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攻略に夢中になりすぎるな

就活に一生懸命になっていると、就職が大学生にとっての攻略すべきゲームのような感覚になってくる時があるかもしれない。

どうすれば攻略出来るか。
絶対にインターンをやっておくべき。
ガクチカ・エピソードを作っておかなければ。
面接はこうやって攻略しよう。などなど。

ゲーム感覚で攻略するという方法論は解決手法として優れていることが多い。しかし、その方法論が貴方にとっての正解とは限らない事を見落とした時に問題は起こる。
就活の一方の当事者である企業側は能力の高い人材を欲していて、その能力の高さはステレオタイプになりがちだ。だから突破するための攻略法は有効でないわけがない。
だからと言って、攻略法を徹底する事が貴方の人生にとって最良の選択かどうかは分からない。

ゲームをする時、攻略法を見てからプレイするタイプと、見ずに挑むタイプ、そして少しは見るタイプがあるだろう。
どれが正しくてどれが正しくないと言うようなものではない。人それぞれのやり方の違いなだけだ。攻略法を見る人だって、時間が無いから仕方なくという人もいることだろう。
あるいは攻略法を知ってからやるのは邪道で、苦労してたどり着いてこそゲームの真髄が分かるのだという人もいるだろう。

より上位の企業に入る事が目指すゴールだとすれば、「普通の人」は攻略法無くしては達成出来ない。
でも、考えてみた方がいい。その企業に本当に求められている人は、攻略法なんか無くても入れるのだ。むしろそういう人は攻略法とは無縁だ。
世の中には間違いなくそういう人がいて、普通の人ははなから競争にはならない。この世は平等でも無ければ公平でもないのが真実ほんとうだ。
だから、攻略法に一生懸命になって運良く内定を掴めたとしても、そこは絶対にゴールではないし、言ってみればその先に待っている地獄のエントランスゲートでしかないかも知れない。

大した努力をせずに優れた才能を発揮する人は世の中には沢山いる。努力を見せずに陰で見えない努力を死ぬほどしている人もいる。それらの人達と伍するには、貴方も死ぬほどの努力を強いられる。だから仕事が楽しめなければやり続けられない。続けることでしかチャンスはやって来ない。

ワークライフバランスなどと言って、プライベートの時間と仕事の時間をきちんと分けて持てるのは、本当に優秀な人だけだと思った方がいい。優秀な人程、それほどワークとライフを分けていないものだが。

人は大して好きでもない仕事に多くの時間を費やすことは出来ない。逆に好きで楽しいことであれば時間は気にならない。
好きな事を仕事にするのとは少し違う。
貴方がその仕事を楽しめる仕事と思えるかどうかだ。仕事をしていたら楽しくなってきたというようなことが、その仕事で起こりそうかどうかだ。
その仕事をしている自分を誇れるようになるかどうかだ。

間違っても、この企業に入れた自分を誇らしく思うみたいな人にはなって欲しくない。なぜならそんな誇らしさは幻想だからだ。誰もそんな事では「あなた」に仕事を頼みたくはならないからだ。

どんな企業に勤めていようとも、仕事をするのは会社ではなくてあなた自身だ。取引先が仕事を頼む相手はあなただ。そういう「あなた」の集合がその企業の顔になる。

もちろん攻略法は大切だ。
でも、その使い方が大切なのだ。
貴方が攻略法の間違った使い方をしなければ、とても有用なはずだ。
攻略法をどこにどう使うか一度考えてみるのも損ではない。

そんなの理想論だと思うかも知れない。
攻略法に頼らなければ何も始まらないと。
とにかく内定を取らなければいけないのだからと。
でも普通のあなたが普通に攻略法通りに攻めたとしても、相手にはどう映るだろうか。そんな就活生は溢れかえっている。
例え就職出来たとしても、数年したら会社を辞めることを考え始めるという人が何と多いことか。中には心を蝕まれてしまう人だっている。

もし何かの縁でこれを貴方が読んでいるのだとしたら、せっかくだから貴方だけには成功して欲しい。つまり、貴方に合った職を手にして欲しい。そして貴方の持つ能力を活かして社会で活躍して欲しい。
数年で辞めたいと思ってしまうような会社に入るようなことにはならないで欲しい。長く続けたいと思える職に出会って欲しい。

だから、攻略法には夢中になり過ぎないようにして欲しい。

あ。これも攻略法かもしれないね。

おわり

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