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マーケティング戦略|ブランド・エクイティについて

Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|ブランド・エクイティについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。

製品の資産価値

企業間での買収や合併が盛んになるにつれて、企業が所有する工場や不動産のほかに無形のブランドが高額な売買の対象となってきました。ブランド自体が内包する資産価値のことをブランド・エクイティといいます。

ブランド・エクイティ

★ブランド・エクイティという概念は、デイビット・A・アーカーが1991年にManaging Brand Equity(ブランド・エクイティ戦略)という著書で発表しました。これは「ブランドの名前やシンボルと結びついた資産および負債の集合」と規定されています。
★当初、彼はブランド資産を構成する要素としてブランド認知、知覚品質、ブランド・ロイヤルティ、ブランドの連想、他の所有権のあるブランド資産(パテント、トレードマーク、チャンネル関係など)の5つを挙げていましたが、主要なものは前の4つです。
★これらの要素について簡単に紹介しましょう。
ブランド認知とは、消費者が当該ブランドについてどの程度知っているかです。
知覚品質とは、詳細な仕様についての知識はなくとも素人のレベルで判断できる製品の良し悪しの水準です。
ブランド・ロイヤルティとは、あるブランドが継続的に買われ続ける状態のことです。
ブランド連想とは、そのブランドネームを見聞きした時に思い浮かぶイメージです。
★これらの要素の水準が高いブランドは資産価値が高く、より多くのキャッシュフローを生む可能性があります。

ブランド・エクイティの成功事例

それでは、ブランドエクイティで成功している事例を見ていきましょう。誰もが知る有名ブランドであり、高いブランドエクイティを誇る企業をご紹介します。

・ダイソン

「吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機」でお馴染みのダイソン。技術力もさることながら、高いマーケティング力を持つ企業として知られています。
CMで流れたこの一言は視聴者に強烈なインパクトを与え、ダイソン=吸引力、というイメージを定着させたと言えます。
今となっては、サイクロン式を採用した吸引力の強い掃除機は珍しくありません。しかし、それでも吸引力のイメージは、ダイソンが他社よりも強いと言えるでしょう。
これがブランドエクイティの構成要素における、「ブランド連想」が確立しているという証拠です。

・スターバックス

誰もが知る、セルフ式カフェの代名詞的なブランドである「スターバックス」。
スターバックスのブランド戦略は3C分析を活用しています。これは「自社の強み」「競合の特徴」「顧客のニーズ」の3つの観点からブランディングしていく方法です。3C分析を基にして、スターバックスは、お洒落、美味しいコーヒー、高級感がある、といったブランドイメージを確立していったのです。
ブランドイメージを確率させることで、ブランドエクイティにおいて最も重要な構成要素である「ブランド・ロイヤリティ」に直結していると言えるでしょう。

・無印良品

食品・家具・雑貨から衣料まで、生活のあらゆる品を提供する無印良品は、「これがいい」ではなく、「これでいい」という価値観で展開するブランドです。
奇をてらったデザインをせず、どんな生活基盤を持つ顧客にも馴染むのが無印良品の商品イメージです。
そして、誰にでも受け入れやすいデザインであると同時に、無印良品の商品は「長持ち」すると評判です。価格も低価格であるため、消耗品のリピーターや部屋一式を無印良品で統一しているファンもいます。
無印良品は「低価格かつ高品質」という絶対的な信頼感を生み出していると言えるでしょう。
ブランドエクイティにおける、「知覚品質」がとても高いことがわかります。

・星野リゾート

価格競争から抜け出すことは、ブランディングにおける大きな目的であり、競争から逸脱したブランドはブランドエクイティの高さの証明です。
星野リゾートが提供するサービスは、決して低価格ではありませんが、その知名度と人気は業界でもトップクラスと言えるでしょう。
特徴は、コンセプトの決定を経営陣が決めるのではなく、現場の従業員が主体的に決めているという点。
顧客の生の声を反映させ、よりターゲット層を具体的に絞ることで、高い満足度を実現しているのです。

・資生堂

資生堂は、国内シェア率1位、世界シェア率でも5位を誇る、日本を代表する化粧品メーカー。
その特徴は、「メガブランド戦略」にあります。これは、各部門でターゲット層やニーズを絞ったブランドを複数展開することで、あらゆる層の顧客を獲得する戦略。日本人の黒髪をより艶やかにするシャンプーというコンセプトを基に展開された「TSUBAKI」や、30?50代の大人の女性のアンチエイジング化粧品として展開した「クレ・ド・ポー ボーテ」など、様々な分野で一大ブランドを確立したのです。
顧客拡大のため、資生堂は国内だけでなく、世界に目を向けた施策を行うことで、欧米で拡大するアジアブランドとして人気を獲得しました。製品ポートフォリオには、消費者の問題意識に応え、環境問題への取り組みを反映しています。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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