【ご意見募集】5年後、個人間決済は普及するか?

【1】 日本のキャッシュレシュは、主要国に比べて遅れている。

たとえば、4/9の日経記事によると、日本は20%程度で、韓国(89%)の4分の1程度で、中国(60%)や英国(55%)などに比べて、かなり低い。

理由は「現金の方が使いすぎない」「現金しか使えない小規模店がある」ことがよくあげられる。

ここでは、キャッシュレスが進まない間に、中国や米国では生活に根差しはじめた「個人間決済」も普及していないことを取り上げたい。

食事などの割り勘、立て替えの精算、仲間内の会費の支払いのように個人間でのお金のやりとりは日常的に行われている。

これを振込、現金書留、会った時に精算ではなく、スマホ同士で送金する仕組みが、個人間決済だ。

米国では「ベンモ(Venmo)」というサービスが普及している(現在のユーザー数は「数百万人」)。さらに米国の大手・中堅銀行30行以上が参加する「ゼル(Zelle)」というサービスもある。

中国では、アリペイやWechatペイを使うと個人間決済ができる。落とし玉もアプリを使って渡されているという話もある。

【2】 実は、日本でもすでにサービスは存在する。すべて、個人間決済自身は無料だ。 まずYahooウォレットと LINE Payがある。これらは、QRコードを使った加盟店での支払いにも使えるが、送金側と受取側の両方で本人確認があれば、個人間送金が可能だ。チャージや出金に利用する銀行口座の登録をもって本人確認ができる。

この二つのサービスは、Yahoo IDやLINE IDを持っている人が多いので潜在的顧客基盤がある。銀行口座登録という心理的障壁があるが、使い始めると便利だ。

Paymoは、レシートをアップするという方法で本人確認不要で割り勘ができる。双方でアプリをインストールすればすぐに使える。

kyashは、送金する人は、クレジットカードを登録してそのカード払いとして相手に送金する。銀行口座登録なしで送金できる。(現金ではなく、ポイントを送るというシステムになる。)

Paymoとkyashは、潜在的顧客基盤を持たないが、本人確認不要で銀行口座登録という心理的障壁がない。

(これらのサービスの制約は、金融当局によるマネーロンダリング規制があるからだ。)

【3】 問題は、送金されたお金の利用だ。Yahooウォレットは、銀行出金時には2%(税別)の手数料がかかる。 LINE PayとPaymoは、200円(税別)の手数料がかかる。

kyashは、Visaプリペイドとして国内外のオンラインショップで使えるが現金化できない。(リアルカードも発行すれば、店舗での利用もできる。)

これらのサービスでは、現金化が壁のようにも見えるが、実は、現金化しないで、受けとった人がまた送金に使えば、すべて無料で使うことができる。(関連情報として、メルカリユーザーは、売上金を手数料をはらって現金化しないで、メルカリでの購買に使う人が多いことが知られている。)

だから、本当の壁は、普及率だといえる。

つまり、普及が進めば、便利になる。しかし、普及が進まないと便利にならないという、いわゆる「チキンーエッグ問題」を超えられるかが真の問題だろう。

一見難しそうにも見えるが、他の決済会社も個人間決済サービスを始めるだろうし、メルペイ(メルカリの子会社)など、さらに新たな参入もあるだろう。メガバンクや郵便貯金も、口座に直結したQR決済へ参入する動きがあり、個人間決済にも参入する可能性がある。

【4】 <個人間決済の前提条件>個人間決済が普及する前提は、キャッシュレスの普及拡大だ。そこで、5年後くらいに、日本のキャッシュレス率がどうなるかご意見を聞きたい。便宜的に3つの選択肢を示しますので、近い選択肢を選んでその理由も教えてください。

A. 今とほとんど同じ20%程度。(25%以下)

B. 今より10%程度多い30%程度。(政府目標は、2027年までに40%)

C. 今の英国なみの50%程度。(40%以上)

*以上の情報は、2018年6月時点での情報です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31744810U8A610C1000000/?df=3

https://www.nikkei.com/article/DGXLZO17948220R20C17A6EE9000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29157580Z00C18A4EE8000/

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