見出し画像

「ゴジラ×コング 新たなる帝国(2024/04/26公開)」観ました



〇前置き(と言う名の心の声)

 幼い頃ゴジラの中の人(スーツアクター)に憧れていた。しかし2004年にゴジラ作品の公開が終了し、長らく沈黙を続けていたゴジラ。そして2014年にハリウッド版で復活。怪獣の脅威と恐怖、そして現実味のある人間視点にハラハラし「よくやった!」と大歓喜したあの頃。

 そして繋がるキングコング髑髏島の巨神。クローズドサークルと未知の世界ということもあり、ずっと楽しむことができた。2014年版ゴジラと同列に好きな作品である。ちなみに2005年のリメイク版キング・コングも好きだ。


・KOMへの愚痴

 以下、KOMに関する愚痴が続くので読み飛ばしてください。


 ギャレス監督の降板に嫌な予感を感じ取りながら(この時期ジャスティスリーグでも、事情が事情だから仕方ないのだがザック・スナイダー監督が自ら降板して作風が変わった出来事があった)も、ゴジラKOM(キングオブモンスターズ)の事前情報にワクワクし、満を持しての公開。

 しかし、そのストーリーはあまりにもずさんで怪獣描写の良さをすべてぶち壊していた。さらにドハティ監督の拗らせた愛が悪い方向に突き詰められ、ギャレゴジの世界観をぶち壊して踏みにじったかのような、公式に託されたプロの映画監督でありながら悪いオタク部分が出ていたその作りに憤死、(え? もしかしてゴジラ作品の解像度めちゃくちゃ低いのでは? ゴジラをはじめとした怪獣作品やゴジラの大事な核の部分が好きというより、ゴジラたちが戦ってる姿だけが好きなのでは? それともちゃんと解像度が高いうえで歪んだ愛が暴走した結果生まれたのがあの擁護できない作りを生んだのか……?)とブチ切れたのもまた懐かしい思い出。
 あまりにも冷める人間パートに怪獣バトルの激アツ展開も冷めに冷め、終盤の車内での両親の言い争いからの「家だ!」にB級映画か! とツッコんだり……。

 海外の評論の「怪獣の描き方は良いのだが、登場人物たちの行動がすべてを台無しにしている」という言葉に一字一句共感した。こういう評論では、理解できる部分もあるがその評は納得いかないということが常だったので心の底から同意する日が来るとは思わなかった。

 正直、KOMには良い要素が一つもない。怪獣の描写が良いのは特撮作品なら当たり前で、加点すべきところではない。昭和でこのクオリティの映像を作れるのなら絶賛ものだが、今の技術で大金を用いて作るんだから良い映像が作れてしかるべきだろう。
 そして脚本のクオリティどころかレベルが著しく低いのも問題だ。古き良き昭和のノリと、KOMの単に脚本のレベルの低さというクオリティの問題を一緒にするべきではない。KOMを古き良き昭和のノリ! と評するのは昭和の作品に失礼だろう。初代ゴジラの物語の良さを見てもそういえるだろうか。
 古き良き昭和のノリ、愛を感じる作品があることを否定するわけではない。KOMに関しては、そう表現することがそういった作品に対して失礼だということだ。

 怪獣の良さはビジュアルや迫力や映像美だけではない。ストーリーが伴ってこそ、さらによりよくなるものだ。それができないのは問題外だ。怪獣が主役だというのなら、その怪獣たちのためにふさわしい相応の物語を組まなければならない。それができないということは、怪獣たちに対する愛が足りないということだ。

