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「ガバクラ移行って実際のとこ順調なんですか?」と住んでる市の担当部署に直接問い合わせをしてみた

◆少しnote書いてみて気づいたこと

写真は先月行ったお気に入りスポット、福井恐竜博物館の屋上のオブジェです。
投稿内容と関連はないです。
noteでの投稿を始めてから3つの記事を発信しました。見ていただいた方ありがとうございます。

でもここでこうして推測や願望を書き連ねていても、ぼくが真にリーチを願っている実際のガバクラ移行の現場には到底とどかないのではと考え、

もうこうなったら迷惑住民扱い覚悟で直接役所に問い合わせてみることにしました。笑

◆やるなら、やらねば

ぼくが2021年から住んでいる市のWebページには、部署ごとの問い合わせフォームが用意されていて、そこに「おそらくガバクラ移行に取り組んでるとしたらここじゃないか」と思われる部署を見つけたので、
以下のような内容の問い合わせ(?)、
いやもはや言われる側からしたら鬱陶しいちょっかい(?)を出しました。

ここで、そのやりとりを公開しようと思います。但し、問い合わせ先の市の名前とかは伏せさせてください。

【ぼく→○○市XX課問い合わせフォーム】

タイトル:「地方公共団体の基幹業務システム統一・標準化」への○○市の取り組み状況を知りたいです

本文(一部伏字):
突然の問い合わせで失礼します。
2021年ごろより○○市に住んでいる、都内のコンサルティング会社に勤めている者です。
顧客企業のITプロジェクト(大規模なシステム更改や導入)の推進支援の仕事に、新卒入社以来10年間携わってきました。

そんな自分が住む○○市のXX担当の方にお願いしたいことがありこうして連絡差し上げています。

私が現在、世間のニュースの中でもっとも個人的に注目しているものが、
デジタル庁が推進している「地方公共団体の基幹業務システム統一・標準化」の動きです。

私の理解では、
・2025年度末までに、全国自治体の基幹業務を、デジタル庁が整備した
 ガバメントクラウド上のシステムで遂行できる状態にする取り組み
・対象業務は、住民基本台帳・戸籍・戸籍の附票・児童手当・児童扶養手当・
 子ども/子育て支援・印鑑登録・選挙人名簿管理・固定資産税・
 住民税(個人/法人)・軽自動車税・就学・健康管理・障碍者福祉・
 生活保護・国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療・国民年金
 の多岐にわたる。
・「システムの標準仕様」は管轄省庁が策定し、各自治体ではその仕様に
 則って個々の業務システムをガバメントクラウド上で構築、移行、運用
 するパートナーを選定してシステム切替を進めることになっている。

というものです。

これについて、関係者でも何でもないけどIT業界ではたらく一個人として次のように思っています。
・デジタル庁がアピールするようなメリットが現実的であるかは一旦置いておいて、
 地方公共団体の職員の方たちの働き方を変えていくためには不可欠な取り組みであることは疑いようがないため、全国の自治体のみなさんがこのプロジェクトを成功させることを純粋に願っている。
・「日本はIT後進国である」との意見も世間には少なくないが、
 この取り組みによってそれを多少なり覆せるのではないかと期待している。
・その一方で、これだけの業務システムの切替プロジェクト一つ一つが、どれほど大変か、
 現場を経験している身としては想像がつき、どの自治体も足並みをそろえて
 順調に、ということにはならないんじゃないかという心配もあり、
 自分が手伝えることがあるなら何か貢献したい。

前置きが長くなりましたが、私からお願いしたいことは以下です。

①ガバメントクラウド移行の取り組み状況を、一般市民にも可能な範囲で共有いただくことはできないでしょうか。
 「こんな予定でやります」「○○市としてはこれに力を入れます」など、
 知れることで皆さんを応援する声も増えるのではないでしょうか。
 現状、各自治体の本件への取り組み状況が公開されているケースはほとんど見つけられません。
 しかし、「基幹業務システムを切り替える」という経験は大小を問わずほとんどの
 企業では身に覚えのあることであり、公開することで親近感や好印象を抱く市民も多いはずです。

②そして、もし人員不足や知見を求めているのであれば副業人材などの柔軟な
 形態も含めて、上記のような発信をきっかけに市民の力を借りることも考えてみてはいかがでしょうか。
 業務やシステムの性質上、セキュリティ的な制約があるであろうことは想像していますが、
 市としてもこれまでに経験したことがない規模のシステム切替であると思われますので、
 第三者的スキル、視点を活用できれば、職員の皆さんと応援する市民両者にとって
 有益なプロジェクト運営につながるのではと考えます。

 「第三者的スキル」を、私を例に挙げさせてもらいますと、
 現在の勤務先でのプロジェクト経験に基づいて、
 システム導入のプロジェクト推進のノウハウ(成果物の例、効果的な会議の準備と進行、テストやデータ移行の計画作り方など)を提供、実践できるかと自負します。

