t-komaro(子麻呂 鷹見)日記型小説『OnMyLoad』

ボカロPでの音楽制作中心に小説やCGデザイン等活動しております。

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t-komaro(子麻呂 鷹見)です noteを始めるにあたって 年末から凍結しているブログ小説を再始動しようと思い当時の小説をしっている方はブログの最後に音楽のリンクを張って聞かせていましたが、noteだとそれが簡単そうなのと商品にもなるので新たなる道を作ろうと思います。

    • On My Load第16話

      第十六話 記者会見が終わり、別室に呼ばれた。そこには御曹司の松村氏が居て、横には名無しの彼女がいた。しばしの沈黙のあと、松村氏が口火を切った。おどろかれたでしょう。君が思っているような関係はないから。あくまでもビジネスとして彼女の才能を買っただけなんだよ。それ以外の上も下もないよ。 それって僕に対してもですか!?。勿論そうだよ。他に何があって君みたいな小さいベンチャーの小僧に、こんな大仕事を頼むと思うのかね。もっと大人かと思っていたが、君じゃ役不足じゃないのかね彼女を支えるに

      • On My Load第15話

        第十五話 アンドリューが、君じゃなきゃ彼女の全てを引き出せるのはこの世にいないんだよ。是非やってくれるよね。嫌とは言わせないよ。君にも彼女にもベターな話なんだし、逆に感謝してもらいたいもんだよと。 ここへ来て断る事も出来る雰囲気じゃないし、名無しの彼女の笑顔を曇らせる訳にもいかず、どうにも話が取引されている感じがして、純粋な好きと言う感情が彼女の本心と御曹司の本当の意図とは・・・頭の中にいらぬ妄想が駆け巡っていた。 遮るようにADさんがそろそろ本番でーす。と甲高い声が連呼する

        • On My Load第14話

          第十四話 慌しく滑り込みセーフで、会場のホテルに着いた。早速舞台裏へ通されて、チーフディレクターのアンドリュー氏を紹介された。初めましてキースさん。アンドリューです。大丈夫、日本語で大丈夫ですよ。私達は今回のパリコレで『ブラック&ホワイト』、『闇と光』、『日本の静と動』を表現したいと思っています。それには、もっとも日本人らしい日本人。少し影のある人物を探し当てたのです。その人を一番際正せる人物、それが貴方なのです。どうして僕が・・・ 何がなんだか狐に包まれたような感覚に襲われ

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        t-komaro(子麻呂 鷹見)です noteを始めるにあたって 年末から凍結しているブログ小説を再始動しようと思い当時の小説をしっている方はブログの最後に音楽のリンクを張って聞かせていましたが、noteだとそれが簡単そうなのと商品にもなるので新たなる道を作ろうと思います。

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        • 「On My Load」胡麻呂 隆美の架空音楽小説
          2本

        記事

          On My Load第13話

          第十三話 朝帰りにマキが怒鳴ったように、もぅーなにやってんだよー。こんなビックチャンスはないんだから・・・。 あの一流カリスマブランドの『アルシュエティー』から、パリコレの舞台音楽を作ってくれとオファーがあったのよ。何でも御曹司の“松村誠治”が手を上げて押して下さったそうよ。早くこれに着替えて。さあ、午後十二時半から、品川グランソワールホテルでの記者会見でヒートも関係者の一員として正式に発表されるのだから。おいおい俺はまだ承諾した訳じゃないんだぞ!! 何迷うことないじゃないで

          On My Load第12話

          第十二話 ごめんなさい。彼女が照れくさそうにそう言って帰ろうとした時、自然と彼女の手を握り、今の君の心はずぶぬれかもしれない。だけど、今朝の太陽のように、やまない雨はない。僕は、君の雨を止ませる太陽になりたいと・・・。君さえよければ・・・。彼女は立ち止まり振り向きざまに、僕の頬に軽くキスをして、OKよと小声で会釈をして帰っていった。僕は少しの間、顔さすりながら、初恋の気分とは違う、言い知れぬ深海の底から湧き出るマグマのように蒸気する心のトキメキをおさえずにいられなかった。マジ

          On My LOAD第11話

          第十一話 彼女と寄添ったままいつしか空が明るくなってきて、太陽の日差しが目にしみる頃、寝顔の君がきょとんとした顔で朝なの・・・と眠い眼をこすりこすり我に帰ると恥ずかしそうにそーと僕との距離をとってあたし・・・何かしたと聞くので僕は何にも。ただ一緒に居ただけだよ。どうやら昨日の夜の事はあまり覚えていないのか、はたまた何時もの少しずるい性格がでてきたのか、まぁいい。そういうところ全部ひっくるめて好きになったんだと。こう思える自分に不思議な違和感を感じていた。今までの自分を評価して

          On My Load第10話

          第十話 午後十時三十分、やっと最終テイクをトラックダウンし終え、僕は着の身着のままポケットにMDプレイヤーを忍ばせ大急ぎでチャリンコをこぎながら何故僕はこうまでして走っているのだろうか。 同情それとも愛情から・・・ もしかしたらデジャブで前に逢った記憶がそうさせるのか、、、。やっと目的の公園の入り口まで五分前に着いた。彼女はベンチに横たわったまま蹲り小刻みに震えていた。彼女の肩にそっと手を回すと彼女は小さな声を振絞りながら【ありがとう】と言うと僕の手をぎゅうとにぎったまま少し