 よく引き合いにゴジラFW(ファイナル・ウォーズ)が出されるが、エンタメとアクション全振りであるものの、しっかりストーリーに整合性が取れている。
 怪獣と主人公サイドが暴れてるだけに見えて、それらが後に活きるシナリオとなっている。ミュータントの強さが逆に味方をピンチへと陥れ、更なる強敵との戦闘が力強いミュータントさえも圧倒されるという形で。
 またペットの犬や瞬きが中盤へ、本編と関わらずに進行していくミニラたち一行が最終盤での伏線へとなっている。
 それだけでなくFWはゴジラの大切な部分もしっかり描かれている。
「ゴジラはなぜ怒っているのか?」
 ここでゴジラがどういった存在なのか、しっかりと示しているのだ。
 怪獣退治、宇宙からの来訪者、怪獣が暴れていた理由。人類サイドの見映えするド派手なアクションシーンがある理由。ゴジラ作品を通しての大切なテーマ。それら全てがクライマックスのストーリーに収束する。

 もちろん、そうはならんやろ! などとツッコメる場面やおふざけをあえて入れてる場面は山ほどある。だが、それらを見ていても、怪獣や主人公サイドのアクションや見せ場を冷めさせないように作られているのである。

 そもそも怪獣が出てくる以上エンタメ映画である。だからこそ、王道でも良いし見るに耐えれる最低限のレベルのストーリーが大事なのだ。

 エンタメ全振りが悪いのではない、エンタメ全振りで行くのならそれを冷めさせない最低限のシナリオが必要なのだ。

 KOMはゴジラFWとシン・ゴジラとゴジラ-1.0を見習ってほしい。ここまで深くゴジラを理解しなおしてほしい。

 MMDで特撮描写のクオリティがとても高く、怪獣の良さを引き立てるストーリーを作れる人がいる。それを見てきたからこそ、プロが潤沢な予算で作ったKOMを良いとは言えないのである。


 基本的にどんな好きなものにも気になる点、粗というものはある。ただ「それを含んだうえで”良い”」と言えるものが良い作品であると私は思う。
 だがKOMに関してはそれが言えない。どんなに怪獣の描写が良くても、ドラマ部分が足を引っ張ってデバフ、怪獣の良さを含めたすべてを最低限の弩マイナスに落とし込んでしまっているのだ。
 さすがにKOMをおもしろい作品だとは、どう擁護しようと思ってもできはしない。これほどまでに面白みのない作品はそれだけはじめての衝撃だった。



 人間パートで唯一気に入ったセリザワ博士の自分の命と引き換えにゴジラを救うオマージュとリスペクトを感じで感動する場面も、映画鑑賞後に聞いたドハティ監督の「我々の神たるゴジラを殺したから(以下略)」という言葉に「やっぱわかってねえな!」とさらにブチ切れたのも懐かしい……。

 メイキングで「歴代のゴジラ作品には総じてテーマがある。だから環境問題を取り入れることにした」と言っていたが、だからとってつけたような意味の感じられない環境問題が盛り込まれたんだなと。人間が解決に向けて努力をしたわけでもなく、何なら後半からそんなこと忘れてるという。それでもってただただゴジラが暴れまわった場所から原生林が復活しまた、というゴジラ様様なゴジラ持ち上げ映画でしかないのも納得がいった。
 タイタンという呼称も付ける意味がまったくないし。ただ怪獣をあがめるためだけの呼称でしかない。怪獣は怪獣でええやろがい! と。その点やはりパシフィック・リムでのギレルモ・デル・トロ監督はわかっている。彼がパシフィックリムで怪獣を「Kaiju」と呼称した功績は大きい。怪獣は怪獣と呼ばれるからこその良さがある。それに引き換えKOM……。なーにがタイタンじゃ! 何もわかっとらん! 怪獣は妖怪と同じく、幅広い意味を持ってるからこそ意味がある。タイタンなどと持ち上げてしまってはその意味が狭まってしまう。せっかくKaijuとして世界に知らしめられたというのに。
 タイタヌス・○○と学術名でつける程度ならまだ納得がいくが。まあ、あくまで巨大な生物の総称として無理やり納得するしかないか。

