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タヒさんのこと

『私の全てのわたしたち』という本を読んだ。サラ・クロッサンさんというひとが書いて、金原瑞人さんと最果タヒさんが訳したの。タヒさんがインスタのストーリーで試し読みをあげていて、普段あまり小説は買わないのだけれど、タヒさんが訳すってどんな感じなんだろうと気になって買ってみた。そして授業中に一気に読んでしまった。

タヒさんの作品と出会ったのはたしか中学生?いや、高1くらいかもしれない。そのころ特にグラフィックデザインに熱をあげていて、pen Booksの『名作の100年 グラフィックの天才たち。』という本で、デザイナーの佐々木俊さんのことをしった。そこでタヒさんの『死んでしまう系のぼくらに』の表紙が紹介されていて、なんだこの表紙、好きすぎる!と蛍光色を愛しているわたしは一発で虜になった。そのあと本を買ったから、いわゆるジャケ買いだ。

『死んでしまう系のぼくらに』は、わたしにとってあまりに大切な本だから、言葉にしたいとおもう日はきっと来ない。ただ、いろんなこと、特に生とか死についてばかり考えていたわたしに、たくさんの言葉を染みこませてきた。

タヒさんの詩はおもしろい。おもしろいという言葉で片づけるのは野暮な気もするけれど、詩が映画になったり、展覧会になったり、とくに俊さんのデザインとふたつでひとつな感じ。詩を読む、という行為はそれだけだとなかなか取っつきにくいと思う人もいるだろうけれど、いろんな感じ方があるんだよ、どんな方法でもいいんだよ、ということを示してくれたんじゃないかなぁと思う。この間のパルコミュージアムでの展示もすごく楽しかったんです。


まさか発売当日に新宿の紀伊国屋に赴いて、サイン本を買うようになるなんて思っていなかったけれど、そういうであいってうれしい。

さぁ、今日は青椒肉絲をつくります。