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ドン・カルロス メモ(3)場面整理, 第二幕

第2幕第2場

◆登場人物
カルロス

◆いつ
1幕ののちマドリードに戻ってから

◆どこで
マドリードの王宮内

◆できごと
カルロスが王との和解を試みる。
王が絆されそうになる。
カルロスはネーデルラント総督に志願する。
王は冷血なアルバ公爵が適任であると退ける。
カルロスは怒って出て行く。

◆その他
王の孤独。
フェリペ2世の父親カルロス5世は人生のほとんどを旅して過ごした。

1場では王の謁見を求めてカルロスが来る。カルロスはアルバを出て行かせようとする。(アルバが王に侍るのはスペインの為、自分は父と子の会話をしにきたのだ)アルバは出て行こうとするが王は隣の部屋(書斎)で控えるように命じる。会話を聞かせておくためか。


第2幕第3場

◆登場人物
フェリペ
ドミンゴ(本来はアルバ公爵だが上演台本ではドミンゴに変更)

◆いつ
2場に続く

◆どこで
マドリード王宮内

◆できごと
ドミンゴ(アルバ公爵)が入ってくる。
王がブリュッセル行きの支度について問う。

◆わかること
王はブリュッセルへ行こうとしている。
王はカルロスが危険だと言われたことがあるが誰から言われたのかは忘れた。

◆その他
のちの手帳のシーン、ドミンゴに噂話を聞かされた云々のシーンにも繋がる。王は人間を数字としてしか扱っていないしそうすべきと学んできた。が、この場では少し人間の情(親子の情、立場が似た者同士の共感)を感じている?獲得した人情の揺らぎに悩み出すのがこの場面から。



第2幕第4場

◆登場人物
カルロス
ドミンゴ(本来は小姓)

◆いつ
3場のあと

◆どこで
王妃の部屋の前の室(広間)

◆できごと
ドミンゴがカルロスに(エーボリ公女からの)手紙と鍵を渡す。
鍵は王妃の部屋に隣接する小部屋のもの。
カルロスは王妃からの手紙だと勘違いし、喜んで向かう。

◆わかること
ドミンゴに設定した場合、ドミンゴはエーボリからの手紙であることをあえて言わないと理解できる。

◆その他
5場、カルロスとアルバの会話。アルバにフランドル行きが命じられた。そのわけを問う。抜き身でやりあう。
6場、王妃が来て止める。
7場、カルロスに手紙を届けた時の様子を小姓がエーボリ公女に報告する。


第2幕第8場

◆登場人物
カルロス
エーボリ公女

◆いつ
4場の続き

◆どこで
王妃の部屋に続く小部屋

◆できごと
エーボリ公女がリュートを弾き歌っているところへカルロスが現れる。
エーボリ公女はカルロスは別に好きな人がいるのだと考えるが、
会話するうちにカルロスが恋するのは自分だと思い込む。
エーボリ公女は(王からの)手紙をカルロスに渡す。
カルロスは手紙を利用しようとして去る。

◆わかること
カルロスはエーボリ公女が誠実で徳の高い人だと思い込む。
この思い込みは終盤まで変わらない。
エーボリ公女がカルロスに渡すのは王からの不倫関係を求める内容の手紙。


第2幕第9場

◆登場人物
エーボリ公女

◆いつ
8場に続く

◆どこで
王妃の部屋に続く小部屋

◆できごと
カルロスが出て行った後のエーボリ公女による独白。
エーボリ公女は王妃への復讐を誓う。

◆わかること
エーボリ公女は王妃を特別に徳の高い存在だと思っていた。
王妃が恋をしているに違いないと思い込み、恨みを募らせる。


第2幕第10場

◆登場人物
ドミンゴ
(本来はアルバ公爵)

◆いつ
9場のつづき

◆どこで
王宮のある部屋

◆できごと
エーボリを使って王妃と王子を失脚させようと画策している。

◆わかること
信心深く教会の言うことを聞きそうなエーボリ公女をそそのかし、利用して王妃の不倫の証拠にできそうなものを探させ、いずれは王妃に仕立て上げようとしている。
教会にとって王妃と王子はプロテスタントの教えに親和性が高く、民衆を理解する不都合な存在。次の王に相応しくないと考えている。


第2幕第11場

◆登場人物
エーボリ公女
ドミンゴ

◆いつ
9場に続く
午後(10場のセリフからわかる)

◆どこで
王宮内の一室

◆できごと
エーボリ公女がドミンゴに王の申し出(不倫関係)を受け入れると伝える。
ドミンゴはそれに驚く。
エーボリは王妃の化けの皮が剥がれたという。
ドミンゴは「機が熟した」という

◆わかること
ドミンゴおよびドミニコ会の陰謀

◆その他
12−13場、ドミンゴ、アルバ、エーボリの会話。ドミンゴとアルバがエーボリを使って王妃に宛てたカルロスの手紙を手に入れようと画策する。


第2幕第14場

◆登場人物
カルロス
修道院長

◆いつ
???

◆どこで
カルトジオ派修道院前
カトリック教会に属す修道会で、ケルンのブルーノを創始者として11世紀フランスに発生した、21世紀においても現役の修道会。「孤独」を追求できるような環境。カルトジオ会は民衆への説教や、伝道といったことも一切していなかったので、完全に修道院の決められた区画に引きこもる生活を規定されていた。教会堂の前庭にも、日々通る回廊の中庭にすら出ることはなかった。この生活は15世紀まで保たれ、それ以降は若干の散策が許されるようにはなったがそれでも修道院の外へ出ることはなかった。

◆できごと
カルロスが修道院長に秘密があることを仄めかす。
修道院長は善悪を決めるのは個人であると言う。

◆わかること
王子が誰かと密会していることがわかる。


第2幕第15場

◆登場人物
カルロス
ポーサ侯爵

◆いつ
14場のつづき

◆どこで
カルトジオ派修道院前

◆できごと
カルロスは王と話したがネーデルラント総督になれなかったことをポーサ侯爵に伝える。
カルロスはエーボリ公女から取った手紙を証拠に王の不貞を暴露しようと考える。
ポーサ侯爵はその手紙を引き裂く。
ポーサ侯爵は王妃に会う手引きをする代わりに全て任せるようカルロスに言う。
カルロスは「ブラバント(ブラバント公国)宛の手紙は全て開封され王が確認している」ことを注意する。

◆わかること
ポーサ侯爵が計略を巡らせていること。
通信長のドン・ライモンド・デ・タクシスがカルロスのよい友人であること。

◆その他
ヨーロッパの郵便網はタクシス家が握っていた。



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