 ゴジラに原生林の種子でもついていたのだろうか。あんなに海渡ったりなんなりしてたのに。まあ怪獣だから不思議なことも起こるだろう。少なくともこの環境問題に関しては、奇跡が起きたから何とかなりましたでは駄目だろう。そこに至るまでの過程や、本当に解決してほしいという思いもなく、だからこそ「あ~良かったねぇ」と思える要素も全く描かれていないのだから。

 問題提起を挙げているのに解決するために何が必要なのかどう努力すべきなのかなど、それらを考えようともせず、そこから得られるものがまったくないのなら問題提起を挙げる必要がない。

 よく「怪獣バトルが見たい。人間ドラマなどいらない」などという意見を見るが、KOMこそ人間ドラマの必要性がまったくない作品なので、これなら主要人物を全く映さずモブの人間が逃げ回る描写だけを入れて、ゴジラたち怪獣が暴れて戦ってる姿だけを2時間見せられた方がよっぽど良い作品になっただろう。
 まあ、人間ドラマなどいらない! を地で行った結果、KOMは大コケしてしまったのだが……。


 90年代のハリウッド版ゴジラも怪獣惑星3部作も大好きだが、KOMだけはどんなに受け入れようとしても拒絶反応を起こしてしまった。

 KOMの興行的失敗によりゴジラVSコングの公開延期による未定に(ああ、せっかくギャレス監督が丁寧に作り上げてくれたモンスターバースもこんなに早くあっさり終わるのか……)と心の底から落ち込んだものだ。

 そうこう言いながらもKOMのBGMが気に入ってサントラを鑑賞後に買ったのだが……。
 今思えば、このショックがなかったらMCU(アベンジャーズでおなじみの世界観のマーベルの映画)の質の高いドラマに慣れてどんな映画も「良いけど、いまいちだな……」と思っていた当時の私から脱することはできなかっただろう。「人間ドラマ? 細けぇことは良いんだよ!」で殴ってくれたKOMには、一応感謝しておいた方がいいのだろう。


 KOMを経たことでシナリオの構成は「ストーリーもアクションもどちらか片方に比重が傾いたら共倒れになる。バランスが大事」という考え方に至った。
 思えばガチのSFとしてストーリーが確立していたGODZILLA怪獣惑星3部作は、シン・ゴジラの影響とはいえ人間ドラマに極振りしアクション方面であえて外す方向に行っていたため、私自身が大好きな作品とはいえ最後の最後でフラストレーションがたまる作品であったことに間違いはない。
 シン・ゴジラからの怪獣惑星を経てのKOMだったので、怪獣バトルを楽しめるこの作品がそこを見たかった人たちにウケたのは仕方ないと言える。

 そう考えるとシン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダーの庵野監督は、彼は彼で特撮作品に重い愛があるにもかかわらず、オタク部分を良い形に昇華してるのがさすがの手腕。プロフェッショナルであり、愛ゆえの作品作りを行なっていたことが感じ取れる。


 東宝さんは90年代のハリウッド版や怪獣惑星3部作を黒歴史にするくらいなら、KOMを看板として上げない方が良いと思うのだがいかがだろうか。実際、KOM公開以降アピールする機会が減っているような気がするから、あまり良い思いをしていないのか。

 KOMの失態さえなければゴジラVSコングの公開時期未定化も、それにより私がネタバレを踏むこともなかったのだから(これは私怨)。



 そして流行り病やKOM大コケによりゴジラVSコングの公開延期からの未定。海外ではすでに公開されているのに日本では全く続報がなく、そんな中突如YouTubeに現れたおススメ動画。私はそれをファン動画の作品だと思いクリックしてしまった。最終決戦の某メカの暴走からの流れの映像ネタバレを踏んでしまってまた憤死したのも苦い思い出だ。

