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半年後のわたしたち

akiさんへ

あなたがこの世界から羽ばたいてから、もう半年が経ってしまいました。
そして毎日のように響いていたあなたの声が我が家に響かなくなって、半年になりました。

わたしは時々イヤホンでそっとあなたの声を聞きますが、母はまだ部屋に流すことを許してはくれません。母の最愛の人であったあなたが突然いなくなってしまったので、仕方のないことだと思っています。今でもどうしてあなたがいなくなってしまったのか、akiさんじゃなきゃいけなかったのか、納得なんてずっとわたしも母もできないと思います。それでも日々は過ぎていき、2024年になり、先日受けた健康診断で私は胃にポリープができていました。決してあなたのせいではなく、どちらかというと7月から突然増えた仕事の責任や折衝などが原因だと思います。14歳からLaputaに母とともに通っていたわたしが仕事の重責でポリープを拵えるような年齢になってしまったことが可笑しく、同時に社会人として頑張っています!と胸を張って言えるようになったわたしを握り会で見守っていてほしかったな、なんて思っています。空から私の仕事ぶりもくだらないミスも見守ってくださっていますか。そして母のことも見守ってくださっていますか。

わたしは撮影のときに時々友人を自宅に呼びます。春先には近所の桜で友人たちを撮影することも多いので、「3月末に友達2人来るかも。」と母に伝えたら、「じゃあこれ(祭壇)、どうにかしなきゃねえ…。」と言ったのでわたしは半分怒りながら「そのままでいいじゃん!何が悪いの。」と自分でも思ったより怖い声が出てびっくりしました。でも友人たちは無邪気に「この人だれ?」と聞いてくるでしょうし、もう新たな声を聞くことは叶わない人なんだよ、と答えるのも辛いことだと思いました。
この6ヶ月、色んな気持ちが渦巻きながらも8月と9月の報せを受け取りました。いざ行けるか、と問われるとまだ自信を持って首を縦に振れない気持ちです。あなたの不在を嫌というほど付きつけられる時間を飲み込めるか、まだ全くわかりません。

毎月29日に2Lの日本酒と1kgの天然塩を浴槽に入れて、禊の気持ちとともにお酒が大好きだったakiさんに少しでも届くように酒風呂を楽しんでいます。鬼殺し風呂は最高でした。風呂上がりでもしっとりしてあたたかくて、とてもいいお風呂で、akiさんの握手をふと思い出します。
まだ全く乗り越えきれていない廃人家庭の我々ですが、これからも季節の空と風と共にわたしたちを、廃人の皆さんを見守り続けてください。願わくば時々勇気を分けてください。お立ち台で堂々と歌うakiさんの姿を、わたしはまた見たかったです。
そしてどうかakiさんのもとに美しいお花が降り積もり続けていますように。
またきっと8月に言葉を綴ります。それまで、また。

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