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歩くスピード

大病をして2年経った。
半年の寝たきり生活は全身の筋肉を奪った。
リハビリ初期は、寝ている状態から、
立ち上がるのも、一苦労だった。

寝ている状態から、どちらかに身体を横に向かせ、
両手をつき、身体を起こし、腕に体重を乗せ、
立膝をし、四つん這いになり、上半身を立たせて、
片腕をつき、反動でバランスを取り、何か支えを持ち、体重をそちらに移動させ、残りの身体を立たせる。

たまに、バランスを崩して、倒れる。
受け身も取れないので、普通に痛い。

一年半のリハビリ期間を過ごしてきたが、
左下半身の筋肉、特に歩く時によく使う、
足首とふくらはぎ、膝周りが弱い。

筋肉がなかなかつかないからなのか、
老化で軟骨がすり減ってるからなのか、分からない。

2ヶ月毎の定期検診で腎臓内科の先生に聞いても、
専門外なので分からないと言う。

こんな具合だから、
出勤のために都内を歩いてると、
周りのスピードより明らかに遅い。
なので、多くの人に抜かされて行く。

病気前も、特に歩くスピードは速い方ではなかったが、
周りにどんどん抜かされる事はなかった。

歩くスピードが遅いことで、いろんな感情を味わう。

もっと若かったら、他に追いつこうと無理をしてでもスピードを上げようとしたかもしれない。

いい具合に、脂肪と経験を蓄えた今、
自分のスピードでゆっくり歩いて楽しもうと思える。

それで良い。

歩くのは、何処かに辿り着くための手段。
そのスピードが速かろうが遅かろうが、
道順通りに行かなくても、思うままに行けば良い。

子供の頃、マラソンで前の人を抜くのは楽しかったし、
気持ちよかった。

でも人生は人と順位を競うマラソンではない。

自分の好きなように走り、たまには歩き、
景色を見て、周りの人とぺちゃくちゃ喋り、
自分の好きな道を進めば良い。

死に向かって楽しむ長い道のりだ。

生き急いで、周りを蹴落として、
少し早くゴールに辿り着いたからといって、
何も残らない。

あなたの歩くスピードは、
あなたが決めればいい。

周りと競争もしなくて良い。

でも、ちゃんと仕事にはいってくださいね(笑)
休みたい時は休んで、たまには全然違うところに行ってみるのも良いと思いますよ。

長い人生、ずっと真面目に働いて、皆勤賞取ったって、誰も褒めてくれないし、自分で褒めるにしても、その何倍ものストレスとは、不釣り合いですよ。

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