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溶ける業界の境目、そこで価値が高まるものは何か?

Revueのサービス終了に伴い、そちらに掲載していた記事をnoteに移設しています。本記事は、Revueにおいて 2021/5/17 に掲載したものです。

2022/12/15

溶ける「職種の境目」として“コンサル”と“マーケティング”が挙げられています。

このふたつは僕らWACULの事業ドメインですが、ここ1年の需要の強さと各社のポジショニングの取り合いは目を見張るものがあると感じています。

そんな中、価値が高まるのは何だろうか?と考えてみました。

コンサルが溶ける

コンサルはDXを実現できる頭脳+デジタルのセットが強い

“コンサル”といえば、アクセンチュアの強さもそうですが、昨日ベイカレントが素晴らしい決算とアグレッシブな中期経営計画*を出しました。まさにDXの恩恵といえます。(*5年で、売上420億→1000億、人員数2000人→4000人とCAGR20%かつ人員2倍)

では“DX”といった時、なぜコンサル×SIerといえるITコンサルが伸びるのでしょうか。これは広範な課題抽出力とその解決力・実行力のふたつを会社として保有しているからではないでしょうか。どちらかだけでも充分に伸びることができるでしょうが、特にこのふたつが揃えば強いと思います。

マーケティングが溶ける

マーケは常に技術の進展で新陳代謝が起こる

“マーケティング”といえば、アドテク等とかく新陳代謝の激しい領域です。特にデータまわりの技術の進展が早い領域だからでしょうか。ただ、マーケティング領域といっても非常に広いものです。その中で何かに特化することは栄枯盛衰の「ニッチトップの奪い合い」になると、多くの投資家も考えています。

これが何故かといえば、マーケティングの1領域だけではやれることが限られているからでしょう。セールスまで含め「顧客獲得まででひとつ」と過去の業務区分にとらわれず“価値起点”での領域を融合して捉えなければ、大きな成果は出せないのです。

ニッチは成果幅に限界がある

それぞれのニッチに尖った機能をもつツール単体では価値の増幅には限界があります。アドテクの領域では結局、高い技術を用いても、出る成果は数%の誤差のようなレベルの改善をつみあげるものになってしまいました。結果として薄利多売になってしまっています。

価値とは改善幅です。たとえ素晴らしいものでも、企業の行動を変えるレベルでないと改善幅が限定的になります。DXが重要だと多くの人が認識しているように。

そうすると大きく変化を起こすには、マーケからセールスまで改善対象を広げて、その広い対象を全体最適で改善するくらいでないといけません。

なぜそれが今起こるのか?

「マーケだけじゃなくセールスも一緒に?そんな広い範囲は無理だよ…」という過去の常識は、多くの便利ツールが生まれたことで拭いさられつつあります。

これまでひとりだけでは、今までは狭い領域を改善するだけで精一杯でした。しかし、今では多くの便利なツールを利用することで、ひとりでも幅広く目を届け、そして全体最適を追求できる世界が近づいてきています。

まさに技術革新が後押しした、新しい潮流であると思います。

高い価値がうまれるレイヤーが変わる

高い価値をうむのは、便利ツールを束ねるレイヤーに

領域が融合されればされるほど、課題の抽象度は高まり、難易度も増します。そしてそれは当然、高い付加価値=高い収益性を持つものになります。

そういう考えを巡らせると、今後は“OTT(オーバー・ザ・トップ)”、もしくは“ヘッドレスコマースのバック側”の概念に近いポジションが「顧客獲得ソリューション」において価値を持つ、とも考えています。

スマイルカーブ理論というものがあります。笑った時の人間のにやりという口の形のように、両端が少し上がった形の曲線をイメージしてください。縦軸が価値、横軸がバリューチェーンです。つまり、上流や下流は高い利益率を上げることができるが、中流の部分は厳しいということです。

ここでいう端とは、上流のデータそのもの、そしてデータの見える化ツールなどの便利ツールは真ん中、そして反対側がそれらをまとめる下流となるのではないかと考えています。

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