見出し画像

映画:レヴェナント: 蘇えりし者

April 13, 2024
The Revenant (2015)/レヴェナント: 蘇えりし者

引用:監督、脚本、出演者

監督 :アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 :マーク・L・スミス、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演者: レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ

1820年代のアメリカ西部を舞台にしたサバイバルドラマである。主人公のヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、壮絶な自然との戦いを強いられる。物語は、探検隊がアメリカ先住民に襲われた後、グラスが熊に襲われ重傷を負うところから始まる。一行は彼を見捨てようとするが、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)と若いジム・ブリッジャーが看病を任される。しかし、フィッツジェラルドはグラスを死んだと偽り、彼を埋めてしまう。一命を取り留めたグラスは、自力で何百マイルもの荒野を生き抜きながら復讐を誓う。映画はグラスの驚異的な生存力と復讐心を描いている。

評価が高く、我らが(私が)ディカプリオ様が念願のオスカーを受賞した作品のため、さっさと見るべきだったのだが、知る限りの紹介説明で心躍らず、ずっと先送りしていた映画。

土曜日は、天気も悪く、昼から出かけたあとは特に急用もなく、家でのんびりだったので、気合をいれて、約2時間半の、しかも「ほとんどセリフがない」と言われてた本作を鑑賞。

まず、思ったより声を出すディカプリオ様に安堵。熊に襲われてからほとんどセリフがないという話を聞いていたので、まぁ、最後の方とか結構話していたので、良かった。

次に、「熊に襲われる」という話が前に出すぎたため、「コカイン・ベア」かと思っていたが(言い過ぎ)、実際はもっと、芸術的な作品だった。

日本語字幕で観るとわからないが、正直、時代背景の理解が会話からだけでは追い付かず、グラスの探検隊における役割を理解するのにしばし時間がかかった。グラスは罠を張ることが得意で、当時、動物の皮が取引の中心の一つだった時代で重宝された人のようだった。なので、基本は探検隊のキャプテンも他のメンバーもグラスには好意的なのだが、ただ一人フィッツジェラルドは、グラスが先住民の子供(グラスは過去に先住民の女性と結婚しており、その時の子供)を連れていることに突っかかったり、そもそも、冒頭シーンで先住民に探検隊が急襲に合ったことも、裏切りなのでは(わざと知らせた)とかいちゃもんを付けていた。さらにフィッツジェラルドは、まだ死んでいない手負いのグラスを殺そうとしたり、それを目撃したグラスの息子(そのあと、叫び続けて、敵に見つかることを恐れたという理由)を殺害する。なぜ、ここまでグラス親子を嫌うのかはわからなかったが、動物の皮を取引する(そしてお金を得る)ことでした生きるすべがなく(というか生きる意味がない?)本当は臆病者のフィッツジェラルドは、ずっとビビッていたのかもしれない。

生きているのに、死んだことにして埋めようとしたフィッツジェラルドは、映画の終盤で、グラスが生きていることを知り、復讐を恐れて逃げる。

グラスは、普通なら絶対死ぬよね、という状況で、探検家としての知識なのか、もしくは運命なのか、ギリギリのところで生き延び、最終的には復讐を遂げる(最後は自分で手を下すのではなく、「神=先住民」にフィッツジェラルドの運命を委ね、フィッツジェラルドには罰が下る)。

ハッピーエンドや、やり遂げたという爽やか(復讐劇に爽やかなものはないと思うが)感はゼロで、むしろ最後にグラスを演じるディカプリオ様がじっとこっちを見続ける。活動家でもあるディカプリオ様が何か言いたい、訴えかけたいのかな、と感じてしまう。

アカデミー賞の授賞式でのスピーチにつながっていたのかもしれない。忘れてしまったが。。

多くを語らず、映像でいろいろ示す作品としては芸術性が高いのだろうと感じる。木や川もメタファーだとも聞く。理解するにはかなり深読みをする準備が必要な映画。さらに、映画自体がすべて自然光で撮影されたとのことで、映像に詳しいひとの解説も参考になった。

正直、前半は少しだらけてしまう(背景の理解などが追い付かなかったからかも)が、後半はどんどん畳みかける。アメリカの独立戦争以前の歴史を知っていたらまた違ったのだろう。

映画の中で描かれているアメリカ大陸への侵略者と本来そこで生活していた先住民との関係性が、一言に人間ではないが、それでも人間の「エゴ」や「悪」を描いているようだった。

平日の仕事の後にみるには体力がいるが、週末に観るにはよかった。

とにかく、芸術性が高い。

終わり


この記事が参加している募集

映画が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?