以上、勝手ながら、自分で調べてみた情報をもとに思うところを述べさせていただき、お願いを記載しました。

「実態を何も知らないやつが好き勝手講釈を垂れている」
と受け取られても当然の内容かと思いますが、お時間あればご一読いただければと思います。

皆さんにおかれましては、日々の業務に加えてのプロジェクト参画となる方が多いと推察し、
ご多忙のところとはおもいますが、上記について検討いただければ幸いです。

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◆「変な奴から変な問い合わせ来たw」と思われるリスクを冒してまで何を狙ったか

意図としては、
・2025年度末までに移行完了、というマイルストーンに対して現場の方は実際どう感じているのか
 を一次情報として把握して、そこにぼくのような人間が力になれる余地があるのかを探る。

・そもそもガバクラ移行の取り組み自体の認知度を高めるような動きを取ってもらうことで
 市民にも「行政が(ポジティブに)変わろうとしている」という認識を広げて、外部人材としての支援を求める/られるような土壌を作る糸口とできたらサイコー。

…我ながらかなり「お前はどの立場からモノを言ってるんだ」的な問合せですが、もうこの方法でコンタクトを取ってみることしか思いつきませんでした。笑

そしたら、問い合わせ先の部署が丁寧に回答をくれたのです。

【○○市XX課→ぼく】

◻︎◻︎ ◻︎◻︎様

ご連絡頂きありがとうございます。
⚪︎⚪︎市 XX課です。

この度は、「自治体情報システムの標準化・共通化」に関してご要望、ご提案を頂きまして誠にありがとうございます。

「自治体情報システムの標準化・共通化」については、◻︎◻︎様のご認識のとおり、全国の自治体(およそ1700の自治体)が令和7年度末までに基幹系20業務システムに関して国の示す標準仕様書に基づき構築された標準準拠システムへと移行するという一大プロジェクトです。

全国の自治体で、ほぼ同じ時期に大きなシステム更新を行うため、事業者側の人員不足等の状況など課題となる部分も生じてきており、自治体によっては令和7年度末までの移行が困難となっている状況です。

幸い⚪︎⚪︎市においては、国の示す移行期限である令和7年度末までにすべてのシステムが、標準準拠システムへと移行するスケジュールで業務が進められている状況です。

ご要望の件、①取組み状況の共有に関しては、現時点で詳細等申し上げることが難しいのですが、概ね令和7年度末までにガバメントクラウド上に構築された標準準拠システムへ移行していく想定です。
②市民の方のお力をお借りすることに関しては、国の方から標準化を進めて行くにあたっての手順書等も示されており、先行自治体等の情報も得ながら引き続き業務を進めて行きたいと考えております。国の考える標準化の趣旨も踏まえ、移行の段階から標準的な手順に基づき業務を進めていくべきと考え、ガラパゴス化しないよう歩調を合わせて進めて行きたいと考えております。ご意見等を十分に生かすことが難しい事業ともなるため、現時点で市民の方々にご協力頂く予定はございません。

この度は貴重なご意見を頂きありがとうございます。
標準化に限らず、今後の政策について検討していくための重要な視点として承り、生かしてまいりたいと思います。

以上、今後とも⚪︎⚪︎市政へご協力賜れれば幸いです。

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◆わかったこと&感想

・読み取れたことはざっと3つ。

 1. やっぱり、ガバクラ移行の取り組みに苦戦している自治体は少なからず存在する。「目標通りの完遂はできない」という感覚をすでに持ち始めているところもあるようだ。

 2. 一方で、特に大きな問題なく進められている自治体もあって、幸いぼくの住む○○市もそうらしい。先行自治体がモデルになると言う好循環も回っているみたいだ。
→苦戦しているところとそうでないところとの差は何から来ているのか、を考えてみたら次の(ぼくの)動きが掴めるかも。

 3. 「ガバクラ移行ってこんなことやってます(タイヘンです。。。)」
 を自治体側から発信するのは乗り気ではないムード。
 全体の方針としてそう国から言われているのか、地方公共団体という組織の性質がそうさせるのか。
 ここを変えるのは相当ハードルが高いと思われる。(予想はしていたけど)

さすがに最初はちょっと気が引けたけど、ダイレクトに問い合わせてみてよかった。
自分の心配が全国どこにも当たっているということはなく、うまくやれてるところもあるなら、そういうところがどんどん他のうまくいかないところを引っ張り上げて行ってほしい。

で、更に言うと「うまくやれてるところがあるなら、そうでないところも何かを変えればうまくいく」ということもまた真ではないかと。

そしてその「何かを変える」ってところにぼくみたいな者でも多少なり役立てるクチがないかというのはもう少し探っていこうと思いました。

・「日本はIT後進国である」との意見も世間には少なくないが、
 この取り組みによってそれを多少なり覆せるのではないかと期待している。

問合せの中にも書いたコレ、実はそこそこ自分の中では重視してるんですよね。
日本という国の制度やシステム、現状にいろいろ思うところは誰しもあると思うけど、
今回のガバクラ移行、しっかりやり遂げて、「何だかんだで、なかなかやるじゃん♪」って感じられたら他のコトはまあいろいろ目をつぶれるというか笑

これからもこんな感じで粘り強く調べてったら何かに繋がると信じて。
(きちんと回答を返してくれた担当の方、ありがとうございました!)

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