On My Load第14話

第十四話
慌しく滑り込みセーフで、会場のホテルに着いた。早速舞台裏へ通されて、チーフディレクターのアンドリュー氏を紹介された。初めましてキースさん。アンドリューです。大丈夫、日本語で大丈夫ですよ。私達は今回のパリコレで『ブラック&ホワイト』、『闇と光』、『日本の静と動』を表現したいと思っています。それには、もっとも日本人らしい日本人。少し影のある人物を探し当てたのです。その人を一番際正せる人物、それが貴方なのです。どうして僕が・・・
何がなんだか狐に包まれたような感覚に襲われた。
しかし次の瞬間はっきりと認識した。その彼女が僕の前に現れたから。名無しの彼女だった。いつもと違って気品に満ち溢れ清楚なオーラさえ漂っていた。びっくりした。いつもの口調で彼女が言った。御曹司の彼がうちの店によくご来店くださってかわいがってもらっているのよん!!。そしたら君を日のあたる場所につれてってあげるよって。で彼が今、大切な人がいたら教えて欲しいと。それで僕が選ばれたのか・・・

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