「個の時代」は幸せか

これからは「個の時代」だという。一人一人が専門知識を持ち、主体的に動く時代だと。逆に組織に寄生したり、頼りきっている人間は終わりだと。組織は力を落とし、個の力が社会を変えていくと。

だから優秀な人は力をつけ、従来のように組織に属する事なく、己の力で未来を切り開いていける素晴らしい時代がくるらしい。

でもそれは幸せか。

みんながみんな「個の力」を強くしたいと思っているのだろうか。大企業で、決められた仕事をし、ある程度の給料をもらい、休日に家族とまったり過ごす。そんな普通の生活を何よりも望む。そんな人間どうすればいいのか。

そんな人間に合わせる事はない、そんなもの自己責任だ。と世間はいうだろう。それも間違いない。でもそういう人間がいるのも間違いではないはずだ。

「個の力」には格差が生まれる。能力のある人、ない人。時代に適応出来る人、出来ない人。努力出来る人、出来ない人。上の人間は下を見下し、下の人間は上を妬む。きっと格差は生まれ、この格差が減る事はない。そしてこの格差はいつか必ず大きな分断を生む。

個の時代は優秀な人に取っては最高だろう。主体的に動ける人、息をするのと同じように努力出来る人。

でもそれが出来ない、望まない人はどうすればいいのだろう。指をくわえているしかないのか。そりゃそうか、自己責任なのだから。

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