見出し画像

#077本から旅する⑧


今週読んだ本はこちら。

グッドラック GOOD LUCK
アレックス・ロビラ/フェルナンド・トリアス・デ・ベス 著 田内 志文 訳

2004年出版の、当時大ベストセラーになった作品、それもビジネス界で注目されていたように記憶している。が、あまのじゃくの私は読んでいない。

そんな本をなぜ今頃になって読むのかということだが、なぜか近頃ポルトガルに興味惹かれており、図書館でポルトガルゆかりの作品を探していたら、この本の作者がスペイン系ということもあり、その付近にあったことから手にしたのだ。
加えて、今週はまだ「読書」をしておらず(既読本の再読のみ)、即日読了するのに丁度良いサイズだったこともある。

で、肝心の感想だが、今まさに読むタイミングの作品だった…少なくとも20年前の私が読む本ではない。

「幸運」を常に追い求める人間だが、『運命と運の神ウインド』はこう言う。
「(魔法のクローバーの種をまいて)すべての人々に公平に幸運を分け与えているのだ」

だから、そのための『下ごしらえ』をするのが我々人間の務め。まずは心身ともに能動的であること、自分から動くこと。
改めて、なぜ人間には五感と身体がもたらされているかを思い出させる。
幸運は偶然ではなく、その手のそばに、足元にある。それを己のものにするのは、五感で気づき、その手足に動かすこと。

これまで、時には焦り、もがき、恥かきながらも、とにかく手足を動かしてきた、自分なりに。
そして、人生後半の今頃になり、もう幸運という概念すら自分の中では薄らいでいる。
そんなタイミングでこの本に出会ったのは、これからは、この本の真の主人公である「白いマントの騎士 サーシド」のように、私なりに経験を語っていくことなのかもしれない。

ところで、作品中の『下ごしらえ』の表現だが、それ自体は食材の下処理などを連想させるので、個人的にはもっと良い日本語が良いと思うが…
原著では”Creating the Conditions”だが、私なりの言葉では(幸運への)「支度」や「仕掛け」になろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?