【レースレポート】ツールドおきなわ市民200㎞ 70位 5:52:38.590

 今シーズンの大目標 ツールドおきなわ市民200㎞。それはそれはすべてがハイレベルな過酷なレースだった。


機材

フレーム:TREK Emonda SLR DISC 58
コンポ:Shimano DURA‐ACE 9200
クランク:DURA-ACE 9200‐P 175㎜ 54-40
スプロケ:DURA-ACE 12s 11‐30
ホイール:bontrager RSL37
タイヤ:PIRELLI Pzero Race SL TLR 28c(F4.1bar、R4.4bar)
チェーンオイル:ワコーズ チェーンルブリキッド EXTREME
サドル:Bontrager Aeolus Pro

 ホイールはRSL37をチョイス、タイヤは28CのTLR。天候を考慮してチェーンオイルはワコーズ チェーンルブリキッド EXTREMEを。空気圧は普段より心持ち低めに。レース前にBBとビンディングペダルを新品に交換したので不満なし。
 雨予報のため前日にイエローハットに行ってガラコを買ってアイウェアにぬりぬりして雨対策を。

補給

 補給はFlyボトル750㎖を2本。BCAA+パラチノース。天候や補給を頂けることを考えたらボトルは一本でも行けるかと思ったが念のためダブルで。
 背中のフラスクにジェル4つ+水(ジェルだけだと濃くて少しくどい為)、セイコマの芋蒸ようかんを4つ。スポーツ羊羹×2本

    寒いから補給は多めに。杞憂に終わればいいなと。

ウォーミングアップ

 長いレースなのでウォーミングアップなどはせず、宿から会場までも少し距離があるし天候的にも体を冷やしたくないのでスタート前まで体育館の屋内で過ごす。
 7:23スタート予定だけど、6:45のチャンピンクラスのスタートとともに50㎞のカテゴリーから整列が始まる。市民200㎞も順に整列。前から5~6列目。ジャケットを着ているものの寒い。

スタート~本部半島

 シード選手が最前列に並んで定刻通りスタート。クリートキャッチも一発、レースが始まる。何個か交差点を曲がってリアルスタート。
 リアルスタート後はゆるく・・・といったことはなく、スタートからペースはやめ。雨が降っていて視界は良くないがアイウェアにガラコを塗ったので幾分まし。リアルスタート直後の緩いのぼりでもそれなりに踏む。集団が大きいので前目に一度って自分自身の安全は自分で確保。ここらへんでガーミンがパワーを拾っていないので再起動…。
 渡久地港の橋で上り基調で車線幅が狭くなるので注意していたけど、案の定、後方で怒号?悲鳴?は聞こえたような。ファミリーマートの交差点を左折すると美ら海水族館の急カーブダウンヒルが危険。ここも無難にクリアしていく。風雨が強いのでなかなか気が休まらない。30㎞程のところで予定通り芋羊羹を半分口に。

羽地漁港~与那林道~普久川ダム(1回目)

 仲尾次(北)交差点を左折して羽地漁港の橋を渡ると強烈な向かい風。誰も前を牽きたがらないので集団は横に広がりペースはなかなか上がらない。部分的に海からの猛烈な横風を受けて集団が分断された時もあった。レース後の話しで北野さん、高杉さんあたりがアタックしたとのこと。あの風の中すごい。そういえばニセコで海で折り返して逃げができた時も向かい風だったな。
 50㎞を超えたあたりで一回目のトイレタイム。トイレをせずに行っちゃった集団もあったけど、有力どころはみんなトイレ。自分もすっきりして、走り出す。60㎞程の地点で芋羊羹を口に。そしていよいよ与那林道~普久川ダム1回目。
 集団は大きい。位置取り的には前から50番手くらいだったか。もう少し前にいたかったのが本音。人が多いのでマイペースでは登れない。接触に気を付けながら、垂れてきた人を交わしながら登っていく。ペース的にはゆっくりではないけどオールアウトするような感じではない。先頭がコーナーでは見えなくなる程度の位置で上っているが、いったん斜度が緩んでからの後半に先頭から少し離れてきた感じがあったのでペースアップしていく。割ときつい。こんなところで俺のツールドおきなわが終わるわけにはいかないので、先頭集団で与那林道をクリア。KOMをクリアしてから登り返しの補給ゾーンがカオス。補給をもらいたい人、もらわない人、ごみを捨てたい人…入り乱れる。自分は何もせずそのまま普久川下りへ。

