見出し画像

私的2014年下半期映画ベスト5

おそらく今日映画館に行って今年の映画鑑賞は終わりの予定なので、下半期の映画ベスト5を挙げたいと思います。上半期見返してて「ベスト3」って書いてるのに5本挙げていたので、「ベスト5」にして、3本についてコメントしようとます。

今年はのべ38本もの映画を見ることができました。上半期の時にも書きましたが、岩井俊二監督リバイバルや複数回見たものもあるので、実質的に新作としては28本くらいでした…。

では、その下半期5本。

1)FORMA
2)欲動
3)ぼんとリンちゃん
4)紙の月
5)真夜中の五分前

上位の3作について。

『FORMA』
昨年の東京国際映画祭で見ることができなかった作品でしたが、ごく短い上映期間だったので、真夏の朝、久しぶりに公開初日に乗り込んで見た作品でした。
昔の同級生同士がばったり再会したことから、同じ会社で働き始めて…という始まりから、じりじりと捻れて二人の不協和音が大きくなる展開には目を見張るものがありました。サイトやパンフでは最後の長回しを大々的に謳っていたけれど、それに至るまでの過程の方が個人的にはヒリヒリくるものがありました。
初作品となった坂本監督が今後どのような映画を作っていかれるのか興味の湧くところで、方向性としては、西川美和監督に近いものがあるかもしれないけれど、より粒度の細かく日常性のある視点を持たれているのかなと感じました。

『欲動』
注目している杉野希妃さんの監督デビュー作品。実際には今年の東京国際映画祭で上映された『マンガ肉と僕』の方を先に撮ったそうですが、実際にはこちらが釜山国際映画祭で新人監督賞を受賞するなど、公開も先になった作品。
2週間限定上映だった新宿武蔵野館のレイトショーが立見満員ほどになるとは初めて見ました。最終日だったせいかもしれないけれど、仕事の後に立見はつらいなぁとそこは諦めて、翌日にシネマート六本木で継続上映になった方で何とか見に行ったという…。(斉藤工効果か?)
バリを舞台にして外国人も絡んでというあらすじだったので、うまく吸収できるかわからないかもなぁと思いつつも、むしろバリという環境や夫婦や兄妹のすれ違いもスクリーンの中で熱を帯びても、終始どこか穏やかに見ていました。行く末を暗示するようななかで、自然の変化も味方したラストシーンは結構印象的。

『ぼんとリンちゃん』
『ももいろそらを』が印象的だった小林啓一監督が次に描いたのはオタク界。有名どころが出ているわけではないけれど、今回も各キャラクターの個性が面白いし、何しろぼんがずっと独り言、もしくはたまにリンちゃんの合いの手(?)が入りながらの長回しがすごく印象的。
映っている世界は、その方面の趣味の方は理解しやすいのかもしれないけれど、あまり縁がない立場からみると逆に新鮮というか、すごいなこりゃというギャップが面白いかも。
フロアを闊歩しながらの長回しも見入ってしまったけれど、その究極は終盤の親友みゆちゃんとの対決の場だと思う。場面もそうだけれど見ているこっちも緊張するような。
オタク界とはいえ軽妙なコメディだし、小林監督こう来たかと思わせる一作でした。

あとの2本。
『紙の月』はあれだけ大々的にやっていたし、NHKでやってた原田知世のイメージの方があるなぁと思ったけれど、映画は映画で面白かったと思います。

『真夜中の五分前』は今日見たところで、下半期の指折り数えられるかも?と滑り込んできた作品ですが、ちょっとご無沙汰していた行定監督の映像美、特に光の使い方とかやっぱり好きだなぁと思えたわけです。
ストーリーはいろいろ注意してみないとあとで頭がごっちゃになりそうですけどね。

上半期公開だったけれど見れなかった『私の男』や『渇き。』ですが、前者はちょっと重かったなぁという印象と、後者は何かいろいろ散漫になってて期待値よりはだいぶ低かったなぁという感じでした。

下半期公開ですが年内に見れなかった『百円の恋』は年明けにでも見に行こうかなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?