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NO.47 彩の国さいたま芸術劇場で「川口成彦フォルテピアノ・リサイタル」を聴く

今日11月3日、彩の国さいたま芸術劇場において「川口成彦フォルテピアノ・リサイタル」が予定通り開催されたので聴きに出かけた。

コロナの影響で、生演奏に接するのは本当に久しぶりのことだ。

川口成彦さんは第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで2位となりテレビのドキュメンタリー番組でも取り上げられた今年31歳の若きピアニスト。

僕はテレビで川口さんの柔らかい雰囲気と語り口にとても好感を持ち、ショパンの「夜想曲」を中心としたアルバムも入手して愛聴しているから、何とか今日の演奏会は中止にならないことを祈っていた。

曲目は前半はショパンと同時代の作曲家アルカンの小曲が15曲。
僕はアルカンの曲を聴くのは初めて。
荒々しさやユーモア、ひんやりとした空気や繊細さなど多彩な味わいの曲は、どこか遠い異国の音楽のようでとても面白かった。

後半のプログラムはショパンの「24の前奏曲」全曲。

これは凄い演奏だった。

今日演奏された楽器は、ショパンが生きていた1843年に作られたプレイエルピアノだから、少し繊細な味わいのショパンになるのではと予想していたけれどそれは(良い意味で)全く外れた。

低音の響きは深く、曲全体から、歓喜、不安、怖れ、幻滅、憤怒、慟哭等のショパンの激しい感情が聴こえてくるような迫力に圧倒され、今もまだ頭の中にその音が響いているよう…

川口成彦というピアニストのこれからに注目したいと思います。

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