 そして終盤の展開を知りつつもゴジラVSコングを観に行ったら……。KOMのドラマ部分のひどさを味わったことドハティ監督が脚本を監修してると聞いてげんなりして観に行ったこともあってか、思っていた以上にストーリーの粗が気にならなかった。おそらくKOMと違って「難しいストーリー(オブラートに包んだ表現)がないからこそ怪獣同士のバトルに集中できた」のだろう。
 とはいえ、またマディソン出るのかよ……とか、酒をぶっかけてコンピューターを壊す脳筋解決場面にやっぱりB級映画か!、よくよく考えたらコングに花を持たせてるように見えてゴジラが最後まで圧倒してたな……さすがドハティ監修……と突っ込んだのだが。

 ゴジラVSコングを見て思ったのは大好きなギャレゴジとはいえ、ゴジラが人間に対して無関心という設定が逆にゴジラの描き方を狭めてしまったのだなということ。
「ゴジラが積極的に暴れて人間に報復する理由付けをしないといけなくなった」点が唯一の欠点だなと。

 そしてゴジラVSコングが好評だったから2を作ると言う話を聞いた時は「うわぁ、味を占めたか。また嫌な予感がするぞ……」と嫌悪感を露わにしたのも事実。


 とまあ色々な思いを抱えていたこの10年だったが、ここ最近特撮作品に興味を持ったVtuberたちの同時視聴のお陰で1週間モンスターバースを振り返り最高潮のバーニングで当日を迎えることができた。
 不満だらけのKOMも数年前に個人的に見返したり、Vtuberの同時視聴のお陰でだいぶ嫌な気持ちも緩衝することができたのも良かったと思う。なんだかんだKOMは怪獣の描写の良さやバトルをワイワイ楽しんだり、ストーリーの変な部分に突っ込む楽しさがある(ストーリーが面白いとは言ってない)映画だということを改めて感じることができた。

 そうして、仕事を終えた後「ゴジラ×コング新たなる帝国」を見に劇場に足を運んだのだった。

 正直、ストーリーには期待していなかった。特報もゴジラ作品なら、そうでなくても楽しみにしている映画ならワクワクしながら何度も見返すのだが初報のその時にPV映像を1回見たくらいしかしなかった。これには唐突に現れたおすすめ動画により、ゴジラVSコングのネタバレ動画を踏んでしまったことによる警戒もあるのだが。
 怪獣の描写は良くても、ストーリーのレベル(脚本のクオリティ)はゴジラVSコングの時と同等だろう(さすがにKOMほどひどくはならないだろう)と思っていたからだ。

 ゴジラの新作でありながら、ほとんどワクワクすることはなかったし、心がもたなくなるほど楽しみだ! 公開が待ち遠しい! となることもなかった。とはいえ怪獣描写は絶対に間違いないんだろうなぁ、と思いつつ。


実際に観てどうだと感じたか……?



〇「ゴジラ×コング新たなる帝国」感想

 ノリは良くも悪くもゴジラVSコングや髑髏島の巨神のあの感じだったのですが、それがまた「これぞこのモンスターバースの良さよね!」と感じました。今回はその人がフィーチャーされるんだ……と興味が惹かれたのも良かったです。そしてその悩みにも同情できる。姪っ子の成長を見守るってこういう気持ちなのでしょうか。
 未知の世界である地下帝国にも興味をそそられました。SFならぬ『サイエンス・ファンタジー』といった作風が懐かしさを感じました。いやまぁサイエンス要素はないというか、むしろオカルトなんですけども。

 今回は怪獣描写99:人間ドラマ1といったくらいに、怪獣側の描写が長かったです。あまりにも長すぎてコングの(某所にたどり着いてからの)下りちょっと食傷気味かも……となるくらいだったのですが、それはそれとして人間ドラマならぬ怪獣ドラマの情報が後々に必要になるのは言わずもがな。そのちょっと長いなぁ~という気持ちが後半戦でぶっ飛ぶくらいに圧倒されました。
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」より怪獣ドラマが長かったように思います。雰囲気はゴジラの息子のコング版のような感じになっているんですよね。ついに怪獣がメインで人間ドラマの主役のような形で描かれる時が来たか……。