          On My Load第9話

          第九話 彼女からのメールはこうだった。最近また自活する為にキャバクラで働いているのだがその中のお客さんにシツコイ人がいて、Mを強要されて精神的に不安定になっているので、僕に抱きかかえられたいとの告白だった。幸い彼女も僕も独身の身なので、やましくなく会えるのだが事情が事情なだけに、何時もの公園のベンチで午後十一時にとメールを送り僕は、彼女の為のメロディーをピアノで引き始めMDに落とす作業にとりかかった。曲のタイトルは【リフレイン】彼女に愛を取り戻して欲しかったから。僕の仕事部屋

          On My Load第8話

          第8話 夕方、一通の無題のメールがパソコンに届いていた。 名無しの彼女からの恋文だった。先生、前からずっと・・・(先生とは私の事である)何時もの依存傾向の強い文体である。それは彼女が幼い頃、父親から性的虐待を受けたトラウマからくるもので、私と出会ったのは街中で娼婦として身を削っていた時にばったり現れたからである。はじめは絡んできた手を振り解こうとした時に、彼女の目の奥底の黒い瞳が、私の心に真紅のものがなしい旋律のメロディーが引き裂かれんばかりに木魂してやまない。それからという

          On My Load第7話

          第7話 彼女へのメールを送信し終えると、そのまま着の身気のままデジカメを片手に外へ飛び出す。スコールの雨粒が色彩情緒に街を彩っていく。僕は雨音が奏でるベース音にリズムをとりながらシャッターを押し捲る。まるで子供の頃長靴でジャボジャボかき鳴らしたかのように水滴とのコラボレーションだ!!。傍から見ればいい年こいてばかな若者に、映るかもしれないがかまいやしない。傘も差さずに心が濡れていく様に暫しマスターベーションを掻き込む学生と同じ快楽感にふけっていく自分が落ちていく感じで素晴らし

          On My Load第6話

          第6話 マキはこの事について信じられない「オーマイゴット」と声を荒げていますが僕は一向にマイペースで楽しいティータイムを過ごしています。お腹も満足したし、午後一に、あの子への何時ものラブレターを書く事としますかね。と再びパソコンへと向かい今朝の返信メールを淡々と書き加えていく。この作業がある種カウンセリングの先生に成った気分で心が陶酔されていく快感がたまらなく心地良い。僕の脳下垂体からホルモンが分泌し嫌がおうにも思考回路は欲情する。あの子へのリターンエースを獲るべく単語・単語

          On My Load第5話

          第5話 毎度の事だが昼はパンと決まっている。しかも菓子パンではなく、食パンの6枚切りである。それにコーンベースのマーガリンを付けて食べるのが日課である。 だけど牛乳は飲まない。 別に嫌いな訳でもないが 日本茶党なのである。特に 渋いお茶がいかにもカテキン一杯入ってそうでお茶は 一日五・六杯飲み干すのはざらである。最近のマイブームは、砂糖をトラなすぎると老化の原因にもなると あるテレビが言っていたので、緑茶に砂糖を二・三杯 入れるのが本当に体に良いのか分からないが特に飴やジュー

          On My Load第4話

          第4話 午前十時三十分を回った頃、マキが帰ってきた。今日は雨の雫が幻想的よと午後からの街中ウオッチングコースを教えてくれた。変わり行く街並みの中に隠れたシャッターチャンスを求めて創作活動の一貫としてイマジネーションの栄養を与える機会としての大事な日課である。毎日同じ通りを歩いても決して同じ日はない。時計が一秒進むごとに切り取られる瞬間はまちまちである。お昼のチャイムが鳴り響く。さて、昼飯にするか。

          On My LOAD第三話

          第3話 読み終わる頃、マキが散歩に出るわと一声かかる。 いってらっしゃい。やっとひと時の僕のプライベートタイムの始まりだ。深夜のテレビ録画をチェックして、ネタに成りそうな素材を探り出す。使えそうな所は、即パソコンで、データー化にする。ネットラジオから懐かしい80年代の曲が流れてきた。このフレーズいただきとシンセ・キーボードの前に立ち、リアルタイムで断片を弾きながらシーケンスに落としていく。大概が没ネタになるのだけどね。一応ストックしておく。

          On My Load第二話

          第2話 朝食も終えてシャワーを浴び、やっと仕事の準備にかかる。パソコンの鈍い機械音がけたたましく部屋に響きメールチェックが始まる。 殆どがスパムメールだが、 仕事の依頼もたまに有るが、 あの子からのメールが『アルカナイカデ』一日の高揚が違って来る。画面をスクロールしていると、あ・あった。 早速文章を読みあさる。 毎度の事だがあの子の文章には、要求ばかりで相手の 周りを考える思考が足りない。そんな所が論理詰の僕にとっては、奇想天外で予測がつかない面白さが僕をあの子に夢中にさせて