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カイリー・ミノーグ『Golden』

 ユーロポップ・ディスコの女王カイリー・ミノーグによる3年ぶり14枚目のアルバム。ナッシュビルを訪れたことで着想を得たという今作は、プロデューサーにテイラースウィフトをデビュー当時から支えていたネイサン・チャップマンを迎え制作された。それゆえ、まさにテイラーの初期を彷彿とさせるカントリー・ポップに特化した内容となった。
 女性の年齢を話題にするのはタブーだとわかっていながら、50歳を手前にリリースされたとは思えないくらいに瑞々しく、キュートな歌声に思わずドキッとしてしまう。アコギをふんだんに取り入れ、代名詞であるダンス・ポップ、エレクトロとカントリーを上手く掛け合わせたサウンドも春風のようにやさしく暖かく、ガーリーさをより引き立てている。
 作品を重ねるごとに衰えどころか、若々しくなる一方で、チャレンジ精神旺盛なカイリー・ミノーグ。そんな彼女のフレッシュな一面を垣間見たとともに改めて、アコギの音色が持つ美しさや柔らかさを感じることができたし、ポップミュージックとの相性のよさも思い知らされた。いまだメインを席巻するブラックミュージックへのカウンターには打ってつけの一枚。

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