 人間パートとしては『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』の流れを感じました。

 今回は『貴種流離譚』に当てはまる作品になっていましたね。貴種流離譚とは、高貴な身分の人が故郷から離れた地を旅の中での試練を経て神や高い地位を得たりするものです。日本の昔話で例えるなら「桃太郎」、マンガで例えるなら「ドラゴンボール」の孫悟空、アメコミで例えるなら「スーパーマン」がそれにあたります。
 この形式は実は2014年の「ゴジラ GODZILLA」でも描かれているんですよね。今回はコングがそれに当てはまりました。


 やっぱ怪獣映画つったらこういう感じよね! こういうのもアリだよね! と心の底から思える作りになっていました。今回は人間にも怪獣にもちゃんと同情や共感ができるのが良かったです。しっかりストーリーに入り込めました。
 まあ、観ていて「ゴジラ×コングかと思ってたら猿の惑星だこれ!」ってなりましたけどw

 そして終盤でまさかの新でレオなあの姿! 私の幼少期の頃の父や祖父との思い出の作品! それを見せてくれるのか!!!! と感動しました。マジでこれでね! もうKOM許したるわ! となりました。
 実際、前作ゴジラVSコングを見た時に「まあ、そういう感じに描くんならええわ! 好きにせい! なんだかんだで楽しめたし!」となっていたので、やっとKOMの殻というか心のかさぶたが少し癒えた気がしました。

 ゴジラの描写としては、パワーアップして背びれの形が変わってミレゴジのようにも見える形がまた私の好みに刺さりました。背びれの色が紫(実はピンクらしい)になるのもそういうことか! と。思えば1作ごとに微妙に姿が異なってくのは、別会社になりますが平成ガメラ3部作のガメラを思い出しますね。
 予告からもわかるように一作ごとに新たな一面(異なるビジュアル)を見せてくれるのが良いですね。この点はモンスターバースのように連作である平成VSシリーズでも中々なかったと思います。KOMで初代の背鰭を無理やり移植されたようなデザインになったことに理由づけをするためなのか、それとも関係なく初代の背鰭でもそうでなくても、変化させる予定だったのか。何はともあれ最終的に、よりミレゴジのような背鰭になるのかなど今後のゴジラの新たな姿がとても楽しみです。

 今回、懐かしの東宝怪獣をリファインした新怪獣も出てきて良いなぁと思いました。シーモはアンギラスのイメージなのかな? ティアマットはマンダかな? とか。

 子ザルめちゃくちゃかわいかったなぁ。相変わらずバーニーがいいキャラしてる。バーニーがいきなり色々理解できるようになったのは、もともとエンジニアとしての知識もあって、そこに陰謀論からくる疑似科学やオカルトなどの知識が助けになったのでしょう。マーロウ中尉が言っていた「彼らの言うことがわかるようになる」に通じるものがあるのだろう。
 新キャラの獣医さんも良かった。モンスターバースご用達の変人たちがいいキャラしてた。

 もうずっと興味深い展開続きで、この一週間の同時視聴配信視聴からの4時間睡眠つづきで眠気がひどかったけど、最終決戦ではそれが吹っ飛んでました。それくらいずっと楽しかったです。Vtuberたちのモンスターバース同時視聴配信があって良いボルテージならぬバーニング感のテンションでこれたのもありますね。

 いや本当に楽しい映画だった。難しいことは抜きに楽しめる良い映画でした。
 いやマジでさこれでいいんだよ! ってこの映画のためにある言葉ですね。ストーリーもシンプルだし変に歪んだ価値観も入ってない(ゴジラ贔屓なところはまぁ)。いやまぁ、イーウィス族の設定に(おや?)となる気もしたけど、そこはあえて描き切らずに謎を残していた謎の多い民族だし、いろいろあってもそういうものならしゃあないかぁとなる。髑髏島のイーウィス族とは信仰対象、あるいは自分たちを守ってくれていた相手が異なるものだから、現状二つの宗派に分かれたのだろうか。
 それはそれとして、ストーリーにすごく入り込みやすかった。そしてノリが昭和のゴジラ映画感ある楽しい作風! 古き良き昭和のノリ。これはこういう作品に評するものだ!
 そんで何より人間パートと怪獣ドラマがそれらを邪魔してない!

