徒然愚さ 五歩目

今日はとても好い日だ。
良い、ではなく、好い日だ。
朝起きたら目覚ましは既に止まってたし、
カーテンを開けたら日差しが眩しかった。
いつもなら「やってしまった…」って思うはずなんだけど
今日は「よく寝た」って思った。
思ったというか、呟いた。
気分は鬱々としているが、何時ものことだから気にはしない。
鬱々としているが、爽やかな気分だった。

冒頭で「良い」ではないことを強調したが、よく支離滅裂な文を書く僕にも、ちゃんとした理由があって行動している。

というのも、最近「良い」とか「どっちが好き」とか、そういう概念が僕のなかで消失しつつある。
いや、勿論比べようと思えば、比べられないこともない。
けど、そういう発想を忌避しているようだ。
「良い」があれば「悪い」も在る気がして。
ここ数年、色んな人の価値観に触れるようになって、何が良いかわかんなくなってきてしまって「良い」と断定できなくなっちゃった。
でも、「好い」は、断定できる。
だって、好きなんだもん。誰がなんと言おうとね。

最近よく「~が好きなんだ」って言うと「…で良くない?」って返される。
確かに、代替は可能かもしれないんだろうなぁとも思うけど
僕はそれが好きなんだ。
他にどんなに沢山の素敵な選択肢があったとしても、ね。
それじゃダメかな…?

と、 まぁ僕はこういう価値観なんだけど
どうして「…でよくない?」って言うのか、
そっちに思いを馳せたこともある。
僕が「~が好き」って言ったことで「~以外は~に劣る」ってニュアンスで伝わってたのかもしれない。
なるほど。君も君の好きなものを守りたかっただけなんだね。
そうだとして、僕は決して君の好きなものを否定したい訳じゃない。
「好い」は各人にとって絶対的だからさ、僕がなんと言おうと君の好きは素敵なものだよ。

いつか、いつかこの、比べることでしか価値を見いだせない世界を、風潮を、価値観を置き去りにして
自由な世界を歩き回りたいな。
好きなものを好きと言える世界が好き。

窓の中で、夜空に満月がぼうって浮かんでる。
綺麗だなぁ
やっぱり今日は好い日だなぁ。

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