もうすっかり秋の匂い

風も太陽も、いくらか柔らかく包んでくれてるような感じがする。

今日は、人間をサボる日と決めている。

寝たいだけ眠るし、化粧もしない。部屋着のまま
好きなだけ本を読む。
SNSも見ない。

読みかけの本を読み終えて、なんとなく外に出たくなって

服に着替えて、家から徒歩5分の大きな川にきた。
桜の木の葉が、もう赤く色づいていた。
まだ上半分くらい。グラデーションが美しい。
グラデーションと、上の方の赤と空の青とのコントラストがとても綺麗で
思わず写真に収めた。

スマホを取り出したついでで
見ないと決めていたSNSを開き、アップした。
そして、

君がストーリーを上げてたことに気づいた。
明日、連休の中日に有給を取ることは知っていたから、
どっか行くんだろうなとは思っていたんだけど
どうやら沖縄にいるようだった。

口をあんぐり開けた、可愛いシーサーの写真。
誰と来ているのか、一緒にいる人の姿は映っていない。

もう、彼女できちゃったかなぁ。
本人は、自分はモテないって言ってたけど
顔も整っているし、趣味も良いし、服もおしゃれだ。

ていうか、以前私が博多に行った時にお土産が欲しいと仰っていたが、絶対いらないよね。笑

そんなことを考えながら、
自宅に戻り、アマプラを観て時をやり過ごしていたところ
君から連絡がきた。DMで。

「最近調子どうですか？」

夜の8時ごろだったかな
沖縄にいるのにわざわざ私に連絡するなんて、変な人。
でも、内心めちゃくちゃ嬉しい。

告白をした日から、君は頻繁に連絡をくれるようになった。

嬉しい反面、なぜ連絡をくれるのかよくわからず、ちょっと複雑な気持ち。

「元気だよ、ありがとう」
と返し、真っ赤なハイビスカスと透き通った海の写真を送ってもらった。

きっと、私以外にも連絡をとっている女の子はいるだろうけど
君が私にしてくれることが嬉しかった。

告白はしたけど、もうしばらく友達でいようかな。

無駄に傷つきたくないし、この距離が心地いい。

彼女できた？って遊びで聞いてみたんだけど、
付き合っている人はいなくて、体の関係を持った人はいるって
男の子だもんなぁ。

だし、改めて、君は私のことを好きで連絡してるわけじゃないって気づいてしまった。
こういうことに、いちいち傷つきたくないじゃんね。もう。

気持ちは気持ちとして、
時間の流れに身を任せよう。

とりあえずは、次に会う日にとびきりかわいい笑顔の私でいられますように。
それが女の子ってもんです。