 前作はドハティ味が強くて胸焼けする場面が多かったですが、今作はアダム・ウィンガード監督わかってる! と感じる場面が多く見受けられました。ドハティ監督ほどではないもののゴジラ愛の強さを感じますが、オタク味がキショくない程度に抑えられているのがさすがプロ! という感じでした。こういう愛なら無問題!
 ドハティ監督はこの程度に抑えられるようになってから出直してもろてw

 ゴジラという作品は基本的にSFだけでなくファンタジー色も強い作品ですが、今作はよりファンタジー色が強い作品でしたね。


 KOMの頃からずっと思ってたけどもしかしてこの世界、シートピア海底王国やイーウィス族以外の地底人とかもいるのでは? なんなら、ここまできたら宇宙人たちが出てきても驚きはしないぞ!
 モンスターバースでモスラ単独作品も見てぇ! モンスターバースのデスギドラやダガーラを見てぇ!


〇パンフレットと買ったグッズ


手前の小さいものは2014年当時の食玩ソフビ

 いつもはパンフレットだけですが、ゴジラ-1.0の限定クリアカラーを買わなかった後悔とそろそろ大きいソフビ(ムビモン系)欲しいなという気持ちと、この1週間Vtuberのモンスターバース同時視聴でものすごく楽しく盛り上がったので記念トロフィー的な意味合いで劇場公開記念ゴジラ2024クリアカラーを買いました。
 やっぱりクリアカラーは良いですねぇ。白くて背鰭がメタリックブルー。良い。念願叶ってのムビモン!
 KOMからVSコング、そして今作前半までがこの姿みたいですね。

 ゴジラ・ストアのオンラインショップで見かけた紫のクリアカラーもいいなぁ。予告でもあった紫に発光してるEVOLVEDというこの紫のクリアカラーのソフビの姿がミレゴジイメージなのかな? よく見ると尻尾の先に目立つ突起ができていたり、背鰭の形もよりミレゴジに近づいています。
 EVOLVEDより白のクリアカラーの方が100円高いのは、単色での成形ではなくメタリックブルーの塗装がされているからでしょうか。劇場で買えたのならEVOLVEDが欲しかったですが、白のクリアカラーに背鰭のメタリックブルーが映えるのでこれはこれで良かったかも。白いスケルトンが美しい……。


〇おわりに

 2024年。くしくも私が努力して培ったものを失くし、そして「ゴジラ GODZILLA」に救われたのが2014年のあの時でした。今年も新年早々、努力で培ったものを失くし生活苦にあえいでいました。
 しかしゴジラ-1.0と年末から年始にかけてのVtuberのゴジラ作品同時視聴があっての今回のモンスターバース同時視聴とゴジラ×コング新たなる帝国公開にまたしても救われました。

 ほんと私が苦しいときに、こういう形で救いの手が来るんですよね。私の人生はツンデレか! もう少し頑張って生きようと思います。

 ありがとうゴジラたち!!!!!


 ところでハリウッドさん。そろそろ庵野監督のシンユニバースのように、モンスターバースやパシフィック・リムとはまた別にギレルモ・デル・トロ監督にオリジナルのゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーを作ってもらうことはできないでしょうか。


ーーー

 さてゴジラKOMですが……。

 かのセリザワ博士が残した言葉。

「傷をつけた悪魔を許すこと」

 どんなに受け入れようともがいても長年KOMの怪獣バトルの描写以外はどうしても受けつけることができませんでしたが、私もそろそろ目をつむるべき時が来たのでしょう。許すかどうかは置いておいて、ほんの少し目をつむりましょうか。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?