「日本の有名なロックンロール」忌野清志郎の言葉。
(忌野清志郎の言葉29)
「上を向いて歩こう」。それは、世界各国で愛され、
歌い継がれてきた「日本の有名な曲」。
作詞・永六輔、作曲・中村八大、歌・坂本九という
六八九トリオでつくられた曲で、
1961年に日本で発売され大ヒット。
その後「sukiyaki」の名前でアメリカでも発売したところ、
日本語で歌われているにもかかわらず、ビルボードの一位に輝いた。
RCサクセションは、70年代後半に、
この楽曲をロックアレンジでレコーディング。
ライブの定番曲となった。
清志郎は30年以上もこの歌を歌い続けていたが、
必ずこんなMCで紹介していた。
「日本の有名なロックンロール」。
このMCを聞いたとき、「日本の有名な曲を
ロックアレンジしたので聴いてくれ」。
そんな意味だと感じていたのだが、
そうではないのかもしれない。
坂本九は、歌謡界で活躍した歌い手という印象があるが、
元々は、ロックンロールのルーツともいえるロカビリーバンド
で歌っていたシンガー。ギターリストでもあり、ギターを
叩き壊すというパフォーマンスもおこなっていたらしい。
清志郎にとって坂本九は、ロックンローラーの大先輩でもあるのだ。
「日本の有名なロックンロール」。それは、
大先輩の偉業に敬意を表すMCだったんじゃないかな。
そして、歌に込められた「どんなときも、悲しみをこらえ、
上を向いて歩いていこう」という
メッセージも、まさにロックンロール。
清志郎はこの曲を、自作の曲と同じぐらい大切にして、
次世代にまで届くようにと、
何度も何度も歌ったのだと思う。
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