一人親世帯の低学年児の率(市区町村別)

 一斉休校により共働き世帯が悲鳴を上げていますが,一人親世帯にとっては,まさに死活問題です。

 幼子を家に残して仕事に行くのは不安ですし,仕事を休んだら収入が断たれます。一人親世帯の大半は母子世帯ですが,収入が低い(時給制の)非正規職で,貯金もほとんどないという家庭が多いでしょう。

 そんな「崖っぷち」の世帯はどれほどあるのか。2015年の『国勢調査』によると,一人親世帯で暮らす5~9歳人口は43万2029人となっています。5~9歳人口全体の8.17%です。低学年の子の12人に1人が,一人親世帯の子ということになります。昔はネグリジブルスモールだったかもしれませんが,離婚率が高まっている今では,状況は変わっています。

 これは全国値ですが,地域による違いもあります。47都道府県別に同じ数値を計算し,高い順に並べると以下のごとし。

県別ひとり

 12.95%から5.45%までのレインヂがあります。7の府県で10%を超えており,マックスの沖縄県では低学年児童の8人に1人が一人親世帯の子です。私の郷里の鹿児島県でも率が高くなっています。

 一斉休校で「崖っぷち」に立たされる世帯の量の指標です。政策を決めるに際して,こういうデータもぜひ参照していただきたいと思います。

 感染症防止のため学校を休校にするかどうかの決定権は,当該学校の設置者にあります(学校保健安全法第20条)。公立小学校だと,市区町村の教育委員会です。ゆえに,上記の県単位よりも下った,市区町村レベルのデータも見たいところ。

 幸い,市区町村別のデータも出せますので,それを計算してみました。以下のスクショは北海道の最初のほうですが,10%超の高い値が並んでいます。

北海道の

 全国を見渡すと,もっと高い値も見られ,20%を超える自治体もあります。低学年の子の5人に1人がシングル世帯の子。こういう自治体は,一斉休校の是非について,改めて考えてほしいと願います。

 全市区町村のデータを収めたエクセルファイルをアップします。各自治体の関係者の参考になれば幸いです。


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