二〇〇年後迄
(222字)
「あら!今日って二〇二二年二月二二日よ!」
隣のデスクのIさんが一際大きな声と共にこちらを向いた。
「書類を見ていて気付いたわ。ほら、二がこんなに並んでる」
Iさんは屈託のない微笑みと上品な物言いで、機を狙ってはお喋りをねじ込んでくる大先輩だ。
「こんなことって滅多にないわね、二二二二年じゃ二〇〇年後だから私はもう居ない…ああでも、Tさんはまだ若いから可能性あるわね」
冗談で言っているとは分かるのだが、何だかどぎまぎしてしまった。
まさか、私の正体を。
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