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テレフォンノイローゼ

電話って苦手だ。
遠くにいる人にすぐに連絡をつけるツールとして、大半の人に望まれた発明なのはわかる。確かに身内と緊急の連絡を取るのにはないと困るし、便利なのは認める。

でも嫌い。

電話って相手の都合お構い無しじゃないですか。相手が何をしていようと、強制的に自分と会話させるツールだと私は思っている。

私は必ず週に一度実家に電話を入れる義務を両親によって負わされているのだが、それがけっこう精神的に負担である。以前は「毎日」だったので、これでも緩和されたわけだが、それでも負担である。

親が私を心配しているのはわかる。特に母は専業主婦で、周りに友人も住んでいないため、私と電話しなければ父としか話せず鬱憤が溜まるのだろう。週に一度電話するくらいは親孝行と思って我慢しようと頭では思う。でも気が重い。

別に両親と仲はいいほうだとは思うし、話したら話したで楽しかったりはするのですよ。でも疲れてるときはしんどくて。なるべくこちらから話題を振らずに相槌に専念して早く終わらせようとしても、一時間くらいは結局かかる。終わると気力を使い果たした感じがして、大抵の場合そこから夜まで寝てしまう。

あと嫌な電話といえば、会社から課せられている24時間携帯。店への電話が転送されてくる電話をもたされていて、24時間365日いつ電話がかかってくるかわからない。さすがにまだ深夜にかかってきたことはないけど、盆や正月にも電話来たりするんですよね…。しかも1ヶ月丸々持っても手当ては5000円/月しかもらえない。他の人と分担すると100円/日になる。完全に割に合わない。しかもみんな嫌がるので代わってもらえても月に1日だ。

自分が思っている以上に24時間携帯のストレスは重くのしかかっていたらしく、着信音の幻聴が聴こえるようになった時期がある。

その頃は「ピリリリリ」という至ってスタンダードな着信音が設定されていたのだが、似たような音が意外と多い。YouTubeを見ていたらBGMにピリリリ音が混じっていたり、自宅マンションの駐車場の警報音がかなり近い音だったのでその度に携帯が鳴っているのかとビクッとした。あまりにストレスだったので着信音をクラシックの「木星」に変えた。平原綾香の「ジュピター」の元ネタ。オルゴール調なので心臓への負担が少なくなった。

これだけ嫌っているのに、電話が廃れる未来が想像できないのが最悪である。メールの台頭で手紙が、そしてLINEの台頭でメールが廃れつつあるような事象が、電話で起きるものだろうか。スマホは電話機というよりそれ以外の機能がメインになってきてはいるけど、それでも電話機能が無くなるとは思えない。

あーあ、急ぎじゃない電話をかけた場合、そいつの電話代5倍くらいにならないかなぁ。

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