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カニやエビの赤い成分、アスタキサンチンのスゴさはハンパない!

今回のテーマは、アスタキサンチンという栄養素です。

アスタキサンチンは、何がそんなにスゴいのか。
その理由は何なのか。
アスタキサンチンは、何からどのくらい摂ればよいのか。

これらについて解説します。
(記事の最後に動画を貼っています)

植物に含まれる抗酸化成分

アスタキサンチンは、カロテノイドの一種です。
カロテノイドとは、自然界に存在する赤、黄色、橙色などの天然色素で約750種類あることが分かっています。  
 
カロテノイドは、油に馴染む脂溶性です。
アスタキサンチンのほか、
リコピン
βカロテン
αカロテン
ルテイン
ゼアキサンチン

があります。

そのほとんどが植物の中に含まれます。
動くことができない植物は、強い紫外線に晒されても日陰に隠れることができません。
 
紫外線から身を守るために備えたのが、
カロテノイドをはじめ
ポリフェノールイオウ化合物
などの物質(ファイトケミカル)です。

ファイトケミカルは、紫外線によって発生する活性酸素を除去する働きを持ちます。

ファイトケミカルは多くの野菜や果物、キノコ(βグルカン)、茶葉(カテキン)などに含まれます。
その食物を人が食べることによって、活性酸素を除去する抗酸化作用が、その人の体内で発揮されます。

だから、野菜や果物、キノコなどを食べることが大切なのですね。

動物に含まれるアスタキサンチン

しかし、アスタキサンチンは、動物に存在します。
カニ、エビ、タコ、タイ、鮭、オキアミ等に含まれる赤い色素が、アスタキサンチンです。

これらの海洋生物が住む場所は、海の表層(海面に近い所)で紫外線が強く、活性酸素が発生する過酷な環境です。
その環境で生きていくために、強い抗酸化作用を持つアスタキサンチンを備えました。

ただ、これらの生物も、最初からアスタキサンチンを備えていたわけではありません。

海に生息するヘマトコッカス藻という藻を食べることによってアスタキサンチンを獲得しました。
ヘマトコッカス藻は普段は緑色をしていますが、紫外線を浴びてストレスを感じると、体内にアスタキサンチンが作られて赤く変色します。

それを食べた生物も赤色を帯びる、これを海の食物連鎖と言います。

驚異的な抗酸化力

アスタキサンチンは、どのカロテノイドよりも、またビタミンやミネラルまで含めたどの抗酸化栄養素よりも強い抗酸化力を持ちます。 

アスタキサンチンの抗酸化力は、
リコピンの1、6倍(トマトに多く含まれます)、
ルテインの2、6倍(小松菜、チンゲンサイ、ケールなど)、
βカロテンの4、9倍(ニンジン、カボチャなど)、
αリポ酸の75倍
カテキンの560倍
コエンザイムQ10の800倍
レスベラトロールの3000倍
ビタミンCの何と6000倍

まさに驚きです。

この脅威の抗酸化力が働く場所です。

序盤で、カロテノイドは油に馴染む脂溶性の性質を持つ、と話しました。

体の中で主に油で構成されている場所は、一つ一つの細胞を包んでいる細胞膜です。
60兆個とも言われる細胞を保護している細胞膜です。

また、細胞の中にあるエネルギーを作り出すミトコンドリア(一つの細胞に数百はある)を包む生体膜も油を材料としています。
 
アスタキサンチンは、細胞膜や生体膜の活性酸素による攻撃に対して、強力過ぎるほどに防御します。

もう一つ、図を見てください。

細胞膜や生体膜を守るのは、
アスタキサンチン以外にも、脂溶性の
ビタミンE、βカロテンがあります。

しかしビタミンEは、その分子の大きさから、膜の端から端まではカバーできません。
βカロテンはというと、何故か膜の中央部に入り込みます。

アスタキサンチンは、分子の大きさが真に膜の端から端までカバーできます。
したがって、膜全体を活性酸素の攻撃から防衛することができます。

心血管疾患や脳血管疾患の予防にも

アスタキサンチンが油、つまり脂質を活性酸素から防衛するという役割は、LDLコレステロールの抗酸化作用にも働きます。
 
LDLコレステロールが活性酸素に攻撃されると、酸化コレステロールになってしまいます。
酸化コレステロールはやがて動脈硬化を引き起こし、それが心筋梗塞などの心血管疾患や脳梗塞などの脳血管疾患につながります。

抗酸化作用以外のアスタキサンチンの役割として、
抗炎症作用
抗がん作用
筋肉疲労の解消
眼精疲労の緩和
目ピント調整
認知機能の維持
肌の保護

が挙げられます。

これらについては、もう1本の記事に分けました。


アスタキサンチンの摂取目安量

アスタキサンチンの摂取目安量については、ビタミンやミネラルのように明確な目安はありません。

私が勉強したことを総合すれば、1日3〜6mg
少なくとも3mg、できれば6mgといった所で大きく外れてはいないはずです。

アスタキサンチン6mgを食事で摂ろうとすると、
鮭なら2〜3切れ、エビなら10匹です。
毎日食事から6mgは、現実的には難しいようです。

まずは食事から摂ることが大切ですが、足りない場合はサプリの力を借りるのも一つの手です。
具体的な商品の比較、私のお薦めサプリについては、続編で説明します。

まとめ

アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、油に馴染む脂溶性です。
カニやエビ、タコ、タイ、鮭、オキアミ等に含まれる赤い色素が、アスタキサンチンです。

アスタキサンチンは、すべてのカロテノイドやビタミンやミネラルよりも強い抗酸化力を持ちます。
その抗酸化力はコエンザイムQ10の800倍、ビタミンCの6000倍と群を抜いています。

アスタキサンチンは、脂質を材料とする細胞膜や生体膜が活性酸素から攻撃されるのを、強力過ぎるほどに防御します。

アスタキサンチンは、LDLコレステロールが活性酸素に攻撃されて酸化コレステロールになってしまうのを防ぎます。
それによって、動脈硬化、それが引き金になる心筋梗塞や脳梗塞などの予防に働きます。

アスタキサンチンの1日の目安量は、約3〜6mgです。
6mgを食事で摂ろうとすると、鮭なら2〜3切れ、エビなら10匹です。

現実的には難しい場合は、サプリの力を借りるのも選択肢の一つです。

この記事の内容は動画でもアップしています。
合わせてご覧ください。



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