!本館は基本的に常設展示となっていて、別館は特別展がやっていました!
僕が行ったときに別館では、1900年のパリ万博に注目してフランスがいかに映画を中心に文化を世界に作っていったのか、コロンビア文明の展示、Fashion Narativeという曼荼羅など歴史的デザインを女性のファッションに適応したドレスなどの服装の展示という3つの展示が行われていて、別館だけでも十分満足できちゃうレベルの手厚い展示でした!それに、本館も1900年代初頭から現代アートまでおよそ120年のアートの歴史を追体験できる様にできていて本当に面白い!

僕のオススメは本館の2階だったのですが、ヒトの臓器の写真を使っていたり、暴力的な表現や言葉遣いをしているような展示だったので写真は控えておきますが、LAに行った際には是非!

更にLACMAのここが面白い!と思ったポイントを一つ、作品のキャプションには通常の美術館同様に、作品名や作者、制作年やアートの紹介が書いてあるのですが、それに加えてQRコードが付いており、それを読み取ると、LACMAがチョイスしたその作品を表す音楽がSpotifyで聴けるようになっていました!なので、美術館の中でもイヤホンやヘッドホンをして作品を鑑賞している人たちもいて、本当に面白い取り組み!
目が見えない人が楽しめる工夫になっているのはもちろん、目が見える人に対してもアートの新しい一歩踏み込んだ楽しみ方を提案しているようで面白い!面白い!

この日は本来(自動車博物館で6時間以上いなければ同じ日にLACMAに行く予定だったので)カリフォルニアサイエンスセンターという少しコリアタウンやLA!って感じの場所から離れた場所に行く予定だった+LACMAはGoogleさんのおっしゃる通り2時間ちょっとで出てきたので時間が盛大に余っており、コリアタウンのカフェで午後からは過ごしましたとさ。

五日目

さぁLAひとり旅も最終日!世界一周中でホステルのルームメイトだった2人とも別れを告げて今日はアカデミーミュージアムに行くぞ!

映画好きにとってこれ以上の空間とは…?

最高 of 最高。

アカデミーミュージアムには4時間程滞在していたのですが、じっくり没頭しすぎてまともな写真がこれくらいしかありませんでした。内容としてはインスタレーション形式がメインで説明などがほとんどなく、テーマごとに映像を繋ぎ合わせたモンタージュをひたすら観ていく、観ていく、観ていく、というのを3フロア分…
しかし!その展示を創っているのは何を隠そうアカデミーの方々、映画界の最高峰の人達が創ったモンタージュはまさにこれぞ映画の映像美!と言わしめんほどの美しい映像で、本当に素敵!

インスタレーションの他にも、映画の創り方、映画に携わっている人たちの役割、映画が時代と共にどのように移り変わってきて、映画はこの先どうなるのか、など博物館っぽい展示もたくさん!(個人的に興味がある、「映画が時代を創るのか、時代が映画を創るのか」に関する展示もありました!)

そして、実写映画に限らず、アニメ映画についてやCGIやVFXに代表される映像効果についても開設されていて、ここに来れば映画の全てが分かる!といった博物館でした。

特にビックリしたのは…

H A Y A O  M I Y A Z A K I

これです。アカデミーミュージアム4階の写真なのですが、4階のフロアがまるごと1つ宮崎駿に関する展示です!改修中のため入れなかったのですが、日本のアニメ映画としてでも、スタジオジブリとしてでもなく、宮崎駿一人でアカデミーミュージアムの1フロア!凄すぎる…世界の博物館広しと言えども、日本人1人で1フロアを常設展示として有するのは宮崎駿だけなのではないかと思いました。そして何よりも海外における宮崎駿映画の評価の高さを感じられました。展示がどうなっているのか見たかった!!!(ちなみにミュージアムショップにはアニメのポスターも販売されているのですが、9種類あるバリエーションのうち5種類が宮崎駿映画。もはや笑っちゃいます)

そして悲劇は起きる

やっぱり興味のある博物館には長時間滞在する傾向があるのか、アカデミーミュージアムには5時間程滞在していました。そりゃ、展示されているモンタージュを全部見るだけで結構な時間経ってそうだし、映画が出来るまで、みたいな30分の解説ビデオも全部見たしそりゃそうだよね…

小腹が空いたので、アカデミーミュージアムの近くの評価が高そうなカフェに。支払いを済ませようとカードを出すのですが、何度トライしても決済ができず。アレ?おかしいなぁ。以前もこう言うことがあったので、店員さんにお願いしてカード番号を手で入力して、住所を入力しても反応せず。一度お店を出て銀行に電話を掛けてみることに。銀行のカスタマーサービスに電話をして事情を説明すると、