普久川ダム下り~奥の登り~与那林道2回目

 路面はフルウェットで連続するコーナー、変化する斜度…。怖い。危なっかしい人を避けながら、急ハンドル、急ブレーキをしないように、できる限りG変化を少なくできるように意識し、周りを見ながら下っていく。
 途中で三名ほど落車が発生。巻き込まれずに済む。T字路を左折して奥に向けてもう一度下る。このコンディションで下るのにもだいぶ慣れてきた。下りきったあたりで二回目のトイレタイム。
 振り続ける雨、下りでは顔が痛い。奥の登りもそれほどペースが上がらず残り100㎞。辺戸岬を越えて2回目の与那林道登りに向けて南下。今度は追い風。集団のペースは50㎞/hを超える。3つほどトンネルと通るんだけど2つ目のトンネルが暗くて危なかった。トンネルの中は比較的暖かい。雨あがってないかな~と期待してトンネルを抜けるがやはり雨。結構ペースが速いのでこれまでの登りで脚を使った人たちが集団の後方で割と苦しんでいる。
 2回目与那林道登りは比較的前目で上り始める。人数も減り前目で上り始めることができたこともあり、割とストレスを感じることなく登ることができる。やはり2回目ではドロップしていく人も多くなってくる。自分ももちろんきついがオールアウトするほどではない。しかし後ろを見たら先頭集団のほぼ最後尾だった。ダンシングやシッティングで使う筋肉を変えながらごまかしつつ、先頭集団で上りきる。30人ほどだったらしい。

普久川下り~学校坂

 普久川下りの前に補給ゾーンをうまくクリアせねば…。個人的には飲み物は余っているから何も取らず。接触などないように気を付けながらクリア。さていよいよ学校坂に向けての長い下り。ウェット路面の下りにも慣れたので周りに注意しながら安全に下る。何人か交わして下るが、先頭集団の後方。
 さて下ってすぐもちろん十分には回復しないが全く余裕がないということはない。学校坂を登り始める。入り斜度のキツい約5分が個人的勝負所。やはり一気にペースが上がる。ダンシングでついていく。ログを見たら5:35/382wだった。先頭からはじわじわと離れて行ってしまうが、ここで先頭からじわじわ千切れていく面々が自分以外にもいた。前にはオレンジのジャージ。麒麟山だ。のちに田崎さんと判明。兼松さんも見える。イナーメジャージは安達さん。自分の前に5~6人のグループがある。そこに乗っかりたいとの思いで必死に登った。
 途中で後ろを確認しようと考えたが、やめた。後ろを見たら、気持ちも後ろ向きになりそうだったから。とにかく前だけ見て前を追った。斜度が緩くなってからスピードに乗せていけたけど、なかなか差が縮まらず登り終わってアップダウンへ。ここで周囲を見たら一人だった。数秒の差で前のパックが見えるから必死で追うが下り始まると一人じゃ差が広がっていった。
 あきらめそうになったが、前のパックの選手もきつい筈だし、前が見えない状態だったらペースが落ちるんじゃないかと思って追い続けた。脚はきつくて思うようには踏めないけど、気持ちだけは繋ぎとめて前を追い続けていたら、後ろから同じカテゴリーの選手が一人合流してきた。岩男さん。ニセコも三段坂の後、同じ集団だったな。2人でローテするけど、自分はもう全然牽けない。何とか二人で追いつきたいので、ローテしながら前を追う。前の数名とは差は縮まったり広がったり。二人になってもなかなか縮まらなかった。

慶佐次~有銘~羽地ダム~ゴール

 いよいよ脚が終わった。慶佐次の登りでは岩男さんについていけず、また一人に。後方からいろんな人に抜かれながら、もう何も残っていなくて思うように力が入らない。残りは40㎞。普段だったらなんとも思わない40㎞なんだけど、果てしなく遠く感じた。
 踏めなくなると発熱量も減り、低体温のような状態になる。正直、もうレースをやめようかと頭をよぎったけど、回収車を待っている間にもっとひどい低体温になるのは目に見えているので、ゆっくりペースでゴールまで行こうと走り続けた。後ろから来た200㎞のKNTさん、TONOの面々、伊藤さん、140㎞の工藤さんなどなどに声をかけられるが、応えることはできず、何とか羽地ダムの登りを越えてオリオン坂を下って、やっとのことでゴールまで辿り着いた。ほんと「辿り着いた」ゴールだった。

総括

 ロードバイクを初めて5年以上経った。ここ数年の目標はニセコクラシック、ツールドおきなわだった。コロナなどの影響で初めてのツールドおきなわ。そのツールドおきなわはコース、天候、展開、メンバー…とても過酷なものだった。2回目の与那林道を先頭集団で登った中ではおそらく最下位に沈んだんだと思う。ベースが違うんだと思う。
 ニセコクラシックでもそうだったが、このような厳しいレースでは自分の足りない部分が容赦なく炙り出る。それを自分なりに咀嚼し消化して、また前に進むしかない。少しゆっくりして時間をかけて課題を整理して、また来シーズンに向けて前に進もう。

 参加されたすべての皆様、お疲れさまでした!

 最後に、ツールドおきなわの開催・運営に携わっていただいた全ての皆様に感謝します。
 本当にありがとうございました。


 

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