「Oh! Your bank account was hacked this afternoon. 」

と言われました。割と冗談抜きで「E?」って言っちゃいました。EですよE。Oh!じゃねーよって思いました。電話しなかったら通達もなし?嘘やん。
銀行口座には1600ドルほど入っていたのでこれまた大金がハッキングによって分捕られていました。日本の口座からつい先日ドルに換えて振り込んだところなので、日本円も持っておらず、財布の中にも35ドル(厳密には2つある財布の内5ドルしか入っていない方の財布を持ち歩いていたため、5ドル)

嘘やん。

とりあえず、カフェに戻って事情を説明。お金が全部口座に入っていて、その口座がハックされたからお金ないし、注文キャンセルで、って。すると店員さんがなんと無料でいいよ!サービスしてくれました。なんと暖かい!

マジで美味かった。もう7億倍増しとかで美味しい。

とりあえず財布の中に入っていた5ドルを渡して、「絶対また来るし、その時にチップとして今回の分も入れて払うから!」と約束してお店を後に。嬉しい。暖かい。暖かいぞカリフォルニア!ロサンゼルス!日差しは暑いし人は暖かいしなんなんだここ?天国?

さて、ここからが鬼門です。どうやって荷物(スーツケース)を置いてあるホステルに戻り、ホステルからロサンゼルス国際空港へ向かうか。
先述したTAPカードの残高は6ドルちょうど。つまり公共交通機関を使えるのは3度まで。カードが止められているからUberやLyftは使えない。公共交通機関しか残された道はありません。
先ずはアカデミーミュージアムからホステルまでバスで帰りました。これで残り公共交通機関使用回数2回に。
スーツケースをゲットし、バスで最寄りの電車の駅へ。これで残り公共交通機関使用回数1回へ。
その駅からサンタモニカ行きの電車に乗ってカルバーシティという町へ。これで公共交通機関使用回数は0へ。
これでホステルのあったコリアタウンからロサンゼルス国際空港への距離を代替半分に短縮できました。しかし、ここからバスはあるものの、お金がないので乗れません。残された手段はあと1つ。やるしかない。ヒッチハイクです。

カルバーシティステーションの近くにはありがたいことに片側4車線の大きな道路があるので交差点に立って赤信号になる度にクルマの窓をコンコンとしてロサンゼルス国際空港へ行かないか尋ね続けました。正直、今の時代そんなことをするのはホームレスの方くらいなので、かなり怪しまれましたし、無視され続けることはもちろん、F**k!と言われたり、中指を立てられることもありました(うぅぅ)。マジでメンタル来る。しんどい。一回休憩しようかな、なんて思ってトライし続けること40分。
ついにそこに救世主が!息子がフロリダの大学から夏休みで帰ってくるから迎えに来るというお父さんが引っかかりました!(フロリダ…なんかスッキリはしない。ハッキング元がフロリダだったから)
ロサンゼルス国際空港まで無料で乗せてやるぞ!って言ってくれたのでありがたく乗せてもらうことに。クルマの中では無口なお父さんだったのであまり会話はしませんでしたが、息子とお前は同じ年だわ、なんてことを話していたり、日本から来てそれは大変だなぁ~なんてことを話していました。

そんなこんなで何とか空港に到着。空港についてさえしまえばこちらのものです。航空券はありますし、マイルが何せいっぱい溜まっているのでそのマイルを使って、飛行機内で飲み物なり軽食はゲットできます。(こっちに来てからユナイテッド航空に集中して使ってて良かった!)
そんなこんなで、何とか大学のある街の空港まで到着。空港からはUberかLyftを使うしか時間的にも戻れなかったので友達に頼んでUberを配車してもらい、何とか寮へ。

疲れたぁ~!

まじで感想はこれに尽きます。アメリカに来てこれほど疲れたことはありません。本当に心身共に疲れました。ぐったり。
銀行口座のハッキングは防ぎようが無く、いつどこで起きるか分かりません。お店の決済器具にスキミングの機械がこっそり第三者によって仕組まれていることもあります。運が悪かったとしか言いようがありません。それでも、無料でコーヒーとトーストをくれたカフェの店員さんしかり、ロサンゼルス国際空港まで今時ヒッチハイクしているアジア人を乗せていってくれたお父さんしかり、Uberを配車してくれた友達しかり、本当に恵まれていました。感謝。

他にも口座ハッキングされたぁ!ってTwitterとInstagramで言ったらお金ちょっと送ろうか?大丈夫?と心配してくれた友達方、感謝。生きてます。気持ちだけでもめちゃくちゃ嬉しかったです!

これもまた、日本に帰った時のいい酒のつまみになりそうです。いい?経験でした!そして何よりLAひとり旅楽しかった!

追伸:
3週間後くらいにハッキングされて盗まれた金額全額が戻ってくると同時にカードも使えるようになるそうです。

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